Woody note

土佐寒蘭の栽培を趣味にしているWoods@管理人のブログです。

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2011年09月14日(水)

病気の見分け方 [寒蘭の勧め]

画像(300x199)・拡大画像(1000x665)

この画像は検鏡してもフザリウム菌や炭疽病菌らしきものが見つからなかった事例です。

腐った部分に僅かに正体不明の菌糸が見えたので病原菌の菌糸かとかと思い、ビニール袋にいれて様子をみた。3日後に黒褐色に変質した所は2,3倍に広がったが、菌は見つからなかった。


画像(300x199)・拡大画像(1000x665)

今年のスボ抜け症状のなかで、袴まで腐った物はフザリウム菌がいたが、袴やバルブが正常だったこの鉢からはかフザリウム菌や炭疽病菌は見つからなかった。

なぜ、スボ抜けになったかは不明ですが、腐敗病や炭疽病でなかった事例の紹介です。


フザリウム菌による腐敗病は、当然ですがどこかに感染した経緯があり、病気を貰った可能性のある時期が推測され感染したのは「ああ、あの時かな」と思い当たるものです。
この鉢は小苗の時から5,6年育てたもので、腐敗病が発生した株の近くにも置いたこともなかったので、なっとくなのですが・・・

よくあるのは、寄せ植えの中で他の株が先に腐敗病に犯されていた場合です。数本の中で1本発病して引き抜いて処分しても、残りの他の蘭に感染していることがあります。数ヶ月〜1年前までは感染の危険度は大ですが、2〜3年前であっても感染の可能性はあります。

Posted by woods at 2011年09月14日(水) 22時08分   パーマリンク

2011年09月12日(月)

中秋の名月 [Digitalcamera編]

画像(400x266)・拡大画像(1000x665)

みなさんこんばんは
寒蘭とは関係有りませんが、今日は中秋の名月ですね。
ときたま雨も降る変な天気ですが、雲の合間に月が見えていました。

滅多に使うことのないレンズを持ち出して撮ってみました。

上は1000mm相当の生画像。下はトリミングですが月の表面がよくわかります。月はこんな感じなんですね。

画像(400x266)・拡大画像(1000x665)

Posted by woods at 2011年09月12日(月) 21時26分   パーマリンク

2011年09月09日(金)

近況報告3 [最近の蘭舎]

画像(300x199)・拡大画像(1000x665)

この画像も同じ日に撮っていました。
花芽の画像2枚

1枚目は無名黄金葉桃無点
2年前に元大方蘭会会長故宮渕氏の遺品整理の競りで仕入れたもの。

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2枚目は無名桃紅花。
昨年リビングで咲かせていたもの。

花芽は5,6センチに伸びた物もありますが、だいたいこんな大きさです。
まだ20〜30はこれから出てくるもの(土を切っていない)もありそうです。

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北からみた第二蘭舎内1

この画像の中央やや下、通路を挟んで黄金葉の鉢があります。

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北からみた第二蘭舎内2

黄金葉は大きな蘭の影にならないよう、前列にあります。

Posted by woods at 2011年09月09日(金) 22時03分   パーマリンク

2011年09月08日(木)

近況報告 [最近の蘭舎]

画像(300x199)・拡大画像(1000x665)

今の状況を幾鉢か紹介します。

一番目は白妙。白妙もこちらにあります。というか昨年からここにあった。4芽に新芽が3つ、さらに花芽が2つ付いている。

欲張って芽かきをしなかったが、3芽とも普通に育っている。
(本当は毎年芽かきをしてきたので葉が大きくなりすぎて嫌になり、芽を多く出せば小さく作れるかと芽を残しました。)

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こちらは福の神。
これも大きくなりすぎて、小さくしようと芽かきをしなかった。
3芽に大きな新芽が2本+小さな新芽が1つ。
さすがに親3芽では花芽まではこなかった。

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こちらは金紫鳥。
こちらは本当に欲張って2芽出した。
花芽がきた。
3鉢にしているのでこの鉢に花がこなくても良いと芽かきをしなかった。

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これも良い花なので増やしたいと芽かきをしなかったが、花芽が付いた。

画像(300x199)・拡大画像(1000x665)

左は1芽で花が付いた。右は2芽で花芽が付いた。

紹介した鉢は昨年も花を付けていたもので葉の成長が遅いですが、だいたいこんな感じです。
幼木から育てて今年初花の鉢は葉が展開したのもあります。

Posted by woods at 2011年09月08日(木) 05時45分   パーマリンク

2011年09月07日(水)

近況報告 [最近の蘭舎]

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そろそろ展示会のために花芽の管理をする頃になりましたね!!

画像は今日の第二蘭舎です。
第二蘭舎は今年から主に紅花や桃花の作場として使うようにしています。

今日は朝日が蘭舎の奥まで当たるように少し窓を改造した。
(どんな発色方法が良いのか試行錯誤でやっています。この蘭舎は屋根は紫外線カットのポリカ張りですが、サイドは特に東南サイドは紫外線をカットしていないガラスネット入りタキロンを使っています。それでも少しでも直射が花芽に当たるようにと考えて改造しました。)

画像(300x199)・拡大画像(1000x665)

隣家の屋根の上から庭木越しに朝日が当たる。
この植木はこれから蘭に届く光を確認しながら剪定していく。
この場所は我が家で一番早く朝日が当たるところ。女房に文句を言われながらもなんとか説き伏せて庭の半分を蘭舎に確保したところだ。これが一番しんどかった(^_^;)
今日は6時半頃には日が当たっていた。

画像(300x199)・拡大画像(1000x665)

ドア方式にしていた左サイドを、右開きから左開きに変え、コーナーの波板を取り除いた。開口部が南の窓と一体となり開放的な採光部となった。

開口部の壁には4mm目の青色防風ネットを貼った。

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南の棚。

画像(300x199)・拡大画像(1000x665)

一番奥の棚。
朝日はこの蘭舎の一番奥まで届く。

Posted by woods at 2011年09月07日(水) 16時53分   パーマリンク

2011年09月06日(火)

ラン菌根菌4 [寒蘭の勧め]

しばらく更新出来ていなかったです。
申し訳ないです。
9月にはいって本格的な植え替えを始めたのですが、根が思ったような出来でなく落ち込んでいました。
二年続きの酷暑でだいぶやられています。秋以降の回復を期待してここ何日か作業していました。

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見飽きたと思いますが、細胞内でかたまり始めたラン菌根菌の初期の菌糸。

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細胞内が菌糸だけの細胞に隣接する細胞(ペロトン)

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

菌糸がはっきりとわかる。
我ながらベストショットですね(^_^)v

Posted by woods at 2011年09月06日(火) 21時26分   パーマリンク

2011年08月28日(日)

ラン菌の働き・ショウガ根では [寒蘭の勧め]

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

ショウガ根を観察してみた。
これら4枚は実体顕微鏡を覗いたもの。
肉眼で見ても表面に色んな物が付着しているのがわかる。
そのなかで白い糸状の物に注目。

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拡大
菌糸のようにも見えるが太すぎる。
ラン菌の菌糸はこんなに、普通の菌糸もこんなに太くはない。

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さらに拡大
半透明だ。

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

もっと拡大
カビではない。

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

こちらは上の箇所を輪切りにして生物顕微鏡で見たもの。
根と同じように中心柱がある。(右上のかたまり)
ラン菌やペロトンは中心柱の近くには見えない。

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

こちらは表面に近い方。
ペロトンが多数見つかった。

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

さらに外側。
実体顕微鏡で見た半透明の糸状のものが、塊でくっついている。

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

別の箇所
こぶ状になって糸状の物が生えている。一番上は菌糸のように見える。

全体がペロトン近くにあり菌糸で繋がっているようだ。

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拡大
こぶの中に本体が入り込んでいる。

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さらに拡大
糸状の物はかなり太い。

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

こぶの中
菌糸らしき物がペロトンの方に伸びている。

ラン菌は完全世代が不明でリゾクトニア(Rhizoctonia)の一種と言われていたが、完全世代が解明され担子菌のTulasnellaやSebacina等に相当することがわかっているようです。
今までは菌糸ばかり捜していたが、この糸状の物がTulasnellaやSebacina(菌糸以外の組織)ではないだろうか。

ショウガ根ではラン菌ペロトンから伸びているこの外部組織が、根の周辺の無機物や有機物を取り込んで栄養にしていることが容易に推測されるほど、ショウガ根の外部に存在している。

補足この外部組織は担子菌の根状菌糸束のようです。
ラン菌は担子菌であることが確認されています。
Rhizoctonia repensは
不完全菌
のあつかいだった。

Posted by woods at 2011年08月28日(日) 14時36分   パーマリンク

2011年08月27日(土)

ラン菌の働き [寒蘭の勧め]

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二年生以上の成熟した根にはこの画像のような、デンプン粒?(未確認)の詰まった細胞が見られる。これは葉が正常で枯れたりしていないバルブの根に多くあり、葉が枯れたり痛んだバルブの根にはほとんど見られない。

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この細胞は中心柱まわりには全体的に多くあるが、周辺には少ない所やラン菌ペロトンと混在している箇所がある。

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

ペロトンは果たして外部から栄養を取っているのだろうかと言う疑問が出てきた。蘭の根には毛細管がないためラン菌の菌糸が根被の外部に出て水や無機物の吸収という役目を果たしていると言われているが、成熟根にはその痕跡が見あたらなかった。1年生の根には無菌の根に外部からラン菌が侵入して増殖するとき菌糸が見られ、2年生の若い根に僅かに確認できたが、成熟根では外部に確認できなかった。(成熟根で根の外部に菌糸のネットワークがないと決めつける訳でなく、あるとは思うが簡単に見つからなかった。農薬散布の影響で用土中に菌糸が少なくなっているのかもしれない。)

成熟根ではラン菌自らが外部から栄養素を取り込み増殖する(一部はあるかもしれないが)のではなく、蘭の根が吸収した無機物や葉で光合成したデンプンを栄養として増殖しているのではないだろうか。(最終的にはペロトンは分解されて消化吸収されるようだが。)

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【デンプン粒とペロトンが混在している場所の拡大】
ペロトンや菌糸のまわりでデンプン粒が小さくなっているように見える。


画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

色々観察して思ったことだが、
何らかの障害や管理不良で葉からのデンプンや根からの水や無機物・有機物の供給が無くなるとラン菌は簡単に死滅するのではないだろうか。それと同時に皮層も破壊され死に至るのでは。

バルブが古くなって根が枯れていくことは仕方がないことだが、栽培管理が悪くてラン菌を死なせてしまうと、皮層も簡単に破壊され死滅するのではないだろうか。(もともと完全な無菌状態で根を出せば、こんな心配はないと言われそうだが、どんなに農薬で消毒しても無菌とはならないようだ。)

【補足】
寒蘭の1年生の根は最初ラン菌のない無菌状態であり、外部からラン菌を取り込もうとする。
鉢や用土、肥料等にラン菌がいない場合、親の根から伸びた菌糸を取り込む。薬液の散布や灌注で用土内に張った菌糸が死滅しても、親の根の皮層細胞内のペロトンが菌糸を再生し新根まで到達する。
1年生の根は侵入してきたラン菌が一つでもあるとそれを増殖し増やしていく。数年経った成熟根はペロトンとなったラン菌で多くの皮層細胞が埋まる。

Posted by woods at 2011年08月27日(土) 14時22分   パーマリンク

2011年08月26日(金)

ラン菌と皮層細胞 [寒蘭の勧め]

【鉢植えのランを水耕栽培すると,出ていた根は発根しかけの根を除いてほとんどすべてが褐変枯死してしまう。これは濃度障害を起こしたのではなくて,根の中にいる共生菌がなんらかの原因となっているものと考えられる。それは,フラスコ出しの幼苗では酸素補給をしない水中に根を入れておいても死ぬことなく水耕栽培が可能であること,さらには水耕して根の枯死した鉢植え個体をそのまま水耕し続けてバルブから新根を形成させると,水中で発根してきた根はラン菌が入らないまま伸長し,その後も水中で褐変枯死することなく水耕栽培が可能となり開花に至ることにより,共生菌は水中の根の中で皮層細胞と酸素を競合し,皮層細胞が死に至らせられるのではないかと推察される。】

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

【画像は死滅状態の皮層細胞】
この手の根は腐っているのでなかなか良い画像が撮れない。
初期は褐色から黒褐色に変質している。進むと腐敗して空洞となる。

蘭の根痛みにはいくつかタイプがある。
肥料障害で外皮がやられ次第に皮層細胞が壊れていくもの(根全体がやられることはなく一部が灰色に変質する)。皮層細胞だけが死滅し根被や中心柱はしっかりしていても中がカスカスになっていくもの(根の元から先端まで変質している場合が多い)。バルブや葉の異常から中心柱が黒変しているもの(病気)。など・・・・

上記も澤先生の記述だが、皮層細胞とラン菌は酸素の競合で自滅する関係のようだ。皮層細胞とラン菌の間で酸素の競合がおこると先に皮層細胞が死滅し、皮層細胞が死んでしまうとラン菌も生きていけない構造なのだろうか?ラン菌が先に死んでくれたら皮層細胞は死ななくても良いのかもしれない。

澤先生の記述は、根を水に浸けた事例だが、鉢の中でも起こっている。加湿による酸素不足も大きな要因だと思うが、ラン菌が皮層細胞を死に至らすのにはもっと複雑な関係があるように思えてならない。

Posted by woods at 2011年08月26日(金) 22時30分   パーマリンク

2011年08月24日(水)

根被の働き2 [寒蘭の勧め]

澤先生が【消化中の根菌】と言っていたものは「皮層の細胞内に菌糸が侵入し、中でとぐろを巻いたり鞠のようになったりと変形し、ペロトンと呼ばれる構造を作る。最終的には菌糸は分解され、植物に吸収される。共存期間中には物質交換も行われ、基本的に無機栄養も有機物も菌から植物に移行する。」というペロトン(菌毬=キンモウとも言う)ですが、今までの観察の中で初期の段階であるもの、成熟途中であるもの、成熟していると思われるものの3タイプ(便宜上タイプ1、タイプ2、タイプ3とします)を確認しました。

画像(123x300)・拡大画像(413x1000)

今までの観察の中では、新芽の根(8月まで)には3タイプとも見ることは出来なかった。外部から侵入してきたと思われる菌糸は、数は少なかったが見つかった。2年生以降の成熟した根には外部から侵入したと思われる菌糸は見つからなかった。

タイプ1は2年生の根に多く、3年生、4年生になるにつれてタイプ2、タイプ3が多くなった。明らかにタイプ1〜成熟してタイプ2、タイプ3へと大きくなっているように思えた。

【私が考える根被の働き】
新芽の根はラン菌を持っていないため、外部からラン菌を取り込もうとするが、硬い表皮のある先端部分はラン菌が入り込めない。少し上部は表皮がなくなるためラン菌の侵入が可能となる。ただし根が成熟してくると根被や外皮はだんだんと硬くなり入り込めなくなる。
表皮が無くなった直後は根被や外皮も入りやすい硬さであり、ラン菌を確保することが出来る。柔らかさだけでなくこのときに根被の細胞は何らかの栄養素を持った餌場となっているのではないだろうか。

この時は他の菌にも無防備なため色んな菌が寄ってきて、その結果、細胞が褐変している。

いったんラン菌が入り込むと(この数は凄く少ない)、根の生育と共に内部で増えていく。あたかも、寒蘭の根が自分の意志で少数精鋭のラン菌を選りすぐって確保し、それを何年もかけて大事に育てているように思える。

夏場には伸張中の根が先端部及び株もとは白いままで、途中が茶褐色に変色しているのをよく見かける。寒蘭が表皮を無くしたばかりの根被を餌にラン菌を呼び寄せようとして、他の雑菌も呼び寄せたことで根被を必要以上に荒らされた結果ではないだろうか。

初期の根被には寒蘭栽培で後々まで影響する大事な使命が与えられているのだ。

Posted by woods at 2011年08月24日(水) 22時06分   パーマリンク

2011年08月23日(火)

根被の働き [寒蘭の勧め]

【ランの根は表皮と外皮との間に原表皮の細胞が並層分裂してできた根被細胞が数層ないし十数層重なって,根の内部を保護していることも特徴の一つである。この根被細胞は分裂後しばらくはその内部に細胞質や核などが見られるものの,それらはすぐに消失して細胞壁の繊維質だけが外壁となって残り,中は空洞化したスポンジ状の死んだ状態の組織となる。根被は乾燥条件下では空気が入っているだけである。ランの気根が白く見えるのはこの空洞のセル内の空気での太陽光線の乱反射によるものである。】

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これら3枚の画像は新芽の根の先端の様子である。
上記の説明は澤先生の記述でその通りだと思うが、根被には先生がふれていない重要な役割があるのではないだろうか。


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画像の根は先端から約2センチのヶ所。真っ白でまったく痛みのない根被をしている。先端部の根には表皮らしきものが見える。表皮があることによって根被を保護しているのではないだろうか。

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根被と皮層の境の外皮は細胞の形がバラバラではっきりしていない。

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こちらは、先端から3〜4センチのヶ所。
茶黒くなっていて表皮は見えない。

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茶黒くなっているのは根被のみ。
丸い粒は空気の泡。

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皮層や外皮の細胞はまったく変質していない。
形も先端部よりしっかりしている。外皮によって内部を保護している感じがする。

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根被が褐変した部分の輪切り。
切ってしばらく置くと、根被細胞が乾燥して空気が入っている。
空気が入るとなんとなく白っぽく見えてきた。

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ピンセットで根被をつまむと簡単に取れる。

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とれた根被。

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この茶黒くしているのは何だろうかと見てみると、
根被の表面に黒や茶色い塊が付着していたり、細胞が茶褐色に変色していたりと原因がよくわからない。

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根被細胞の中で一部の細胞が茶色くなっている。全体的にも細胞壁が褐変している。

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細胞は壊れていない。右上の白く見えるのは外皮細胞。根被細胞は全体的に茶色い。

Posted by woods at 2011年08月23日(火) 22時48分   パーマリンク

2011年08月21日(日)

放射温度計 [寒蘭の勧め]

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照度計は必須だと思うが、この放射温度計もとても便利だ。
自分が現職の頃は作物の葉温測定には接触型の表面温度計を使っていた。これは非接触型で簡単に表面温度が測定できる。
非接触型温度計は以前は何十万円もして手がでなかったが、今では数千円で手に入る。

この機種はレーザーポイント機能付きで距離12に対して直径1の範囲が測れる。12センチ離して測ればレーザーの赤丸周辺直径1センチ範囲の温度がわかる。

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室温35℃の蘭舎でも蘭の葉温は2、3℃低い。

蒸散による葉温低下は気孔の開き具合だけでなく、湿度や風に大きく影響される。湿度100%では蒸散作用は機能しない。
なお、照度0であれば葉温は室温と同じになる。

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充分水分のある鉢は水の蒸散作用で室温より5℃以上低い。
カラカラに乾いた鉢は明るい蘭舎ほど高温になる。


購入してみようと思う方に注意!!
レーザーは照射しすぎると組織を痛めます。測定は短時間でしてください。当然、人に向けて照射しないこと(^o^)

Posted by woods at 2011年08月21日(日) 10時53分   パーマリンク

2011年08月20日(土)

システム紹介 [PC編]

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今日はずいぶんと気温も下がり、蘭舎も30℃止まりでした。
ここ何日か、昼間は部屋に籠もって検鏡していたのですが、今日は一日外で土方していた。
猛暑のため滞っていた台風被害の復旧がすこし進んだ。

ネタがないので検鏡のシステムを紹介します。画像取り込みは佐藤商事の【USBマイクロスコープ デジタルシステム1000】、なかなかの優れ物です。

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【オリンパスSZ61とkyowa medilux-20】
実体顕微鏡と生物顕微鏡。
この実体顕微鏡は作業性が良く、こちらで切片をつくって生物顕微鏡で検鏡している。
生物顕微鏡の右眼に装着しているのがUSBマイクロスコープ。

Posted by woods at 2011年08月20日(土) 22時07分   パーマリンク

2011年08月19日(金)

照度計の勧め2 [寒蘭の勧め]

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この画像は照度約800ルックスの時の気孔

気孔は完全に閉じている。

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こちらは照度約10,000ルックスの時の気孔

気孔は空いている。中央部が詰まっているように見えるが、これは空気の泡。

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右の二つの画像は同じように見える。
カメラをプログラムオートで撮った写真だ。
カメラが露出とシャッタースピードを自動で調整して自然な明るさに見えるよう調整している。

上は今朝6時45分、下が11時05分に撮影した画像。
この時の照度が、それぞれ平均800と10,000だ。

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同じように左画像は
上は今朝6時46分、下が11時11分に撮影している。
この時の照度が、それぞれ平均700と8,000だ。



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人間の目は精巧に出来ていて、このカメラと同じことをしてしまう。

自分が寒蘭を始めた頃、先輩の蘭舎をまわり遮光の仕方を習った。
そのときに、明るさの判断に迷った。同じような明るさに見えても、ある人は明るくしないといけないと言い。別の人は暗くしないといけないという。

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明るさだけは目だけに頼ったら判断を誤ってしまう。

ということでタイトルの「照度計の勧め」になるのだが・・・

ちなみに、左は放射温度計、右が照度計。
照度計の示す700ルックスは室内の白色蛍光灯直下の数値。40型蛍光灯×2の134センチ下です。
本が楽に読める明るさですが、植物を育てることは出来ない。かなり明るい蛍光灯ですが、30センチ以内に置かないとまともに育つ明るさは確保できません。

Posted by woods at 2011年08月19日(金) 14時36分   パーマリンク

2011年08月18日(木)

照度計の勧め [寒蘭の勧め]

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手元に古びたコピーが1枚ある。
これも出所はわからなくなっているが古い農学書にあったものだが、紫外線量」「照度」「日射量」の測定値だ。1957〜1959年の南中時、水平面、雨量0 のときの季節変化を示している。

まだ寒蘭をどう栽培しようかと試行錯誤していた時期、目にした専門書の中にあった。

上の図の照度分布を、栽培歴のなかに落としてみた。
寒蘭の栽培管理に役立つ情報はないかと専門書を読んでいてこの分布図を見つけたとき「この照度変化にもとづいて寒蘭の作業歴を作って見たらおもしろいな」とふと思い立った。
当時、ハウスみかんの栽培指導にかかわっていた関係で、ハウスみかんの栽培歴のような感じで、どうにか寒蘭の栽培歴が作れないものかと思ったのだ。

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画像は最初のバージョン
【土佐寒蘭栽培暦(Ver2.0)蘭舎内ビニール被覆・小(臨時)加温栽培 栽培目標 年間出芽1.5芽 新芽の当年開花(花芽分化期前バルブ充実)西南蘭培研究同好会 H.4.4】
最初と言ってもVer2.0となっているが、この暦が外部に出たのはVer2.3の大方愛蘭会バージョンからだ。
それまでは自分用だった。懐かしい資料だが、「年間出芽1.5芽」を目標にするなど若かりし頃の大きな意気込みが感じられる。

画像(300x211)・拡大画像(1200x846)

実際に照度を測った記録が出てくるのが、平成5年から。
右の画像は平成5年の主な作業記録を栽培歴に書き込みしたもの。
こまかな照度は記載していないが、「寒蘭受光照度 平均6,000〜12,000ルックス、最低3,000〜4,000、最高15,000〜20,000」とある。別のノートには9時前から4時過ぎまでの舎外と舎内の照度を30分間隔でびっしりと記録している。それらのまとめの数値だと思われる(自分が書いたものだがどう集計したかまったく記憶にない)。

栽培歴を作ったとき先の「気孔の開閉と葉焼け」と「気孔の開度と光合成」を知っていたかということも記憶から飛んでいるが、 限界照度(表現と定義も定まっていない)のレベルがバージョン毎に違っているのでまだ知らなかったのではと思う。

*資料を読みながら思い出していると、「気孔の開閉と葉焼け」と「気孔の開度と光合成」のコピーは次の赴任地の事務所でしたものだった。


「気孔の開度と光合成」の記述【この気孔の開度がどの程度光合成量に影響しているかについては今後の課題である。】これも先生は後に解明していたと思う。(どこかに記述があったと資料を見返したが見つからなかった)

自分の記憶では3万ルックスまでは光が強いほど光合成量が多くなっていたと思う。寒蘭もイチゴ並みに照度が必要なのかと感心して資料を読んだことを覚えている。

Posted by woods at 2011年08月18日(木) 22時36分   パーマリンク

2011年08月17日(水)

気孔 [寒蘭の勧め]

このシリーズはカテゴリー「寒蘭の勧め」として書いています。
寒蘭を栽培するに当たって参考になる考え方や根拠を載せようと思っています。(あとで見返すときはカテゴリーで見るといいです)

寒蘭栽培で最も参考となる記述を紹介します。
農業の専門書(どの本だったか忘れた)からコピーしていたものですが、これも澤先生が書いたものです。

1.「気孔の開閉と葉焼け」
 この気孔の開閉は葉焼けとも密接な関係がある。真夏に灌水を怠り,ハウス内の換気が悪いときなどに葉焼けを起こしやすいが,これは根部すなわち鉢内の乾燥が大きな要因となる。ランの植物体は,50℃になれば5〜10分ほどで組織は死に至るが45℃程度までは長時間でなければ死ぬまでには至らない。しかし根部が乾燥すると植物ホルモンのアブシジン酸が増加し,これが気孔を閉じさせて植物体外への水分の損失を防ごうとする。その結果葉からの蒸散が行なわれなくなるので,水蒸気になるさいの水が気化熱を奪うことによる葉温の低下が行なわれない。したがって太陽光が葉に垂直に当たる部分の葉組織は熱線により温められ葉温は気温よりも高くなり,50℃前後にまでも上がることにもなりうる。そうなれば葉中の蛋白質,すなわち各種の酵素が変性し,その部分の葉組織は枯死し,白い斑紋となる。逆に灌水により根部に十分な水分があり,気孔が開いていれば直射光下でも葉焼けにはなり難い。

2.「気孔の開度と光合成」
 光の照射量は光合成の反応を進めるためだけでなく,気孔の開度にも影響する。この点に関しては従来あまり問題にされていなかった。すなわちランが弱光下で生育の悪いのは,光合成に必要な光エネルギー量が不足することが重要視され,弱光下では気孔がほとんど開かないためにCO2が葉内に入り難いことが光合成を制限する前段階の要因となることが軽視されていた。この気孔の開度がどの程度光合成量に影響しているかについては今後の課題である。
 たとえばカンランでは1,000lx程度の白色光では気孔はほとんど開かないままで,2,000lxを超え光量が大となるほど気孔開度は大となり,1万5,000lxほどで最大となる。



1.どうして葉焼けを起こすか水分があって気孔が開いていれば葉焼けは起こさない

2.照度と気孔の密接な関係暗いと気孔は開かない

この二つから葉焼けを防ぐためには十分な水+明るくしなければならない

と言うことで次の記事は照度計の勧めになります(^_^)

Posted by woods at 2011年08月17日(水) 21時19分   パーマリンク

2011年08月16日(火)

カンラン 寒蘭の美と栽培 [寒蘭の勧め]

注文していた「カンラン 寒蘭の美と栽培 誠文堂新光社」が届いた。
かなりな古書だが表紙もしっかりしていた。

昭和四十五年十一月三十日第一版発行
昭和五十一年三月十五日第六版発行 

私の手元の本から1版新しかったが、目次は同じでおそらく中身も一緒だと思う。

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Posted by woods at 2011年08月16日(火) 23時10分   パーマリンク

2011年08月15日(月)

これもラン菌か? [寒蘭の勧め]

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根の構造のところで観察したサンプルに、先に観測した、第一タイプや第二タイプのラン菌の塊よりも大きな塊を見つけた。

輪切りのほぼ中央に黄色い輪が見える。皮層の20〜30%を占める部分がやや黄色が濃くなっている。

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【上の輪切りの根を検鏡】
黄色のが濃く輪になっているところは、細胞内にぎっしりと黄色の塊が入っていた。

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【上の拡大】
大きな粒子が確認されるが菌糸が見つからない。

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これもラン菌根菌かと菌糸を捜索。
ネットワークの菌糸らしき物を確認。

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近くには発達途中のラン菌根菌が見つかった。

澤先生の記述では【消化中の根菌】となっているが、黄色の塊は【ペロトン】のようだ。

「細胞内いっぱいに増殖したベロトンは消化吸収されて菌糸だけが残る。残った菌糸からベロトンが再生される。」ようだ。

Posted by woods at 2011年08月15日(月) 05時30分   パーマリンク

2011年08月14日(日)

地表の根 [寒蘭の勧め]

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地表に出ている根を観察してみた。

寒蘭の根が白く見えるのは根被細胞に空気が入っているからで、その空気に光が乱反射して白く見える。


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地表面に出ている根を輪切りにしてみた。中は緑色になっていた。
これは根被を通過して光が皮層に入り込むため、葉緑素が生成されるためである。(これも澤先生の記述通り確認できた)

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顕微鏡で観測するために水を含ませると根被は白く見えなくなる。

皮層の中には葉緑素の緑が見える。

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【上の緑のヶ所を拡大】
細胞の中に葉緑粒が見られる。

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【さらに拡大】
細胞の中に葉緑粒が沢山入っている。

Posted by woods at 2011年08月14日(日) 05時01分   パーマリンク

2011年08月13日(土)

根の構造 [寒蘭の勧め]

澤先生の記述から
「根の最外部はヴェラーメンといわれている根被で覆われている。
根被は数層の細胞層よりなり、その細胞には内容物がなく中空になっているので、ちょうど海綿のように水を吸い込んで水を貯えることが出来る。この細胞の表面(細胞膜)には網目状に肥厚した部分があり、それが斜めに交差した網目模様を呈している。細胞が給水したときにはその網目が広がるのが観察される。これは網袋で細胞を包み、吸水しすぎによる細胞の破裂を防ぐ働きをしている。根被細胞はこの貯水作用の他に、そとからの機械的な刺激から根を守り、根が傷つくのを保護する役目もある。」

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【画像は5〜6年生の根の付け根当たり:成熟根】
根被が白く見える。

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【輪切り状態】
この部分は表土近くで比較的乾燥しているため、根被は乾燥して空気が入っている。
中心柱もしっかりしていてはっきり見える。

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【こちらは幼根の先端】
根被は水分を含み皮層細胞と同じように半透明である。

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【根被】これ以下は先の成熟根の画像
根被部分。右が外界だが、表皮は見られない。
若い根の先端には表皮が存在する。

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【上の拡大】
ヴェラーメンがよく見える。

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【皮層と中心柱】
中心柱近くの皮層細胞には内容物がほとんど見られない。

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【中心柱の拡大】
皮層と中心柱の境には一層の内皮が確認できる。
中心柱には中央部の細胞の塊(随)の周りに維管束が走っている。
この時点では維管束の道管と師管は空で向こうが見えていた。
大きい穴が道管で小さな穴が師管でしょうか?

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【別カット】
こちらの維管束には空気が入って泡状に見える。

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【上の拡大】
フザリウム菌はこの道管に菌糸を伸張させる。
「菌糸が蔓延すると道管が詰まり水が上部に行かなくなる。そのため葉の元が枯れて落葉する。」と言われています。私は未観察。


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【幼根先端の根被】
古い根とだいぶ違っている。
外界との境がなめらかで最外部には表皮のような細胞が確認できる。

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【成熟根の外皮部分】
上の黒っぽい細胞が根被。その下に一層の外皮がある。外皮の所々に水を通す通過細胞がある。外皮の小さな細胞がそうだろうか。

澤先生の記述から
「カンランの根には根毛がなく(根の発生初期にはあるがまもなく消滅してしまう?)養分や水分は根被細胞を通じて吸水されている。このためハイポネックスなどの化学肥料を施す際には充分注意しなければならないことがある。それは植物体に影響がなさそうな濃度の液肥を与えたとしても、その後、鉢内が乾燥するにつれて、液肥を吸った根被細胞内での水分は内部への移行のみ行われ、それを補充すべき外からの水分の供給が少なくなり、その結果、根被細胞内の液肥の濃度が高くなり、結局、高濃度の液肥を外皮に施したと同じ状態になって濃度障害を引き起こすことになる。したがって、鉢内が乾燥しないように常に注意して管理するならば普通の草花と同程度の濃度の液肥を施してもかまわないが、それには手間がかかるし、逆に加湿になりやすい。したがってランに化学肥料を施すときは、草花などに施用するときよりも三〜五倍に薄め、そのかわりに施す回数を多くして灌水代わりにかけるようにすることである。」

自分は入門当時この本を読んだため、基本的に化学肥料や液肥の施用はしてこなかった。

Posted by woods at 2011年08月13日(土) 16時26分   パーマリンク

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