もうひとつの  Woody note

                                                                     管理人の       本音のブログ

12

2014


  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

検索


カテゴリーリスト

2014年12月15日(月)

今日の第三蘭舎 [管理記録]

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

第三蘭舎の寒蘭棚はちょうど1776鉢収まるが、シーズン前にはほぼ一杯になっていた棚も二割ほど空いた。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

空いた棚にはネギを植えるように山採り苗を植えている。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

今日は空になったプラ鉢を消毒した。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

最後は土の消毒。

Posted by 管理者 at 2014年12月15日(月) 17時56分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

2014年12月14日(日)

コンタクトシート [雑記]

画像(212x300)・拡大画像(848x1200)

今年の花をコンタクトシートにまとめてみた。

画像(212x300)・拡大画像(848x1200)

数えてみると157。

今年咲いた花は350鉢ほどあったが、手元に残ったのはこの写真の枚数より少ないことになる。
残す花を写真を撮って記録していたのだが、買い手が付いて売ってしまった物もあるので実際残った花はこの数より少ない。

画像(212x300)・拡大画像(848x1200)

画像(212x300)・拡大画像(848x1200)

画像(212x300)・拡大画像(848x1200)

画像(212x300)・拡大画像(848x1200)

Posted by 管理者 at 2014年12月14日(日) 21時23分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

2014年12月07日(日)

検索サイトの名鑑更新 [雑記]

こちらのブログはしばらく更新していなかった。
ねた不足に、25年新命名をアップします。

土佐愛蘭会の広報部副部長として「土佐愛蘭会検索サイト」の名鑑の管理を任されている。
先日やっと25年を登録できた。

画像(199x300)・拡大画像(799x1200)

1215 紫月 しづき 紅 四万十市西土佐 森 裕二

花は濃紫紅色で一文字咲の大輪 内外弁は同色の斉捧咲 芯体も同色 舌は中型の巻舌で淡い黄緑地に淡紫紅色の並点 花柄は緑褐色 腮、子房、芯体共に濃紫紅色 葯は黄色 花茎は緑褐色の中幹で四方咲 第一花は葉にかかる 葉は緑色で並の中立葉
花5.0×0.7cm 花茎54.0×3.9cm 葉57.0×1.8cm

画像(199x300)・拡大画像(799x1200)

1216 清澄冠  せいちょうかん 青 四万十町松葉川 筒井 清重

花は緑色で三角咲の大輪 内外弁は同色で基部に茶褐色の線が入る 内弁はやや開く 舌は中型の巻舌で淡い黄地に淡紅色の大点 腮は黄白色 花柄は緑がかった茶褐色 子房は茶褐色 芯体は紅色 葯は黄色 花茎は薄い茶褐色の中幹で四方咲 第一花は葉にかかる 葉は濃緑の中立葉で露受葉を交える
花6.5×0.9cm 花茎75.0×6.0cm 葉63.0×1.8cm

画像(199x300)・拡大画像(799x1200)

1217 國虎 くにとら  青 東洋町野根 大坪 啓助

花は濃緑色で三角咲の中輪 内外弁は同色 内弁はやや開く 主弁の基部に褐色の線、内弁の基部に紅褐色の線と染みが入る 舌は中型の巻舌で淡い黄緑地に紅褐色のべ夕舌風である 腮は濃紅褐色 花柄、子房共に紅褐色 芯体は緑色 葯は淡い黄色 花茎は緑褐色の中幹で四方咲 第一花は葉上に高く抜ける 葉は緑色で並の中垂れ葉
花4.8×0.6cm 花茎59.0×4.5cm 葉54.0×1.5cm

画像(199x300)・拡大画像(799x1200)

1218 源流 げんりゅう 葉芸 四万十町 嶋津 淳三

葉は中透、紺覆輪、片縞を交える並の中垂れ葉 花は未開花である    
葉28.0×1.5cm

画像(199x300)・拡大画像(799x1200)

1219 美和の華 みわのはな サラサ 四万十市西土佐奥屋内 清藤 紀嘉

花は緑地に紅褐色線が入るサラサで折鶴を交える三角咲の中輪 内外弁は同色 内弁はやや開く 舌は中型の巻舌で白地に淡緑色に染み紅色の細点が数点入る 花柄、子房共に紫褐色 腮は紫褐色 芯体は淡紫褐色 葯は黄白色 花茎は緑褐色の中幹で四方咲 第一花は葉上に高く抜ける 葉は緑色で並みの中垂れ葉
花4.0×0.6cm 花茎55.5×6.4cm 葉41.0×1.2cm

画像(199x300)・拡大画像(799x1200)

1220 天紅 てんこう  紅 宿毛市楯山払越 弘瀬 勝利

花は紫紅色で三角咲の大輪 内外弁同色の斉捧咲 舌は大型の半巻舌で淡緑色に紫紅色の大点 腮、花柄、子房共に紫紅色 芯体は淡い紫紅色 葯は黄白色 花茎は紫褐色の中幹で四方咲 第一花は葉上に抜ける 葉は濃緑で硬い中垂れ葉
花5.6×0.6cm 花茎570×6.1cm 葉56.0×1.5cm

画像(199x300)・拡大画像(799x1200)

1221 河内の神 かわちのかみ 青 交配種(島の宮×小天狗)堀口 末治

花は淡い緑色で一文字に近い三角咲の中輪 内外弁同色で基部に褐色の細線が入る 内弁はやや開く 舌は中型の円舌で淡い黄緑地に紅褐色の大点 腮は濃い紅褐色 花柄、子房共に褐色 芯体は淡い黄色 葯は淡い黄色 花茎は緑褐色の中幹で四方咲 第一花は葉にかかる 葉は緑色で並みの中垂れの葉
花3.8×0.8cm 花茎33.0×3.5cm 葉40.0×1.7cm

画像(199x300)・拡大画像(799x1200)

1222 美鳥 びちょう  桃 四万十市西土佐 堀内 武憲

花は桃紅色で三角咲の大輪 内外弁は同色 内弁は開く 舌は中型の巻舌で白地に淡い緑色に染み紅褐色の並点 腮は紫紅色、花柄、子房、芯体共に桃紅色 葯は黄白色 花茎は桃褐色の中幹で四方咲 第一花は葉にかかる 葉は緑色、並の中垂れ葉で古葉に曙柄を残す
花5.0×0.6cm 花茎43.0×5.7cm 葉58.0×1.7cm

画像(199x300)・拡大画像(799x1200)

1223 一の翼 いちのつばさ サラサ 室戸市吉良川町名の浦 武市 幸夫

花は淡緑色地に濃紫褐色の線が入るサラサで平肩咲の大輪 内外弁は同色で斉捧咲 舌は大型の巻舌で白色地に淡紫紅色のべ夕舌風である 腮、花柄は共に濃紫紅色 子房、芯体は共に淡紫褐色 葯は黄白色 花茎は褐色の細幹で四方咲 第一花は葉にかかる 葉は緑色で並の中立葉

花6.0×0.7cm 花茎54.0×4.3cm 葉69.0×1.2cm

画像(199x300)・拡大画像(799x1200)

1224 海人  かいと サラサ 交配種(小天狗×島の宮) 川村 五介

花は緑地に茶褐色の線が入る三角咲の大輪 主弁は濃茶褐色 副弁、内弁は茶褐色同色で斉捧咲 舌は中型の巻舌で緑白地に紅褐色のベタ舌 腮、子房は共に紅褐色 花柄は緑紅色 芯体、葯は共に黄緑色 花茎は緑褐色の中幹で四方咲 第一花は少し葉にかかる 葉は濃緑色で広葉の中垂れ葉
花5.0×0.5cm 花茎53.0×6.0cm 葉74.0×2.1cm

画像(199x300)・拡大画像(799x1200)

1225 炎花 ほのか 紅 宿毛市楠山払越 岡村 善充

花は紫紅色で一文字咲の大輪花 内外弁同色 内弁はやや開く 舌は中型の巻舌で白黄色地に紫紅色の大点と並点が入る 腮は紫紅色 花柄、子房、芯体は共に紅褐色 葯は白黄色 花茎は緑褐色の中幹で花間広く四方咲 第一花は葉上に高く抜ける 葉は濃緑で樋葉の中垂れ葉
花5.1×0.4cm 花茎65.5×6.2cm 葉48.0×1.2cm

画像(199x300)・拡大画像(799x1200)

1226 京愁 きょうしゅう サラサ 室戸市吉良川町名の浦 林田 千秋

花は淡緑地に紅褐色の線が入る三角咲の中輪 内外弁は同色 内弁はやや開く 舌は大型の半巻舌で黄緑色地に紅褐色の大点 腮は紅褐色 花柄は茶褐色で基部は緑褐色 子房は茶褐色 芯体は淡緑色 葯は黄白 花茎は緑褐色の中幹で四方咲 第一花は葉にかかる 葉は緑で並の中垂れ葉
花4.5×0.7cm 花茎32.0×4.0cm 葉41.0×1.5cm

画像(200x300)・拡大画像(800x1200)

1227 幻白 げんぱく 葉芸 土佐清水市 野中 克典
葉は紺覆輪中透縞、中押し縞を交える並の中垂れ葉 新芽は後冴えである 花は未開花の幼木である
葉22.0×1.0cm

登録の中の地名は原産地です。

原産地の意味は曖昧で、採取した人が命名しない限り、採取した場所を明確にすることは多くの蘭で難しいと思います。皆さん大体その辺りだとしているようです。

私が命名した「紫月」は採取地(小苗は数多く貰っていたのでいちいち採取地を聞いていなかった)は不明ですが、竹内から入れたので竹内の蘭舎の場所(西土佐)にしています。

ちなみに「天勝香」と「金紫鳥」は竹内の蘭舎から出ていますが、天勝香は西土佐、金紫鳥は勝間になっています。
竹内は鵜ノ江のH氏から入れており、H氏からは天勝香は鵜ノ江、金紫鳥は勝間産だと聞いていると竹内は言っていました。

原産地はよくわからないですね!!

Posted by 管理者 at 2014年12月07日(日) 22時21分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2014年11月12日(水)

今日の第三蘭舎 [管理記録]

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

今日は少し明るくした。

11月入って1万ルックスを下回っていた。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

今日は嬉しいことにエビネに花芽が伸びているのを見つけた。
初めての花芽だ。

Posted by 管理者 at 2014年11月12日(水) 21時35分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

2014年10月14日(火)

発色関連資料 [栽培技術]

ネットで見つけた記事です。参考までに・・・

植物の世界「花の色のメカニズム」
 
           植物の世界「花の色のメカニズム」
 
                      参考:朝日新聞社発行「植物の世界」
 
 自然界には極めて多彩な花の色があります。植物にとって花の色は,昆虫を惹き付け,
受粉するのに役立っていると考えられ,高等植物の進化に大きな役割を果たしているも
のと考えられます。
 人間にとっても,様々な花の色は生活に潤いをもたらしてくれます。またこうした要
求を満たすべく,古くから,より美しい色の花を作り出すために品種改良が行われて来
ました。近年においては色素分析の研究を基に,更に新しい品種の育成も行われ,実に
沢山の種類の色の花が見られるようになりました。
 
 花の色が赤や黄色など様々に見えるのは,その植物にいろいろな色素が含まれている
からです。色素の中において代表的なものは,フラボノイド,ベタレイン,カロチノイ
ド,クロロフィルの4種類の色素群です。これらが単独或いは共存して,淡黄から黄,
赤,紫,青,緑へと広い範囲の色を発現しています。これらのうちフラボノイドとベタ
レインは水に溶けやすく,花弁の細胞内の液胞エキホウに溶けて含まれますが,カロチノイ
ドとクロロフィルは水には溶けにくく,細胞内の色素体と呼ばれる小さな粒の中に含ま
れています。
 
〈最も普通な色素群〉
 フラボノイドとは,C6-C3-C6の基本化学構造を持つカルコン,フラボン,フラボノ
ール,オーロン,アントシアニンなどの色素の総称名です。フラボノイドは植物界に広
く存在しており,花のほか根,茎,葉にもあります。種類も非常に多いが,花色の中心
となっているのはアントシアニンです。アントシアニンは橙から赤,紫,青,水色まで
の広い範囲の,目立った色を発現しています。
 
 アントシアニンは配糖体(糖と結び付いて存在する物質)として存在しており,糖の
種類や結合する位置,数などによって多くの種類に分けられますが,糖を遊離させて残
った物質であるアグリコンの種類は限られており,その主なものは6種類と云われてい
ます。このうちペラルゴニジンは橙赤色,シアニジンは赤色,デルフィニジンは赤紫色
で,水酸基が増えるに連れて色調が青味を増します。また水酸基がメチル化しますと赤
味が増します(中略)。
 一方配糖体の型においては,グルコース,ガラクトース,ラムノース,キシロースな
どの糖が,アントシアニンのアグリコンに結合しているものが多いが,結合する種類や
数が異なっても,色自体は殆ど変わりません(中略)。
 またアントシアニンの中には,糖の部分に更にパラ・クマール酸,カフェ酸,フェラル
酸など芳香族の有機酸を結合しているものもありますが,これらは色調には影響しませ
ん。
 
 アントシアニンのほかに花色に関係するフラボノイドとしては,フラボン,フラボノ
ール,カルコン,オーロンなどがあります。
 フラボンやフラボノールはそれ自身は無色から淡黄色で,単独で花色を発現している
例は少ない。白い花の場合,その殆どにフラボンやフラボノールが含まれていますが,
これが白い訳ではなく,花弁の細胞間隙カンゲキに空気が入っているためです。フラボンや
フラボノールは,アルカリ性にしますと黄色になる性質があるので,その存在を確認す
るには,白い花弁をアンモニア水に浸し,黄色に変わって行くかどうかを見ればよい。
 フラボンはキンギョソウのクリーム色の花に含まれ,またフラボノールは,白やクリ
ーム色のバラやアサガオの花に含まれます。フラボンやフラボノールの色は単独では目
立たないため,共存する他の色素の色が出てくることが多い。
 ただしフラボンやフラボノールがアントシアニンと共存しますと,アントシアニンに
対して補助色素として作用し,アントシアニンの色を濃くしたり,色調を青味がかった
ものにする働きがあります。このような働きは自然界に可成り多く見られ,花色におい
てフラボンやフラボノールは,それ自身の色よりも,寧ろ裏方として重要な役割を果た
していることが多い。
 カルコンやオーロンは,フラボンやフラボノールに比べ黄色が強く,黄色から橙赤色
までの色を発現します。ダリア,ベニバナ,カーネーション,ボタンの花の黄色はカル
コン,キンギョソウの黄色はオーロンによるものです。
 
〈ベタレイン系色素の分布〉
 ベタレインは,赤から紫色のベタシアニンと,黄色のベタキサンチンの総称名です。
ベタシアニンはアカザ科のカエンサイの紅紫色の素であるベタニンに代表される色素で,
フラボノイド系色素のアントシアニンによく似た色調を示しますが,化学構造はフラボ
ノイド系色素とは全く異なっています。
 植物界においては,ベタレイン系色素の分布は限られています。それはナデシコ目の
ザクロソウ科,ツルムラサキ科(ツルムラサキなど),スベリヒユ科(マツバボタンな
ど),ヒユ科(ケイトウ,センニチコウなど),アカザ科,サボテン科,オシロイバナ
科(オシロイバナ,ブーゲンビレアなど),ヤマゴボウ科(ヨウシュヤマゴボウなど)
です。
 例えばマツバボタンの花の色は,黄,橙,赤,赤紫といろいろな種類がありますが,
全てベタレインで,アントシアニンは含まれていません。そのほかサボテンの花の黄,
赤,紫色や,オシロイバナ・ブーゲンビレア・ケイトウなどの花,果実,葉の赤から紫
色は,何れもこのベタレインによるものです。
 分類的には遠く離れているアカネ目のヤマトグサ科にもベタレインが含まれており,
ナデシコ目に分布が集中していることなどとも併せて,ベタレインの分布と系統分類の
関係が注目されています。
 
〈カロチノイドとクロロフィル〉
 カロチノイドは黄色から橙色,赤色の範囲の色を示す色素で,カロチン類とキサント
フィル類に大別されます。カロチン類は炭化水素,キサントフィル類は酸素を含むカロ
チン誘導体で,代表的なものに,前者においてはα-カロチンや健康飲料にも含まれるβ
-カロチン,後者においてはルテインやゼアキサンチンがあります。
 黄色の花にはカロチノイドだけでなく,フラボノイド系の色素であるフラボンやフラ
ボノールが共存していることがありますが,その発色源はカロチノイドの方であること
が多い。例えばマンサクやレンギョウの黄色の花にはフラボノールが含まれていますが,
カロチノイドも多く含まれており,主にカロチノイドによって発現しています。キンセ
ンカ,バラの園芸品種の黄から橙赤色,パンジー,カボチャ,シュンギクの黄色なども
カロチノイドによるものです。
 
 またカロチノイドは,フラボノイド系色素のアントシアニンと共存して含まれている
こともあります。この場合には,カロチノイドとアントシアニンの量の比率やアントシ
アニンの種類が,花色に微妙な変化をもたらします。バラの鮮やかな朱赤色の花の品種
は,カロチノイドとアントシアニンの混合によって発現していますが,これはカロチノ
イド系の色素を持つバラと,アントシアニン系の色素を持つバラとの間の交雑によって
作り出されたものです。
 
 クロロフィルは葉緑素とも呼ばれ,緑色を発現し,葉や茎には普通に含まれています
が,多くの花も蕾ツボミの時期にクロロフィルが含まれています。花が開く頃になります
と,フラボノイド系のアントシアニンやカロチノイド系色素などが急速に合成されてく
る一方で,クロロフィルは消失して行くため,緑色から赤や黄色に染まって行くのです。
例えばアジサイやチューリップなどの花の咲く様子を観察しますと,この変化がよく分
かります。しかし花の中には,咲いてもクロロフィルがそのまま残って変色せず,緑色
のままの花もあります。
 
〈アントシアニンによる花色の発現〉
 自然界の花の色の殆どは,これまで述べました4種類の色素群によって発現している
と云ってよい。これらの中においてフラボノイド系のアントシアニン以外の色素の場合,
花色の発現は比較的単純で,クロロフィルなら緑色,カロチノイドやフラボノイド系の
カルコンなら黄色と云うように,含まれる色素そのものの色がそのまま花の色に現れて
来ます。
 一方,アントシアニンの場合は,いろいろな要因によって同じ色素でも花の色が変異
することもあります。勿論アントシアニンの種類や濃度,複数のアントシアニンが含ま
れる場合には,それらの混合比率などによって,色調は多少異なっています。
 しかしそれだけでは説明出来ない大きな変異が見られることもあります。例えばアジ
サイの花においては,含まれているアントシアニンは全く同じでも,赤くなったり,青
くなったりします。このようにアントシアニンの場合は,発現する色が単純ではなく,
橙から赤,紫,青,水色に至るまで著しい変異を示すのです。
 
 その要因を巡っては多くの研究がなされて来ました。今までに幾つかの説が出されて
いますが,その一つは1913年に発表されたドイツのミュンヘン大学有機化学者ヴィルシ
ュテッター(1872〜1942)によるpHペーハー説です。これはアントシアニンを含んでいる
溶液のpHによって,その色が赤(酸性),紫(中性),青(アルカリ性)と変わるこ
とから,花の色の変異はアントシアニンを含んでいる細胞液のpHによって変化すると
云うものです。
 しかし東京大学の植物生理学柴田桂太教授(1877〜1949)は,アルカリ性の溶液に含
まれるアントシアニンの青色は極めて不安定で,色素を含む花の細胞液のpHはアルカ
リ性ではなく,寧ろ中性乃至弱酸性であることが分かり,青色の発現についてはヴィル
シュテッターのpH説に疑問を持ちました。柴田教授は,フラボノールを酢酸とマグネ
シウムによって還元してアントシアニンを得る実験をしていたとき,青緑色の色素を得
たことを基に,1919年,青色の発現は溶液のpHによるものではなく,アントシアニン
と金属元素との錯サク化合物によると云う金属錯体サクタイ説を発表しました。
 一方,イギリスのオックスフォード大学有機化学者ロビンソン(1886〜1975)は,
1931年にコピグメント説を提唱しました。この説は,アントシアニンがフラボン,フラ
ボノール,タンニン,多糖類などコピグメントと共存しますと,青味を帯びた色調を示
すことから考えられたものです。この現象はコピグメンテーションと呼ばれています。

Posted by 管理者 at 2014年10月14日(火) 03時39分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

2014年09月30日(火)

播種 [交配ネタ]

画像(300x168)・拡大画像(1200x675)

今日は消毒をした後、すぐに○○山に走った。車で30ほどのとこだがいつも蘭を採りに行くところだ。

画像(168x300)・拡大画像(675x1200)

採取も目的だったが、今回は新作の種まきをしたかった。
例年は10月に入ってからだったが今年は実の入りが早くしばらくこの山にも行っていなかったこともあって新作の種を持参した。

画像(300x211)・拡大画像(1200x846)

私は寒蘭の播種については叔父にイロハを習った。叔父は人に荒らされるのを嫌がっていろんな工夫をしていた。一番は山奥深いところに播くことだ。太平洋が見えるところに播いているとよく言っていたものだ。ただし、これは年を取ると体力的にしんどくなる。

もう一つはダミーを播くことだ。本命はピンポイントにダミーは広範囲に。
その前にこの時期に播種するメリットは大きい。
この時期は株から切り離したさやの種はまだ完熟していない。切り取ってから追熟(乾燥)すると風に吹かれて飛んでしまう埃の様な種になる。

画像(300x168)・拡大画像(1200x675)

解るだろうか?
まだ完熟していない種は地面に播いても少々の風では飛ばない。
播くときも指先でつまんで落とすように播くと任意の場所に播種できる。画像の赤丸の所に播いている。

画像(300x205)・拡大画像(1200x822)

右の画像は上の画像の真ん中の赤丸で囲んだ部分。
この後どうするかは想像に任せるが、これがピンポイントで苗を確保する秘伝だ。

自分は大学時代に沢先生から試験管播種の手ほどきをしてもらったことがある。花卉園芸の実験だったが3回生の時播種して4回生の時カルスを移植する所まで習った。その時に完熟種子よりも未熟種子の方が発芽が良く、6月には種子としては完成していて播種可能だと言うことを習った。

画像(300x168)・拡大画像(1200x675)

この方法では数は難しいが、同じ種子を三ヶ所くらいに播いていると高い確率で任意の苗が得られるのだ。


上の画像の3個のケースの内2個はダミーだが、本命は切り取った直後の種だが、ダミーは早めに乾燥させて風が吹けば飛んでしまう種にしている。
言うまでも無いが、少し離れたところに播いておけば、本命を見つけられる可能性がずっと低くなる。


ダミーは在来種の交配でもともとその地にある寒蘭の子だ。これが増えても問題ない。交配種をピンポイントで発芽させ確実に回収することは生態系の維持にも良い方法だと思うがどうだろうか?




Posted by 管理者 at 2014年09月30日(火) 19時51分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

発色に関係すると思うもの [栽培技術]

今日は天気予報ではあまり暑くならないので殺虫剤散布をしようと思う。

今年は殺菌剤は混用するが、葉面散布剤のアミノメリットは混ぜない。
今までは花時期の散布にはアミノメリットを混用していた。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

画像は金紫鳥の花芽。二芽出ていたのでかいだが遅く出たのかこちらは少し色が良い。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

これをばらばらにしてみたが、色が付いているのは袴や苞(ほう)の部分だ。花茎の下部は発色しているが蕾の部分には色が付いていない。

今年は置き肥のグリーンキングを6月3日に施用してから9月15日の施用までの間に、8月2日と8月25日に液肥のクミユーキ2号とメリットMのそれぞれ1000倍液を潅注した。

アミノメリットを混用しないのは8月の2回の液肥潅注で十分事足りていると思うからだ。そしてこれからはグリーンキングが効いてくる。

花時期に肥料が欠乏すると発色に悪影響となる。花が大きく成長しないばかりか鮮やかな色が出なくなると言われている。特にリン酸は多く必要としてしているようだ。また微量要素欠乏も色素の発現に影響する。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

発色を語るときあまり重要視されていないが、光合成の同化養分の絶対量だ。光合成が不十分だと花が大きくならないばかりか発色も悪くなる。

私はこれらの基礎が出来て初めて良い花が咲くと思っている。

発色には昔から「夜露を取れと」言われてきたが、これは「蘭舎から野外に出すことによって光を受ける量が増え結果として光合成が活発になり発色が良くなる」こともあるのではないだろうか。

Posted by 管理者 at 2014年09月30日(火) 06時27分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2014年09月24日(水)

聞きたくない話 [栽培技術]

何でもかんでも人のせいにする人がいる。自分は悪くないと言い張る人がいる。
子供が言い訳しているようで腹が立つ。
自分が頑張れば出来たのじやないかと思うと、努力していないのではないのかとか思うと、

どうでもいい話だが、数日前のこと「今年は花が悪い。葉ばかり出来て花が細い。季候のせいだ!皆そうだ!」と人が大勢居る中で豪語している人がいた。
私は自分の下手さ加減をそんなに宣伝しなくても良いのではと思ってしまったのりだが・・・
そんな話に他人を巻き込まなくても良いのではと腹が立ったのだった。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

さて、画像は金紫鳥だが新芽を二つ出したためか昨年より花芽が幾分細い。
花芽が細いと当然花数は少ない。そして上がりも悪くなる。
ただし花茎の伸びはこの時期の管理でかなり違ってくると思う。
花は4輪以上あれば展示会で十分通用する花になることが出来る。花茎を伸ばして葉とバランス良く咲く咲かせば良いのだ。
ようはこれからが大事なのだが・・・
果たしてこの金紫鳥は今年どんな花を見せてくれるだろうか。

Posted by 管理者 at 2014年09月24日(水) 06時58分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2014年09月20日(土)

瓶苗 [エビネ栽培]

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

また買ってしまった。
オークションに出ていたので入札したら落ちてしまったのだが・・・
見ているとポチっと行ってしまうのがオークションの怖さだ。
欲しかったわけではない。ただ瓶出しをもう一回やってみたい気持ちがあった。
今年はそこそこ上手く育てることができたが、もう一回やって技術的に確立したという気になってみたかった。やるからにはある程度の納得いく成果が欲しいのだ。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

瓶の中には苗が20本合った。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

これを6号の駄鉢2鉢に植え込んだ。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

こんなざっとした植え方だがこれで良く育つ。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

今回は瓶3本植え付けた。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

この要領で昨年6月に植え付けた鉢。
鉢から零れんばかりに育っている。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

根も上等だろう。

Posted by 管理者 at 2014年09月20日(土) 20時14分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

2014年09月15日(月)

金紫鳥 [雑記]

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

この中に金紫鳥が4鉢ある。展示会用の一鉢と、先に紹介した4芽ものとバック出しの2鉢だ。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

どれか解るかな?

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

右の2鉢がバック出しだが、4〜5年生の成木を昨年の7月(左)と11月(右)に1芽ずつ外していた物だ。成木は55センチ以上あるが、7月に外した物は新芽がほとんど親葉になっている。


Posted by 管理者 at 2014年09月15日(月) 21時37分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2014年09月11日(木)

寒蘭苗 [山紀行]

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

今年は順調に苗を回収している。画像は今日の収穫。

ただ、この状態の苗なので探すのは大変なのだが・・・・

一週間〜10日で坪を回っているのでこんな小さな苗になってしまう。人に採られないように回っているのもあるが、大きくなったらすぐに鹿に食べられるので、鹿との競争になっているのだ。本当は後1ヶ月は山に置きたいところだ。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

これを育て上げる自信が無いととってもダメだが、画像の左の鉢のように3年もすると大きく育てることが出来る。これには技術がいる。企業秘密だが・・・・

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

駄鉢に植えているのは採取して2〜3年の蘭だ。
そろそろプラ鉢に取らないといけない。

Posted by 管理者 at 2014年09月11日(木) 22時07分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

2014年09月04日(木)

鉢の消毒法 [栽培技術]

次亜塩素酸カルシウム製剤である「ケミクロンG」が鉢消毒には万能だとは思っているが、使用法や処理方法を誤れば十分な効果が出ない場合もあるかもしれない。

私は基本的には鉢は洗浄してから1000倍液に10分以上浸漬しその後天日干ししている。
病気が疑われるものは、洗浄作業による菌の飛散を防ぐため一度未洗浄のまま消毒しその後(乾いてから)洗浄し再び10分以上浸漬している。
土については明らかに病気と思われる鉢の土は廃棄して再利用はしない。
なお、「腐敗病」や「ウイルス病」と診断した株は処分できる物は鉢ごと廃棄している。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

「ケミクロンG」以外の鉢の消毒方法は、こちらも効果があるのではないかと思う。

ガスコンロに鉢を逆さに掛けてあぶるのだ。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

2〜3分もかけていると100℃を越えてくる。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

上の方(特に足)が熱伝導が低い? 途中で逆にしたら良いかもしれない。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

糸状菌なら60℃10分、ウイルスはCymMV65〜70℃10分、ORSV90〜95℃10分が滅菌の目安だ。


「鉢の消毒法」の続きを読む

Posted by 管理者 at 2014年09月04日(木) 21時13分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 5 )

2014年09月02日(火)

病気の話ではないが [管理記録]

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

この二鉢は、地元の先輩から譲り受けた物だ。
二人とも数年前に亡くなったので遺品になってしまった。

山苗はどんなに小さくても10年もすると花を付けるが、この二鉢は、左が20年、右が17年花が付かない。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

この株は平成6年に「前が出たら後ろが枯れる」「どうしても自分では作れないので作ってくれないか」と言われて貰った物だ。
何処産だったか覚えていないが10センチほどの小苗で堀が深く堅い葉と芽の赤黒さが目立った変わった苗だった。
今思えば「払い越し」だったかもしれない。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

こちらも地元産の変わり葉の苗だった。刷毛か縞かと言う感じだったが、これも作られないので作ってくれだった。平成9年から作っているがやっとまともな芽(5枚葉)が出てきた。

どちらも未だ花が付かないがなぜここまで遅いのかを考えた場合・・・・

一度拗らせた苗であったことが一番だが、既に蘭菌が死滅してしまっていたのではなかったかなと、それに代わって雑菌が繁茂し、何年も正常な根圏微生物が定着しなかったのではないかと思うのだ。

一度狂った根圏環境はなかなか改善しないものだ。今になって反省するのだが、惰性で栽培し続けているのではなく積極的な改善方策をとらないといけないと思う。

積極的な改善方策?はやはり蘭菌の活用だろう・・・・

Posted by 管理者 at 2014年09月02日(火) 20時15分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

2014年09月01日(月)

第四蘭舎 [雑記]

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

パソコンルームの隣に一坪ほどの置き場がある。蘭舎と言うほどでは無いが一応第4蘭舎としている。

特に目的があって作った場所ではなかったが今では隔離病棟となっている。


画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

現在4鉢置いている。
(1鉢処分したので今は3鉢)

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

手前の鉢

新芽にむらむらが・・・・
ホル付きを貰って4年ほど作っているがウイルス病だろうか?
バックの葉には見られない。
ウイルスでは無いと思いながら様子見中。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

左奥の鉢

新芽がかすり状の短い線(退緑条斑)が沢山はいっている。
昨年の一月に交換会で買ったものだ。今まで気がつかなかったが古い葉にも白っぽい線がかすかに入っていた。

第三蘭舎で見つけとりあえずここに出していたが、今日鉢ごと処分した。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

真ん中の鉢

何年か前に交換会で買ったホル付き苗。

今年の新芽が来ないと思っていたら、昨年の芽の真ん中の葉の葉元が黒変し枯れた。右側の葉もおかしい。バルブを見ると一部黒変していた。炭そ病だと思うが、腐敗病だといけないのでここで様子見中。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

右の鉢

昨年末に貰った物だが昨年の葉が葉元が黄化して落葉した。
黄化の仕方は腐敗病と違うかなと思ったが、節から簡単に外れたので腐敗病だといけないので様子見中。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

右の画像は第三蘭舎(ハウス)の西端の一角。
ここに外部から入れた蘭を集めている。外部から入れた蘭は区画を区分して管理しているのだ。

第三蘭舎は全鉢プラ鉢植えの育成蘭なのだが、立派になって陶器鉢に植え替するとメインの第一蘭舎と庭にある第二蘭舎に回している。

第一蘭舎には外部から入れて24ヶ月以上経過していない蘭は入れないことにしている。そのため24ヶ月経っていない陶器鉢は第二蘭舎に置かれることになる(当然置く場所は区分している)。




どうしてこんなことをしているかと言うと、病気が怖いからで、24ヶ月の間には実際結構病気の蘭が見つかるのだ。

(最近は交換会で購入するのは怖くて出来なくなっている。そのため自分は自家制苗で勝負するしかないのかと思っている。)

Posted by 管理者 at 2014年09月01日(月) 20時28分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2014年08月31日(日)

病原菌フザリウム菌の土壌中でのサイクル [栽培技術]

参考までに・・・・・ 本からのコピペです。

写真は腐敗病の寒蘭から抽出したフザリウム菌の大型分生胞子

画像(300x211)・拡大画像(1200x844)

大型分生胞子

 フザリウム菌はカビの仲間であり,植物残渣などをえさとして増殖し,分生胞子や厚膜胞子を形成して,生存をつづける腐生的な生活だけを営むものと,腐生的な生活だけではなく,宿主作物の根内部にも寄生して増殖し,根内部で分生胞子や厚膜胞子を形成する寄生(病原)菌とがある。一般的には,耐久性の強い厚膜胞子は,のちに述べる土壌の静菌作用によって,胞子が発芽して発芽管を形成し,さらに活性な菌糸を伸長することができない。ところが,根からの分泌物(主として,アミノ酸や糖類)などによって,土壌の静菌作用が解除されると,厚膜胞子の発芽が促進され,発芽管(菌糸)が根に到達すると,寄生性フザリウム菌は根内部へ侵入して,作物に被害を生じることになる。したがって,土壌中にフザリウム菌の分生胞子や厚膜胞子,とくに,後者が多ければ,一般的には発病の危険性が高くなるということができる。



画像(300x195)・拡大画像(768x500)

フザリウム菌の部位

 同一作物を連作すると,フザリウム菌による被害が大きくなるのは,寄生性フザリウム菌によって,根内部で形成される分生胞子や厚膜胞子が,残根中に土壌微生物の攻撃をうけることなく生存することが可能となり,連作年次に応じて,土壌中で総体的に寄生性フザリウム菌の密度が高くなるからである。

土壌の静菌作用(soilfungistasis)

 フザリウム菌にかぎらず,多くのカビの胞子は,土壌中で発芽せず,休眠状態のままで生存をつづけることが可能であり,この現象を土壌の静菌作用という。

 土壌の静菌作用は,土壌を熱などによって殺菌するとなくなり,ついで,殺菌土壌に土壌微生物の懸濁液を加えると回復する。さらに,この静菌作用の回復した土壌にグルコースやアミノ酸などのえさを充分に与えると,静菌作用は消失する。あるいは,湿度またはpHなどを変えて,土壌微生物の活性を低下させると,静菌作用は低下する。また,殺菌土壌に非殺菌土壌を量を変えて添加すると,非殺菌土壌の量がふえるほど,土壌の静菌作用は低下する。

 これらの事実から,土壌のカビの胞子に対する静菌作用に,土壌微生物が関与することは疑いのないことである。

 この原因はいろいろあって定説となっていないが,次のことが考えられる。

 1)カビの胞子の発芽のために必要な物質が活性な土壌微生物によって消費され,養分欠乏の状態となって発芽できない。

 2)他の土壌微生物によって生産される発芽抑制物質であり,この物質の本体についてはまだ明らかになっていないが,非殺菌の自然土壌では,簡単に生産され,静菌作用はあるが,胞子を殺すほど強い殺菌作用はもっていない。また,この物質は,水溶性で気化しやすく,常温では不安定で,熱や紫外線などで失活するもので,セロハン膜を通過するほどの大きさの分子量をもつ化合物であるとされた。最近では,土壌微生物や植物によって生成されるエチレンによるという説がとなえられているが,一般化されていない。

 3)土壌の粘土鉱物などであり,胞子の発芽阻害の一因として,土壌の粘土鉱物と胞子の凝集が考えられている。モンモリロナイト,ハロイサイト,アロフェンおよびイモゴライトなどの粘土鉱物の懸濁液にF.oxysporum f. sp. cucumerinum――キュウリの導管部に侵入して急性萎凋をひき起こすフザリウム菌――の胞子を加えると,イモゴライトのばあいだけ胞子の発芽率が低下した。この理由としては,フザリウム菌の分生胞子は水の中で負に帯電しており,とくに,正に帯電している割合の大きいイモゴライトとは凝集を起こしやすい。そのほか,土壌中には鉄やアルミニウムの水酸化物や酸化物が存在し,土壌の反応が酸性のばあい,これらの水酸化物および酸化物は正に荷電するので,これらの物質とカビの胞子とは凝集する。

Posted by 管理者 at 2014年08月31日(日) 18時30分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2014年08月30日(土)

ケミクロンG [栽培技術]

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

最近は使用済み鉢をため込まないでこまめに消毒している。

ため込むと水洗作業が大変になることもあるが、しばらく置いて無駄に菌を増殖させてもいけないかなと思うからだ。

私の周りの話だが・・・・

本当に毎年毎年蘭を枯らす人たちがいる。
今日も冗談で話していたのだが、蘭は枯れるから売れるのだと。
枯らす人がいないと動かないと言っていたが、その前にそんなに蘭が枯れたら蘭づくりが嫌になってしまうのではないだろうか?実際、それでやめた人も多いと思う。

枯らす人の話を聞いていると概して蘭鉢の消毒が不完全だ。
腐敗病で枯れた鉢は廃棄するのが一番良いが、ほとんどの人が簡単な消毒で再利用している。

「水洗いして天日で干す」×
「沸騰したお湯に入れて煮る」△〜× 腐敗病には効果が低い
「新聞紙を丸めて突っ込んで燃やす」XX

こんな感じだ。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

私がケミクロンGを使い出したのは
腐敗病の感染を疑ったとき最後に残った感染経路が使用済みの鉢だったからだ。それまでは水洗いして天日で干していたのだが、腐敗病が出た鉢を見てみると何年か前に腐敗病の蘭を植えている鉢だった。

画像(199x300)・拡大画像(799x1200)

最後は使用済み土の消毒。

私は以前は土の再利用はしていなかった。
ケミクロンGで消毒すれば病気を心配しなくても良いことは知っていたが、他の理由で使わなかった。
鉢数が多くなった今ではコスト対策で再利用をしている。

その理由は、
「土塊がくずれて目詰まりしやすくなる」
「肥料成分の残留(意外と硝酸態窒素が多い)と微量要素の欠乏」
「土の酸性化」
などだ。

再利用で留意している点

表土2〜3センチは肥料残りもあるので破棄。
病気だけなら数時間の浸漬で良いが、数日浸して過剰な水に溶け出す肥料成分を除去。
取り上げ後は何日かは雨ざらしにする。雨がなければ水をかける。
使用前にキトサンやHB101で土作り(寝かして土をなじませる)をする。
植え付け中に微量要素(液肥)の補給をする。

Posted by 管理者 at 2014年08月30日(土) 20時10分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 4 )

2014年08月28日(木)

今日の収穫 [交配ネタ]

画像(300x168)・拡大画像(1200x675)

今日も山に行ってきた。

この苗に5,6年で花を付けたいがどうだろう。

画像(300x199)・拡大画像(1000x664)

右の画像は今日採った苗の寄せ植えだが、上の苗は手前の小さな2本の苗。
平成23年2月に播いた「古都」×「酔玉」の実生のはずだ。

交配から考えると花を見るのは気の遠くなる長さだ。

寒蘭の無菌播種は山播きと比べてどうなのだろうか?
実際自分は経験が無いので解らないが、山播きより早くなるとは考えにくい。何回か植え替えて(本数を減らせて)瓶で育てれば早く開花するようだが、瓶出し後の成長は期待できないとのことだ。
一年生の苗を瓶出しして普通に育てるとなると丈夫な山苗と比べ遅くなってしまうのではと思う。

Posted by 管理者 at 2014年08月28日(木) 22時19分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

窓の話 [栽培技術]

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

あまり深く考えたことはなかったが、私の蘭作りはこの窓のせいで成功してきたのではないだろうか。

左の画像には第一蘭舎の入り口と左と右にそれぞれの窓が写っている。
夏の間窓はこれ以上空けていない(出入り口も常に閉めている)。右側はこれ以上開かないが、左の窓は跳ね上げると70度くらいは開く。あえて45度くらいまでに押さえている。
この窓の構造は今まで建てた全蘭舎(ハウスは別)共通だった。空気の流れは壁に沿って下から上がって窓に入りそれから天井の窓へと流れている。直接蘭に当たらない構造となっている。これが寒蘭の生育に良かったと思う。(ただし、中は扇風機で風を回し、天井の熱い空気は換気扇で排気している。)

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

ちらはハウスで妻窓は跳ね上げ式だが、サイドは巻き上げ方式である。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

昨年は高温対策のため窓を全開していたのだが、それがいけなかったように思う。葉にダメージを受けた。

今年は全開とはしなかった。サイド窓には防風ネットと遮光ネットを張っているが、さらに下半分は遮光ネット2重張りにして風を押さえてている。中は寒蘭の葉の高さまでポリで囲って直接風が当たらないようにしている。

Posted by 管理者 at 2014年08月28日(木) 21時47分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2014年08月26日(火)

私が液肥をする理由 [栽培技術]

タイトルのように なぜかと言うと、「葉を綺麗に作りたい」からだ。

夏場に肥料が切れてしまうと
「高温障害」や「光障害」をより受けやすいのではないだろうか?

自分は置き肥をしているが、クリーンキングの肥効がメーカーによると約2ヶ月で、6月上旬の置き肥は8月中旬には効果がなくなっていることになる。次の置き肥は9月20日頃を予定しているのでこの時期1ヶ月は肥料切れになってしまう。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

Posted by 管理者 at 2014年08月26日(火) 06時11分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 1 )

2014年08月25日(月)

山播き苗 [交配ネタ]

画像(300x168)・拡大画像(1200x675)

これは昨日山の中で見つけた自分が種を播いていたところに出ていた苗だ。

スマホで撮ったので大きく見えるが3センチ程度の苗だ。

画像(300x168)・拡大画像(1200x675)

平成24年2月19日に播種している。
その時の目印として木の枝を打ち込んでいた。

詳しいことは企業秘密なので言えないが、ピンポイントで苗を得ることができる技術を使っている。成功率はかなり高い。
この方法は今苗が見えている30センチ四方の僅かな地面からしか苗は萌えてこない。

山撒きの一番の危惧は他人に荒らされないかだが、この方法だと限りなく安全だ。普通の播き方では山の何処に生えるか解らないし生えだしたら至る処に生えてくるので人に見つかる確率がかなり高いが、この方法なら種を播いた(実際は埋けた)その場所しか生えない。

しかし見つかる可能性は0ではないので人の目に付く大きさになる前に回収しようと芽時期は忙しいのだ。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

6号の駄鉢にその日採った苗と寄せ植えしている。
上の蘭は赤丸で囲んだものだ、いかに小さいか解る。


画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

真ん中の4.5号の駄鉢には金曜日に回収した苗を植えている。
こんな苗を採ってくるのは人との競争もあるが、強敵は野生の動物だ。
人が入らない山奥では瓜坊や子鹿が緑の葉が地面から出てくるのを待ち構えている。

画像(300x199)・拡大画像(1200x798)

話は変わるがついでに・・・・

左の鉢にはそれぞれ山採り苗は1株しか植わっていない。
あとは瓶出し苗だ。
昨年5月に一芽ものの豊雪セルフ苗を山苗と寄せ植えしていた。
いずれの苗にも大きな新芽が付いている。

自分は知らなかったが無菌播種した瓶出し苗は育苗の行程の中で人為的な蘭菌の接種をしていないようだ。
瓶出し苗はいくつか作っているが大きくなった蘭の根には蘭菌が定着している。自然状態で蘭菌の胞子が飛んできて自然に根に入るのだと思うが、あえて強制的にしていないため瓶出して早い時期は枯れる物があるとのことだ。
私の苗は一本も枯れなかった。


Posted by 管理者 at 2014年08月25日(月) 19時45分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

過去の記事へ

ページのトップへ ページのトップへ

最近の記事

最近のコメント

RSS1.0

[Login]


powered by a-blog
Copyright (C) 2011 Tosakanran's Site Woodynote All rights reserved.