2015年09月21日(月)
「緋月」 [竹内と寒蘭]
竹内からは寒蘭栽培に役立つ多くのことを学んだが、真似できない失敗事例もいくつか見せてもらった。
この「緋月」も平成6年12月までは竹内の蘭舎にあった。
この株の半分も無い中木に小さな花を咲かせていた。西谷と同じ発色棚で咲かせたと言っていたが株が小さかったのと光量が少なかったのか更紗の貧弱な花に咲いていた。
あまり大切にしていなかったので「いらないのか」と聞くと「いらない」というので貰ってきた。
見た感じ竹内の好きな花の感じでは無かったが、来歴を聞いてびっくり!芽を60万ほどで買っていたのだ。といってもそのころは風月を持っていて芽70万の風月と豊雪だか銘品を足して代えていたのでお金は出していなかった。
十川の黄金葉紅ベタ。画像は昭和の58年の物だ。
後で解ったが、当時黄金葉に紅ベタが咲いたというので一世を風靡した有名な蘭だった。
偶然であったが自分も別ルートで平成6年に10センチほどの2芽の小苗を8万円で入れていた。
当時は幼木だった金紫鳥と同じだったと思うが、竹内は黄金葉を上手く作れずにいた。新芽を袴の時に痛めていて大きな芽に出来ていなかったのだ。肥料のやり方と農薬の使用を誤っていたと思う。
何でもそうだが一度こじらした蘭はなかなか回復しない。特に購入した物は前の持ち主の環境=根圏を引きずってしまい自分の環境になじみにくい。無理になじませようとして肥料を多くやったり必要でも無い農薬の潅注をしてみたりしたのだろう。
黄金葉の作り方については自分も後になってようやくマスターしたが、竹内の十川の黄金葉紅ベタが私の蘭舎でまともになったのはここ5,6年だ。
やっと昨年「緋月」と命名するに至った。
Posted by 管理者 at 2015年09月21日(月) 16時51分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 3 )
コメント
focke さん tairo1008さん
黄金葉を特に難しく考えることは無いですが、簡単じゃ無いのでやはり難しいでしょうか。
ただ私が失敗したのは過保護に育てすぎたからです。また前の持ち主がこじらせてしまっていたらどうしても回復するのに年月がかかってしまいます。この緋月は難しかったですが金紫鳥は竹内のところですでに良好な発育だったので私のところに来ても何も問題なく生育しました。最初から生育の良い黄金葉は普通の蘭と同じに管理していたので良く育っています。生育の悪かった黄金葉は何とかしようとしていらない手立てをしたのでかえって生育を悪くしていました。
黄金葉も特別扱いしないというのが私が確立した栽培方法です。
ただし黄金葉によっては極端に葉緑素が少ない個体もあり最終的に枯れてしまう幽霊と言うのもあります。幽霊は別として葉緑素の少ない苗やこじれてしまった苗は別の育て方をしています。
世の名声を得るまでには計り知れない秘話がありますね。この緋月、竹内氏が手に入れたものの難しく、woodsさんの手に渡り相当の年月をかけてやっと昨年本部展で受賞し緋月と命名されたもので、透き通るワインレッドが魅力的です。昨年の本部展で欲しくなり、woods さんに「この蘭難しいですか」と質問すると「難しいです」と言うので入手を諦め、「満天」になったことを思い出しています。5年位前支部展で、室戸錦が金賞となったのは良かったが、一層発色させようと弱光に当て過ぎたことが災いし、未だに健康な良い葉に入れ替わっていません。失敗して初めて蘭の特性がわかりますが回復するのに数年かかりますね。蘭栽培は奥が深く分からない事だらけです
こんにちは。
先人たちの試行錯誤で栽培技術が確立されつつありますね。
20年も良く我慢でき、すごいと思います。
黄金葉は葉緑素が少なく、我家の環境では作りづらいと考えています。
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