2016年02月02日(火)
阻害要因1 施肥 [寒蘭の勧め(旧)]
生物性の中で私が何を言いたいかは解ると思うが、いわゆる蘭菌が本当に重要な働きをしていると言うことだ。蘭菌=「ラン菌根菌」は寒蘭根組織の「皮層」の中に生育する。皮層の環境(皮層は生物性の領域になる)をいかに好環境に保ちこのラン菌根菌をうまく生育されるかが、寒蘭を上手に育てるコツになる。
立地条件や採光、水やりや施肥等の肥培管理も生物性に直結する。
既出の資料になるが
まずは寒蘭の根がどんな構造でどんな働きと特徴があるかを知っていないと前に進まない。
1.寒蘭の根の図から
IDとパスワードを求められたらそれぞれ hokanko
2.根の構造(顕微鏡写真)
この記事の下にあるが
澤先生の記述から
「カンランの根には根毛がなく(根の発生初期にはあるがまもなく消滅してしまう?)養分や水分は根被細胞を通じて吸水されている。このためハイポネックスなどの化学肥料を施す際には充分注意しなければならないことがある。それは植物体に影響がなさそうな濃度の液肥を与えたとしても、その後、鉢内が乾燥するにつれて、液肥を吸った根被細胞内での水分は内部への移行のみ行われ、それを補充すべき外からの水分の供給が少なくなり、その結果、根被細胞内の液肥の濃度が高くなり、結局、高濃度の液肥を外皮に施したと同じ状態になって濃度障害を引き起こすことになる。したがって、鉢内が乾燥しないように常に注意して管理するならば普通の草花と同程度の濃度の液肥を施してもかまわないが、それには手間がかかるし、逆に加湿になりやすい。したがってランに化学肥料を施すときは、草花などに施用するときよりも三〜五倍に薄め、そのかわりに施す回数を多くして灌水代わりにかけるようにすることである。」
この記述のように寒蘭は構造的に肥料に弱い。澤先生は土壌肥料は専門外なので液肥と限定しているが、置肥も同じだ。
液肥や置肥の施肥が限度を超えると根を傷めることになる。外皮が損傷するとそこで侵入を阻止していた病原菌や雑菌を皮層内に入れてしまうことになる。皮層細胞が破壊されてしまうと当然だが皮層内にいるラン菌根菌はダメージを受けることになる。
Posted by woods at 2016年02月02日(火) 00時00分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 3 )
コメント
良好な栽培環境のためにこのブログを通じて覚えておきたいことが沢山あります。私もいくつかの項目別に要点を自分なりに求めたものを箇条書きにでもしておいて、いつでも確認できるようにしておきたいと思います。
参考になりましたか。良かったです。
既出の資料ですが何処に何があるのか解らなくなっています。
自分のためにも整理できたらと思いこのシリーズを続けてみます。
肥料に弱い理由が分かりやすく理解できました。根の構造上のことや鉢という特殊な環境を踏まえ、今後の栽培に役立てたいと思います。
それにしてもWoodsさんが時間をかけて調べたものをこちらは簡単に読ませてもらいありがたい限りです。
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