new Woodynote

    Woods@管理人のブログです。

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2016年02月22日(月)

11月20日撮影から [今日の一枚(旧)]

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11月20日は本部展の搬入・審査日

画像は一般部門の優勝候補。このなかから審査員の挙手(一回だけ)で決まった。
奥から「瑞鶴」「心花」「金紫鳥」「孤舟」「清流」「司の華」だったと思う。


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Posted by woods at 2016年02月22日(月) 22時54分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 3 )

2016年02月21日(日)

指標 [寒蘭の勧め(旧)]

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寒蘭と土と言うテーマで書いてきたが、ずいぶんと難しいことを言うのかと思ったことだろう。それならどうしたら良いかというまとめ的な物ができていないが、化学性・物理性・生物性のそれぞれの指標的な物があれば寒蘭づくりがしやすくなるかもしれない。

寒蘭は良しも悪きも蘭菌とは切っても切れない仲にある。蘭菌はホルモンや親バルブから受け継がなくても蘭舎中に胞子がありそれが根に到達することで感染している。もちろん蘭菌が無くても育つ。
私は植え付け時にタチガレエース液剤を潅注しているが、以前は年に3回ほどしていたことがある。もう20年くらい前になるだろうか、すでに故人となったI氏にタチガレエースが「根に良い。」「腐りもなく白くなる。」「ただしやり過ぎたら芋が張りすぎる。」そんなことを聞いたと思うがそれでやり始めた。それまではダコニールを潅注していた。

詳しく聞くとI氏は2ヶ月に1回くらい潅注していた。根がきれいで葉姿も良く出来ていたので「自分ほど上手に作る者はいない。」と自慢をよくしていた。実際病気で枯らした株はほとんど無かったようだ。しかし花展示会でひな壇上段に上がったの見たことがなかった。
氏が亡くなってからのことだが、秋に競りがあり皆に氏の蘭が貰われていった。私も20鉢ほど競り落とした。この時点で氏の寒蘭は半年以上タチガレエース等農薬の潅注はされていなかった。身内の者が水だけやっていたが十分な管理は出来ていなかったようだ。
私の知り合いが4,5人いてこの時の蘭を何年か作っていたがすべての人が根が傷んで作れなかった。中にはずいぶんと枯らしたと言っていた人もある。私が一番欲しかった更紗無点の花があるが5,6芽の大株ですぐにでも展示会に使えると思っていた。これが1年ほどですべての根がきれいに無くなった。出た新芽も小さく未だに入れたときより小さな株だ。不思議だが元気なときに譲って貰った蘭は機嫌良く育っている。

ここで言いたいのは根の消毒はいったん行うと定期的に続けないと寒蘭は作り続けられないと言うことだ。蘭菌は消毒されてもペロトンから再生してくる。また他の病原菌より早く胞子の発芽で感染する。菌糸が伸び外皮や皮層細胞を貫通する。次の消毒までに菌糸が多数伸びるが消毒で菌糸がやられると貫通した穴が残ることになる。自然治癒をすると思うが、これらが繰り返されると外皮や皮層の細胞壁に多数の穴が空いてしまうことになる。病原菌や雑菌もここから簡単に入り込むことができる。そんなことにならないように病原菌や雑菌を消毒しないといけないので定期的な潅注が必要になる。


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それとこんな人もいる。タチガレエースではなくジマンダイセンだったと思うが、これもしょっちゅう潅注している。たまにベンレートTもしていると思うが、根が白くて自慢だ。でも「またズボッた、また枯れたた!」と毎年何鉢も腐敗病で枯らしている。
蘭菌にダメージを与えると思わぬ病気にかかることになる。

農薬の潅注で生物性を上手くコントロールするのは難しい。それは蘭菌に思わぬところでしっぺ返しを食らうことになるからだ。
自分は年に3、4回の潅注なら上手くコントロールできると思っていたときもあったが、紹介したように払い越しや黄金葉、拗れた小苗等では従来の手法が通用しないことに気がついた。

これからは蘭菌をいかに活用するかで指標を考えてみたい。

Posted by woods at 2016年02月21日(日) 17時32分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

2016年02月20日(土)

11月20日撮影から [今日の一枚(旧)]

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この日は本部展の会場準備に行っていた。

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Posted by woods at 2016年02月20日(土) 22時46分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2016年02月18日(木)

生物性7 [寒蘭の勧め(旧)]

生物性の話が長くなったが大事な点が抜かっていた。
生物性はどこから来るかと言うことだ。

植え替えたとき新しい土にも若干の微生物は存在していると思うが、その後形作られる根圏微生物相(種類や数)はほとんどが親バルブ(葉や根を含めて)からだろう。植え付け時に消毒してもどこかには残っていて植え付け後に一気に増えてくる。

そして新芽が出るとそれに受け継がれていく。新芽が親の袴を破って出てくるときに炭そ病などは感染する。蘭菌は根が下りてくる初期の段階では感染していない。ある程度根が伸びたときに親バルブの根から間に土を介して感染しているようだ。糸状菌などは基本的に親バルブが保菌していても体内を通って新芽(新根)に感染することはない。防御機能が働いているからだ。細菌や放線菌も糸状菌と同様だろう。ただしウイルスだけは体内感染し親バルブから新芽に簡単に移行している。

また当然だがこれとは別のルートもある。腐敗病のフザリウム菌のように直近の鉢で発病があると潅水で飛散した胞子が鉢深く流れてきて、それに根の先端が触れると胞子が発芽して感染する。蘭菌もどこかで胞子が形成されていて胞子の飛散でも感染している。しかし直近の親根からの感染が早いだろう。

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山苗では何年作っていても根が白くてきれいなものがある。これは微生物の種類が少なく根を茶黒くする雑菌がいないからだと思う。

そして株分けを繰り返した株は雑菌が年々多くなり新根にも同様の微生物相として移っている。消毒でそれらを少なくすることは出来ても根絶は出来ない。

私は以前から根を茶黒くしている(根被の付着物や内容物ではなく細胞壁自体が黒くなっていることがある)原因菌の一つは炭そ病でないかと考えているが、証拠を見つけることは出来ていない。炭そ病菌だとしたら山にはいないので山苗の根が白いのが納得する。(画像は炭そ病菌の胞子?)

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私はこのブログで「根(根被の表面や内部)が茶黒くなるのは活発な微生物活動の結果で外皮以下が正常であれば何ら問題は無い」とずっと言ってきた。
逆に蘭や蘭菌はこの茶黒くなった物体(微生物と小動物の死骸や微生物が集めた土壌粒子など)を栄養源としていると考えられる。それによって蘭の生育は結果的に旺盛になっている。炭そ病菌も根皮でとどまっていれば最終的には他の微生物の餌となる。

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問題は茶黒いのが根被にとどまらなくなった場合だ。
腐敗病のフザリウムは言うまでも無いが、炭そ病菌も大量にあれば外皮を突破して侵入してしまうかもしれない。また未知の菌が侵入していることもあるだろう。
阻害要因のところで書いたように蘭菌に問題があれば蘭菌の空けた外皮の穴から雑菌が侵入するかもしれない。
同じ栽培条件でも微生物相(種類や量)の違いで根痛みが違ってくる。

親バルブがどんな微生物相であるかはその後の栽培に大きく影響するのだ。そのため同じ品種の蘭をどこから入れても同じように作れるかというと作られないのが寒蘭だ。
寒蘭を購入する場合、親バルブがどのような微生物相であるか見定めて購入しないとバカを見ることになる。

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また白い根を賞美する傾向にあるが何故白いかを解っていないと失敗する。
寒蘭の根を白くしようと消毒を繰り返すと微生物の数は大きく減ってくる。しかし完璧に根絶は出来ない。ある程度は残っている。この親株を新たな土に植えると同じように消毒を繰り返さない限り微生物の数を抑制することは出来ない。人が変わり棚が変わったとき微生物は一気に増殖することがある。
消毒で微生物の増殖を抑制してきたような株は消毒しなくなると強い菌が一気に増えてくる。弱い菌を抑えてアンバランスなこととなりやすい。弱い菌が蘭菌であったり強い菌が病原性を持っていると悲惨な結果となる。

一方で消毒が少ない親株は微生物の種類と量に均衡が保たれていて、新たに植え直しても同じように作れることが多い。


Posted by woods at 2016年02月18日(木) 06時52分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2016年02月17日(水)

生物性6 [寒蘭の勧め(旧)]

根圏微生物の種類については一般的な物はネット上に良く出来た紹介ページがあるのでそちらを見て欲しい。
寒蘭においても蘭菌以外の糸状菌、放線菌、細菌、小動物等が複雑に絡み合っていると思われるがそれぞれの微生物の働きはどうなっているかは解らない。

寒蘭の場合、根被が発達していてこれが根圏微生物の生活の場となっている。蘭菌は外皮から皮層に侵入して皮層内に定着できるが、その他の微生物は外皮への侵入が出来ない。

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右は根の断面図(左半分)
@根被の表面に付着した根圏微生物もしくは微生物によって集められた死骸や土壌粒子。
A根被を浸食し内部まで侵入した微生物。
B外皮=蘭菌以外の微生物は基本的には外皮内には侵入できない。防御機能が働いている。
C蘭菌が存在できるエリア=ラン菌根菌が生育できる範囲。
D蘭菌が定着できないエリア。
E皮層内の修復痕?

蘭菌はランの共生菌と言われるが、本人たちは共生しているつもりはないと思う。
食うか食われるかの関係だ。蘭菌は蘭の貯蔵養分であるデンプンを目当てに皮層に侵入している。片っ端からデンプンを食べていると思われるが蘭菌は皮層の奥深くまでは侵入できない。本来の根の機能で侵入を抑制されているからだ。寒蘭も内皮や中心柱まで蘭菌に侵入されたらフザリウム菌に犯されるような病気になってしまうのだろう。
寒蘭は本来皮層内にため込むデンプンを蘭菌に取られているが、日照不足などで光合成がままならなくなったときは蘭菌を消化して栄養源にしている。その攻防が皮層の内部で行われているのだ。

蘭菌は蘭菌で寒蘭ばかりで無く根被内あるいは根被表面にいる微生物から直接もしくは死骸などから栄養を取っていると考えられる。

Posted by woods at 2016年02月17日(水) 20時33分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

11月17日撮影から [今日の一枚(旧)]

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[27241]「鈴華」
よくもこの株に花を咲かせたものだと我ながら思うが、3芽に花を付けた。
中村支部展が終わりいよいよ本部展かという時期にちょうど開いたが、3芽では勝負出来ない。
花さえ良ければ2芽親があれば審査規定に合うので良いだろうと思うがそうはいかないのだろう。バックの木が悪かったので直前に外したとみられ診査では落とされることになる。(この後本部展に出品したが何んにもならなかった)

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[27132]「結」
これも本部展に出品したがひな壇に上がることは無かった。
昨年は舌点が出ていた。色も今一か?日を採るだけではくすんでくる。来年は早朝に野外に出す咲かせ方をしないといけないかと思う。

Posted by woods at 2016年02月17日(水) 12時18分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

2016年02月16日(火)

今朝の蘭舎 [最近の蘭舎(旧)]

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今朝は久しぶりに冷え込んだ。
昨日も日中ちらほら雪が舞って、積もることは無いだろうと思っていたがうっすらと積もっていた。

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こちらは第三蘭舎。
氷点下の予報だったのでストーブを2台炊いていた。前にも紹介したがこの園芸用ストーブは思ったより暖房効果がある優れものだ。

1台で良かったか。

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こちらは第三蘭舎内の加温室。
現在11℃設定。付いたり消えたりしていた。

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こちらは第一蘭舎。
広いので電気ストーブはずっと付きっぱなしと言うことにはならない。
写真を撮る間付くことは無かった。

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第二蘭舎。

温度計がストーブの近くなので7℃になっているが
ストーブが入ってないときの最低温度は5.7℃だ。
(1週間ほど前から設定温度を1℃上げた)

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Posted by woods at 2016年02月16日(火) 06時54分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2016年02月13日(土)

生物性5 [寒蘭の勧め(旧)]

前回の続きだが
最初、自分は払い越しの蘭で「根絡め寄せ植え法」を試していた。

私が手に入れた払い越し産の蘭は、24ヶ月毎に植え替えるときほとんどすべての根がズタズタになっていることが多かった。比較的作りやすいホル付きの蘭でも良いところが一つも無いものもあった。唯一良く出来たのは本坪から少し離れたところで自分が採った花は良くなかった蘭だった。

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払い越し蘭の作りはいろいろ良いと言うことを試していたが、平成13年に購入した「北天の光」が2度ほど根を傷めたとき、どうも蘭菌が弱いのではないかと丈夫な他山のホルモン付き苗と寄せ植えしてみた。


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画像は今の北天の光。

根は色は悪いが一本も腐った所はない。

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寄せ植えをして3年目くらいだったと思うが平成25年にやっと花を付けるほど成長できた。今でも寄せ植え後に出た根はすべて順調に育っている。


画像は昨年の遅花会。優勝した有紅には負けたが、他の払い越しを抑えて銀賞となった。

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こちら(画像の下の蘭)は一昨年手に入れた「肇国」。立派な葉が4芽あったが新子の根以外はすべて腐っていた。2芽にして寄せ植えしていた。

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画像は肇国の根を整理した後。
5本はしっかりした根だったが購入時に降りていた根はカスカスに傷んでいた。生きた根は昨年の新芽に降りた2本の根と、購入後に伸びたと思われる3本の根だ。

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こちらも払い越しだが大株の根が傷んだとき根がまだ少し生きていた2芽を寄せ植えしていた。その時の根はダメになっているが新たに数本根が伸びてきている。

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悪い根は剪除して、もとの株と寄せ植えして植え戻した。

生物性は蘭菌だけを述べてもいけない。
この払い越し蘭も悪い根や古いバックバルブを思い切って除けているので、蘭菌以外の生物性も新たに植え付けした後では大きく変わってくると思う。それがこのような効果になったのかもしれないからだ。ここで断っておくが今まで述べてきたことは裏付けの無い私の経験上の話だ。根本的に間違っているかもしれないので話半分に読んで欲しい。

農業場面においては生物性は有機物の投入をメインにした土作りで改善していくのだが、寒蘭の場合には用土に有機物を混入する栽培法はあまりなされてきていない。
それは、根圏微生物の活動の場が土壌でなく根被を中心としているからだろう。蘭は高等植物で他の植物より根圏微生物を上手に飼い慣らしていると思われる。その一番の特徴が分厚い根被を持っているところだ。

長くなったので次に続く

Posted by woods at 2016年02月13日(土) 08時57分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2016年02月12日(金)

生物性4 [寒蘭の勧め(旧)]

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生物性の阻害要因を幾つか挙げたが、他にもいろいろとあるだろう。
これらの阻害要因を少しでも取り除いていくことが大事だが、生物性がおかしくなった蘭の対処法があるので紹介したい。

かつて私も生育の良くないか株は何らかの病気だろうと根の消毒をよくしていた。ことあるごとにダコニールをたっぷりとかけていた。また根の茶黒いのは炭疽病が原因ではないかとアミスターやゲッターを全鉢に年3,4回潅注していたこともある。
大きくて丈夫な株はこれでも蘭菌は再生し良好な生物性にすぐになっていたと思うが、小さな株や葉緑素の少ない黄金葉は蘭菌が大きなダメージを受けその後の雑菌の繁殖により株を拗らせていた。

蘭菌の茸は椎茸や松茸のように人目に付くことはない。おそらく0.数ミリの大きさだろう。それでも茸を地上に出して胞子を飛ばしているのだろう。

新芽の根は発生直後は蘭菌を持っていない。新根がある程度成長して外部から感染している。親バルブには蘭菌があってもバックバルブを経由して新芽に到達することはない。直近の根から土の中に菌糸を伸ばしそれが新根に到達することによって感染しているか、胞子を土中に放出し新根の先端に付着した胞子の発芽で感染している。

上の画像は数年前に拗れた黄金葉の小苗を丈夫な山苗に寄せ植えしていたもの。

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画像の左の苗はバックから2芽外した物で根が良くなく先端を切除した。何年も拗れて作れなかった株だ。右の苗は生育良好な山苗だ。

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左の株を右の株に根が絡むように寄せている。

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それをこの状態で鉢に植える。

蘭菌を強制的に感染さす栽培法で「根絡め寄せ植え法」とでも言ったら良いか、これが上の画像のように拗れた苗が良く育つのだ。新たな根が伸びれば優良な蘭菌が感染する。またそれだけでなく蘭菌のネットワークにより大きな株の貯蔵養分が小苗に供給されて生育自体が良くなる。ペロトンから伸びる菌糸が栄養を遠くへ運んでいると考えられる。



Posted by woods at 2016年02月12日(金) 06時33分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2016年02月11日(木)

屋根の補修 [最近の蘭舎(旧)]

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今日はハウス(第三蘭舎)の屋根に登って破れていたフィルムの補修をしていた。

ここに上がると見晴らしが良い。

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このハウスも3月で建ててから丸5年になる。
POフィルムも古くなり所々穴が開き始めた。

Posted by woods at 2016年02月11日(木) 16時21分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

阻害要因3 低温と高温2 [寒蘭の勧め(旧)]

凍害は根に障害が現れるが、根が凍ってしまい溶けてもすぐには解らない。2,3ヶ月後に植え替える時にすべての根がズタズタになってしまっていて凍害があったと解る。

また、それとは違って春には問題ないが秋になって同様の状態になっていることがある。なぜこんなになっているのだと不思議でしかたないときがある。

今のところ想像でしかないが、これは寒蘭の根は凍結被害を受けなくても蘭菌が寒でやられた結果、蘭菌の皮層内ネットワーク(菌糸が細胞壁に穴を空けてペロトンを連結している)に他の雑菌が侵入し根細胞を腐敗させてしまうためでなはないだろうか。夏場の高温で蘭菌が死滅しても同様の結果だろう。

蘭菌の説明はブログのどこかでしていたと思うが見当たらない。
蘭菌は通称で、蘭の根と共生するものはラン菌根菌(担子菌であることが確認されている)と言う。
ラン菌根菌といっても寄主それぞれに(ランの種類ごとに)固有の蘭菌があるようだ。例えば春蘭は椎茸菌、ナギランはシメジ菌、寒蘭は松茸菌とかだ。ただ詳しく調べられていない。またフウランの蘭菌は日本に自生している物と南米に自生している物とでも同じ種類のようだ。

ただ椎茸にも歪で肉薄のものから丸くて肉厚の物まであるように変種が様々有る。寒蘭の蘭菌も産地により坪によりいくらかは変異していると考えられる。そのため蘭菌の性質によって蘭の生育も影響されていると思われる。実際栽培しているとある坪の物は生育がすこぶる良いがあるところのものはいくら採ってきてもどれも良く育たないと言うことがある。

これが蘭栽培を難しくしているのではないだろうか。例えば「払い越し産の蘭菌は暑さに弱など」のように同じように栽培していてもその産地の蘭だけが根が悪くなると言うことが考えられるのだ。

Posted by woods at 2016年02月11日(木) 06時33分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2016年02月10日(水)

阻害要因3 低温と高温 [寒蘭の勧め(旧)]

蘭菌をメインに考えるとやはり温度は大事だろう。蘭菌の生育適温は20℃〜27,8℃くらいだと思われるが、これから大きく逸脱すると蘭菌は生育できなくなる。鉢内温度をこの範囲にいかに長くおくことが出来るかが蘭の生育を左右する。

寒蘭の自生地では蘭菌が生育する地面の中(地下10センチほど)は冬場気温が氷点下になっても5℃以上あり(平均的には10℃くらいある)夏場気温が30度を超えても25℃以下に保たれている。
降雪後に蘭採りに出かけてみると蘭が生えているところだけ雪は積もっていないかすでに溶けている場合が多い。地面が凍るようなところには蘭は生えない。おそらく蘭菌は低温には相当弱いのだろう。
また、寒蘭幼木の出芽は春先に出てくる他の草木より大きく遅れ初夏になってしまうが、これは蘭菌の生育適温が比較的高いことを示している。

寒蘭自体の温度耐性は低温側でおそらく−3,4℃程度で高温側は湿度が確保できれば40℃を超えても耐えられる。
しかし蘭菌は5℃以下では生育できないし氷点下になると死滅してしまうのではないだろうか。高温も30℃を超えてくると全く活動できないと思う。

糸状菌の温度耐性を調べていたらネット上に面白いページを見つけた。文部科学省のカビ対策マニュアルのカビの記述だ。

「自分は蘭菌は関係ない」と思っている方も多いと思うが、良くも悪くも寒蘭は蘭菌と切っても切れない関係がある。

一般に共生関係と言っているが、実際は蘭菌は炭素病菌のような病原菌と同様に寒蘭を餌として寄生している(下手したら寒蘭は蘭菌に食べ尽くされる運命にあるかもしれない)。それを寒蘭が利用しているに過ぎない。もちろん蘭菌が無くても蘭は育つ。無菌状態で栽培されて証明されている。

一方、蘭菌は居ないと考えられる人工交配の瓶苗も蘭舎で育てていると蘭菌を持っている。もちろん無菌発芽なので瓶から出すまでは蘭菌は居ない。自分は何本か瓶苗を育てていてその根を検鏡し、蘭菌は居ないと思っていたがすべての株にラン菌根菌を発見した。瓶苗生産者がどこかで蘭菌を接種したかと尋ねてみても誰もそんなことはしていなかった。
無菌の苗も蘭舎で自然に蘭菌に感染するのだ。

Posted by woods at 2016年02月10日(水) 22時58分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2016年02月09日(火)

加温棚 [最近の蘭舎(旧)]

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最近私の回りでは「蘭舎内の小区画を区切ってビニール囲いし最低温度を20℃以上に設定して新芽を早く出す栽培方法」がはやっている。
この方法は電熱線を鉢下に張って加温するため「電気を入れる」と呼ばれている。

蘭が高価なときは多くの人が電気を入れていたが、蘭が安くなるとともに久しく止まっていた。古い電熱線やサーモスタットがあちこちにあった。最近それの再利用が盛んになっているのだ。

何のためにしているかというと交換会で少しは高く売れるのもあるがメインは新芽会で賞を取りたいためである。

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今日は私も負けていけないと思い、加温棚を作った。
私の場合は電熱線でなく電気ストーブなので最低温度設定は10℃程度を考えている。

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第三蘭舎のエビ棚の一棚をエビネをほうくり出して寒蘭の加温棚にした。

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この家庭用電気ストーブでどれだけ温度が保てるか・・・

Posted by woods at 2016年02月09日(火) 17時26分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2016年02月08日(月)

今日の蘭舎 [最近の蘭舎(旧)]

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今日はこの冬一番の晴天だった。
そろそろ遮光を強くしないといけないか。

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遮光率60%の遮光ネット1枚では早くも明るくなりすぎていた。
1万5千ルックスを超えてくると遮光率70%に替えようと思う。

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日中は気温も上がりビーは気持ちよく昼寝していた。

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今日の入野海岸。

Posted by woods at 2016年02月08日(月) 23時07分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

2016年02月07日(日)

阻害要因2 消毒 [寒蘭の勧め(旧)]

私は寒蘭の生育を一番悪くしているものは過剰施肥だと思っているが、植え替え時の根の消毒や用土への農薬潅注も土壌の生物性を損なわせて生育を悪くさせていると思う。

下の表は平成27年の農薬散布及び施肥実績だ。
ここ何年かは蘭菌のことを考えて土壌の消毒はしていない。植え付け時だけ最低限としてタチガレエース液剤1000倍液を潅注している。

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古いデータは整理できていないので平成23年になるが下表が以前の実績だ。
以前は植付け時にはタチガレエース液剤のみならずアミスター20フロアブルも潅注していた。また年間2,3回全鉢への潅注もしていた。23年はタチガレエース液剤のゲッター水和剤混合が1回と単用が1回だけだが、年によりアミスター20フロアブルやベンレートT水和剤、さらに古くはダコニールなども潅注していた。

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平成24〜26年の実績はこちら


農薬の使用はもちろん病気の発生予防だ。薬剤の用土への潅注はかつてやっかいな炭疽病や腐敗病が蔓延したため農薬散布で防除に努めた結果だが、今思えば蘭菌に大きなダメージを与えていたと思う。

現在の農薬では根組織内へ農薬成分が浸透して糸状菌を完全にやっつけるほど効果の高いものはなく腐敗病のフザリウム菌や炭素病菌が組織内に侵入してしまえば防除はお手上げ状態となる。

その点から農薬を潅注しても蘭菌を根こそぎ殺してしまうことにはならないが根組織の外部に伸びている菌糸は相当のダメージを受ける。しかしながらラン菌根菌は外部菌糸がやられても細胞内にペロトンが残っていれば菌糸を再生することができる。
参照:細胞内の菌糸細胞外の菌糸





Posted by woods at 2016年02月07日(日) 18時44分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2016年02月06日(土)

阻害要因1 施肥3 [寒蘭の勧め(旧)]

前回の記事は何を言いたいかよくわからなかったと思うが・・・
(一般土壌の考えでは寒蘭の説明は出来ないかもしれない。)

寒蘭では一般の作物と比べると土の粒子が大きすぎる。気相率が20〜30%以上となる粒径は赤玉土では直径2mm以上、鹿沼土やさつま土では1mm以上である。意外と小粒でも理想的な三相構造の気相率25〜35%となる。

これから見ると実際に使用している用土は必要以上に気相率が高くなっていると考えられる。当然だが微塵(直径1mm以下のもの)を除去すると固相率は低下して気相率は著しく増加する。

大粒化して気相率が高くなり固相率が減ると保水性が悪くなる。保水性が悪いと肥料の濃度障害を受けやすくなる。

私が言いたいのは濃度障害を起こさないように施肥管理しないといけないと言うことだ。

濃度障害→細胞破壊→雑菌の侵入→生物性阻害
施肥が限度を超えることによる外皮の損傷はそこで侵入を阻止していた病原菌や雑菌を皮層内に入れてしまうことになる。皮層細胞が破壊されてしまうと当然だが皮層内にいるラン菌根菌はダメージを受けることになる。

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この表は20年以上前に作成した資料です。
今までに何度も皆さんに公開してきましたが私自身これでこの20年間施肥をしてきました。

下の説明はこの表の補足説明文(既出ですが抜粋して転記)です。


5.施肥及び用土
 施肥量は経験的な必要量を置き肥で示しましたが、農業用単位で1a(100平米)当たり窒素成分量1.0kgを一回施用量の上限としました。これを越えても寒蘭がすぐに枯れることはありませんが、2.0kg、3.0kgと施用すれば窒素等の肥料成分や塩素等の有害成分の濃度が濃くなりほとんどの寒蘭は根痛みを起こします。(肥料で根痛みを起こしている場合を計算すると、1回の施用量は上限の1.0kgを3倍も4倍も超えています。)

 施肥量を増やして根痛みさえ起こさなければ寒蘭の生育は大きく向上しますが、潅水量と土壌水分の関係で失敗する場合が多いと思い。潅水時には適度の濃度であっても寒蘭の吸水と鉢からの水分の蒸発とともに肥料濃度が濃くなり根を傷めることになります。根の外部の浸透圧が高くなることにより根の細胞内の水分が奪われ、ひどいと細胞自体が破壊されてしまいます。

 蘭の根は、鉢の偏ったカ所に肥料があり、溶け出した肥料成分がその回りだけであったとしても、近くに位置する一部の根が吸収して、その後根全体に肥料成分を行き渡らせる優秀な機能を備えています。故に鉢全体に均一に施肥する必要はなく、結果的に少量の肥料でかまわないことになります。

 この1回量1.0kgの施用量で温度管理、遮光管理、水管理をバランスよく行えば年3回程度の施用(年間3.0kg)で寒蘭は十二分な生育となります。ただし、山採り苗等旺盛に育っている場合は次の置き肥までに、液肥を潅注すると良いでしょう。肥料不足は葉枯病や炭疽病の発症要因になっています。ただし、生育の悪い物、小苗などでは1回の施用量を減して施用します。

 一般には液肥の施用も行われていますが、根痛みの原理は同じです。濃い液肥を再々施用すると置き肥を多くやったのと同じとなります。

 園芸用の液肥では、ラベルに記載されている作物の使用濃度の2〜3倍薄い濃度で使用すると良いようです。1,000倍と書いていれば2,000〜3,000倍で使用します。(ただし、寒蘭専用の液肥は最初から2,000〜3,000倍の薄い倍率を使用するよう記載しています。)

 潅水代わりに液肥を施用することがありますが、寒蘭用の用土は全体的に保肥力が高いものです。何回も施用すると、どうしても肥料濃度は濃くなっていきます。潅水は潅水、施肥はたとえ薄い2,000〜3,000倍の液肥であったとしても潅水とは別に行うべきです。

 一般の作物と比べると寒蘭の施肥量はかなり制限されています。寒蘭は園芸用のシンビジウムの仲間ですが、シンビジウムと比較すると、3分の1以下の耐肥性しかありません。ちなみに耐暑性も3分の1以下です。シンビジウムと同様の管理をしても施肥量は3分の1以下としなければならないです。しかも使用鉢及び用土が土壌水分を常に低くしています。また潅水回数もシンビジウムの3分の1程度です。このため肥料成分が濃くなることを勘案して寒蘭の施肥量は決めなければなりません。植え方が特殊であるために、シンビジウムの施肥量からは3分の1を更に4分の1〜5分の1程度までに少なくする必要があると思います。

Posted by woods at 2016年02月06日(土) 20時47分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2016年02月03日(水)

阻害要因1 施肥2 [寒蘭の勧め(旧)]

施肥の問題について語る前に

土壌の「三相構造」を聞いたことがあると思うが、土壌は固形物の固相、水分の液相、空気の気相の三相に区分される。それぞれの割合を示したものが三相構造だがこの三相の割合が異なると作物の生育も違ってくる。一般的な土壌は固相40%:液相30%:気相30%である。

また水の種類は性質によって3つに区分される。
重力水=土壌中を重力によって移動する水(概ね24時間で鉢底から流れ出る)
吸着水=壌の吸着力によって保持されている水
毛管水=土壌の粒子間に保持されている水
ちなみに三相構造の液相は重力水を除いた吸着水と毛管水を足した物になる。

未熟な土壌で固相割合が高いと保肥力や排水性が劣り作物は良く育たない。三相構造は一般には土壌が熟成するにつれて土壌が単粒構造から団粒構造と変化することによって孔隙(すき間)が増え植物に有利な構造となる。




寒蘭の土は直径2mm以上の礫が使用される単粒構造の礫耕栽培と考えられるが実際は大きな粒の表面に砂やシルトや粘土が付着したい団粒構造とも言える。このあたりは用土の作成方法で人により大きく違っている。
一般に単粒構造よりも団粒構造の方が保水性と保肥力が高い。
寒蘭の用土は一般的な団粒構造ではないにしても大きな礫を使うことで擬似的に団粒構造にしてきたのだろう。
先人が創意工夫してこういう形になっていると思うが、土壌としては基本的にはシルトや粘土の存在が重要で見た目だけ団粒構造にしても意味が無い。

土壌水分には毛管水があり水分移動が上から下という移動でばかりでなく下から上または横から横へと移動している。いわゆる毛管現象だ。この毛管現象により根に水が長期にわたり供給される。またこの水の流れにより肥料成分も移動する。

土壌はシルトや粘土が存在することにより毛管水が多くなり毛管現象も活発となる。


注)粘土(粒径が1/256mm以下)より粒が大きく粗いもの(粒径1/16mm〜1/256mm)をシルトと言う。

私の用土作成については今までに何度も紹介した
この中で多くの方に興味を持って見て頂いたがほとんどが個別の土を何を使っているかにとどまったと思う。
私の意図としては作成過程・作成方法・粒の大きさ等見て欲しかった。

上にリンクしたYouTubeの動画でもダケ土作成も篩でふるうものの微塵(シルトや粘土)は出来るだけ残している。市販土は袋から出してそのまま混ぜている。最終的にはタンクに入れて散水しているが湿らしているのであって洗浄はしていない。

かつて私に土作りを教えてくれた先輩はそれぞれの土を微塵が無くなるまで何回も洗浄していた。ダケ土においては角が取れるまで洗っていた。

植え付けるまでに用土はしっかり馴染ませる。散水し後日キトサン(キトチンキ1000倍液)と微量のHB101液を潅注しているが、その効果の程は不明だが、前もって散水して土を湿らしておく効果は高い。これによって礫のまわりにシルトや粘土がしっかりと付着している。

こちらは植え付け時の動画だが前もって用意した土は5mmの篩にかけても微塵はあまり出ない。
それとさらに重要なことがある。ここ何年かは表土(0.5センチ前後)は5mmで篩った土をのせているが、以前は下から上まで同じ大きさで植えていた。

入門当初は教えられたように大中小に分けて底は大粒、中は中粒、上部は小粒で植えていたが、なぜそんな毛管現象を途中で絶つような植え方をするのかとすぐにすべて同じにした。

現在では小粒の表土を使っていることもあるが、鉢底は篩から気持ち大きめの粒をつかんで入れている。それでも8割は同じ大きさの用土だ。
これによって水回りと肥料回りが良好だ。

Posted by woods at 2016年02月03日(水) 07時11分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2016年02月02日(火)

今日も土作り [最近の蘭舎(旧)]

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年に6回こんな作業をしている。
配合土作りだ。
この作業が時間もかかり重労働なので一番嫌だが、やはり一番重要だ。
自分がしっかり配合することで安心して蘭が作れる。


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自家製ダケの三段重にゼオライト。
配合の基本ベースなのでここでしっかり混ぜた。

画像(290x163)・拡大画像(1200x675)

番犬のクロとチョコ。

Posted by woods at 2016年02月02日(火) 17時36分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

阻害要因1 施肥 [寒蘭の勧め(旧)]

生物性の中で私が何を言いたいかは解ると思うが、いわゆる蘭菌が本当に重要な働きをしていると言うことだ。蘭菌=「ラン菌根菌」は寒蘭根組織の「皮層」の中に生育する。皮層の環境(皮層は生物性の領域になる)をいかに好環境に保ちこのラン菌根菌をうまく生育されるかが、寒蘭を上手に育てるコツになる。

立地条件や採光、水やりや施肥等の肥培管理も生物性に直結する。

既出の資料になるが
まずは寒蘭の根がどんな構造でどんな働きと特徴があるかを知っていないと前に進まない。

1.寒蘭の根の図から
IDとパスワードを求められたらそれぞれ hokanko


2.根の構造(顕微鏡写真)


この記事の下にあるが

澤先生の記述から
「カンランの根には根毛がなく(根の発生初期にはあるがまもなく消滅してしまう?)養分や水分は根被細胞を通じて吸水されている。このためハイポネックスなどの化学肥料を施す際には充分注意しなければならないことがある。それは植物体に影響がなさそうな濃度の液肥を与えたとしても、その後、鉢内が乾燥するにつれて、液肥を吸った根被細胞内での水分は内部への移行のみ行われ、それを補充すべき外からの水分の供給が少なくなり、その結果、根被細胞内の液肥の濃度が高くなり、結局、高濃度の液肥を外皮に施したと同じ状態になって濃度障害を引き起こすことになる。したがって、鉢内が乾燥しないように常に注意して管理するならば普通の草花と同程度の濃度の液肥を施してもかまわないが、それには手間がかかるし、逆に加湿になりやすい。したがってランに化学肥料を施すときは、草花などに施用するときよりも三〜五倍に薄め、そのかわりに施す回数を多くして灌水代わりにかけるようにすることである。」

この記述のように寒蘭は構造的に肥料に弱い。澤先生は土壌肥料は専門外なので液肥と限定しているが、置肥も同じだ。

液肥や置肥の施肥が限度を超えると根を傷めることになる。外皮が損傷するとそこで侵入を阻止していた病原菌や雑菌を皮層内に入れてしまうことになる。皮層細胞が破壊されてしまうと当然だが皮層内にいるラン菌根菌はダメージを受けることになる。

Posted by woods at 2016年02月02日(火) 00時00分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 3 )

2016年01月31日(日)

遮光 [最近の蘭舎(旧)]

31日は久しぶりの晴天になった。
天気が悪く延び延びになっていた遮光資材のやり替えをした。

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こちらは第一蘭舎。遮光率25-30%のクールホワイト1枚だったが、遮光率60%の白色遮光ネットに変更。一部は重ねた。

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明るさは日差しのきついところで10時過ぎに1万ルックス程度だった。

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第三蘭舎は遮光率45-50%のクールホワイトの下に張っていた遮光率25-30%のクールホワトを遮光率35-40%のダイオネット黒に交換した。

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北側、写真では右が暗くなったのでこの後巻き上げ式のクールホワイトを少し巻き上げた。

Posted by woods at 2016年01月31日(日) 22時15分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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