2016年03月14日(月)
11月21日撮影から 6 [今日の一枚(旧)]
「無名」
小品鉢銀賞蘭。
「無名」
小品鉢銀賞二鉢目。
「無名」
小品鉢金賞下段。
これら3つの違いは何処だろう?
出品者が解らずに診査している審査員は困っただろう!
どれも欠点無くバランスの良い花だ。
結果はどれでも良かったが・・・・
「無名」
小品鉢の部金賞上段。小品鉢一番の蘭だ。
新芽も無くバックも芋にしていたが、花が良いからと一番になったとのこと。
花を優先することは自分も賛成だが、この花は本来こんなチャボ葉チャボ咲きなのだろうか?
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本部ひな壇部門別 [今日の一枚(旧)]
青 一般部門優勝 [ 瑞鶴 ]
青 金賞 上段 [ 土佐竜王 ]
青 金賞 下段 [ 一酔 ]
青 金賞 下段 [ 千秋 ]
青々 金賞 上段 [ 司の華 ]
青々 金賞 下段 [ 司の華 ]
青々 金賞 下段 [ 銀鈴 ]
紅 金賞 上段 [ 新命名 紅神楽 ]
紅 金賞 下段 [ 野根小町 ]
紅 金賞 下段 [ 無名 ]
黄金葉 金賞 上段 [ 金紫鳥 ]
黄金葉 金賞 下段 [ 無名 ]
柄物花付 金賞 上段 [ 清流 ]
柄物花付 金賞 下段 [ 春光 ]
柄物花付 金賞 下段 [ 緑宝 ]
柄物花無 金賞 下段 [ 緑宝 ]
柄物花無 金賞 下段 [ 春光 ]
黄白 金賞 上段 [ 梅寿 ]
黄白 金賞 下段 [ 新命名 まなか ]
小品鉢 金賞 上段 [ 無名 ]
小品鉢 金賞 下段 [ 無名 ]
更紗 金賞 上段 [ 新命名 心花 ]
更紗 金賞 下段 [ 京の夢 ]
更紗 金賞 下段 [ 羆 ]
更紗 金賞 下段 [ 新命名 洸海 ]
三光と姫百合 金賞 上段 [ 姫百合 ]
品代錦 懸賞部門優勝 [ 品代錦 ]
品代錦 金賞 上段 [ 品代錦 ]
人工交配種 金賞 下段 [ 無名 ]
素心 金賞 上段 [ 素光 ]
素心 金賞 下段 [ 白妙 ]
素宝 金賞 下段 [ 素宝 ]
特別花 金賞 上段 [ 無名 ]
特別花 金賞 下段 [ 無名 ]
南国 金賞 上段 [ 南国 ]
日光 金賞 上段 [ 日光 ]
払越紅 総合優勝 [ 肇国 ]
払越紅 金賞 上段 [ 有紅 ]
覆輪 金賞 上段 [ 孤舟 ]
覆輪 金賞 下段 [ 孤舟 ]
太湖名城小雪 金賞 上段 [ 小雪 ]
ベタ舌 金賞 上段 [ 古都 ]
ベタ舌 金賞 下段 [ 福の神 ]
豊雪白鹿素月 金賞 上段 [ 豊雪 ]
室戸緋燕 金賞 上段 [ 緋燕 ]
桃 金賞 上段 [ 美鳥 ]
桃 金賞 下段 [ 新命名 流歌 ]
八咫烏系 金賞 下段 [ 無名 ]
桃腮素刺毛素 金賞 上段 [ 白鳳 ]
桃腮素刺毛素 金賞 下段 [ 白秀 ]
ひな壇と平段を比べるためまとめたので
アップします。
Posted by woods at 2016年03月14日(月) 05時56分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2016年03月13日(日)
11月21日撮影から 5 [今日の一枚(旧)]
「天勝香」
黄金葉の銀賞花。本部展で初めての出品では無いだろうか。いつも早く咲いているのでこの時期に見ることはほとんど無かった。
弘瀬氏命名だが元は竹内の蘭だ。
「風月」
更紗の部銅賞入賞。
平段の裾にあったので色がよく見えない(体育館のほぼ中央、北側の高いところにしか窓は無い)がほとんど桃に咲いていた。
命名が更紗なので更紗の部へ出品しているが、桃花の部へ出品の桃よりも色が出ていた。
この花は一度花色変更をしないかと命名者の竹内に話があったが、竹内の所では更紗にしか咲かないと言うことで花色は変更しなかった経緯がある。以前他の人が桃に咲かせて本部展の桃の部に出品したとき本部役員で協議され「いくら桃に咲いても命名が更紗なので更紗の部で無いとダメだ」とだめ出しされたことがあり、その時に本部から竹内に花色変更の申し出があったのだ。
花色は命名診査の時の色で決めている。後から他者で他の色になったからといって変更するのは命名者としては納得いかないことなのだ。
私は命名内容を命名者に代えれと言うより、栽培者が出した色で部門に出品させれば良いだけだと思うが・・・・
Posted by woods at 2016年03月13日(日) 07時09分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2016年03月12日(土)
11月21日撮影から 4 [今日の一枚(旧)]
Posted by woods at 2016年03月12日(土) 21時44分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2016年03月11日(金)
11月21日撮影から 3 [今日の一枚(旧)]
「野望の華」
更紗の部銀賞の一番前にあった。
払い越し産の花で更紗花だ。懸賞木として払い越しの部があったが払い越しは紅花で無くてはならなかったので更紗の部出品となったのだろう。
「無名」
こちらも更紗の部銀賞。野望の華の反対側にあったので、更紗を大と中に分けた中の一番だと思う。
変わった色合いをしていた。画像では青花のように写っているがうっすらと赤茶色が出ていた。
「羆」
これも銀賞。名ノ浦の大輪更紗花。開花してだいぶ経つのだろう。舌がしぼんでいた。金賞の羆より輪数も多く立派に咲いていたと思うが敗因はそのあたりだろうか?
この部の一番金賞は中村支部優勝花新命名「心花(ときめに)」だった。
この花は西土佐支部から出品されている。中輪だが長持ちのする花だ。ただし西土佐からは花がだいぶ大きくなったと思う。
ちなみにこの花の名前は心花でときめきとは読めないので正式に登録されるかは解らない。ひらがな名になる可能性もある。
ちなみに下段の金賞「京の夢」
土佐愛蘭会では命名時以来の出品だと思う。かつての面影(チャボ咲き)は無いが舌が魅力の良花には変わらない。
同じく下段にあった「羆」
Posted by woods at 2016年03月11日(金) 23時36分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2016年03月10日(木)
11月21日撮影から 2 [今日の一枚(旧)]
「貴峰」
平段の一番前にあった銀賞蘭。
値段的にはこれが一番高いのだろう。
「瑞鶴」
これも銀賞蘭。この日瑞鶴は6,7鉢出ていたと思う。
昨年は瑞鶴の当たり年だったと思う。
「力和」
初めて見たが良い青花だ。
これも銀賞。
良い蘭が平段に並んでいたので何に負けたのかと思いき?
なんと「土佐竜王」だった。間産が九州の銘品や名ノ浦の蘭に勝っていた。
ちなみに一水も金賞に上がっていたが下段だったので土佐竜王が良かったと言うことだ。
Posted by woods at 2016年03月10日(木) 21時37分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2016年03月07日(月)
置き肥 [最近の蘭舎(旧)]
今日は午前中から気温が上がり蘭舎は真夏モードだった。
遮光具合や換気等をチェックしながら一日過ごしたが、午後には明日には水をやらないといけないくらい乾燥してきた。
3月に入って施肥のタイミングを見ていたがいつも潅水前にやっているので急遽夕刻置き肥をした。次の水やり前でも良かったが天気の良いときにやれと思いやった。
葉が黄色くなっている蘭があり原因は何かと根を見てみた。
根腐れはしていないので病気や障害ではない。
そろそろ肥料を欲しがっていたのかもしれない。
Posted by woods at 2016年03月07日(月) 17時19分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 3 )
2016年03月05日(土)
チョコ [最近の蘭舎(旧)]
Posted by woods at 2016年03月05日(土) 20時37分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2016年03月04日(金)
11月21日撮影から [今日の一枚(旧)]
「緋の舞」
武吉氏出品の緋の舞。こんなに上がるのかと思うほど良く伸ばした緋の舞としては上作なのに賞に入っていなかった。
「綾小町」
出品者は特花の部へ出品していたが青の部に回されていた。これが青花かと思うほど白かった。
この花には悪いがここで銀賞を取ってしまうと本来の青が一つ落ちることになる。腑に落ちない。
Posted by woods at 2016年03月04日(金) 18時04分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2016年03月03日(木)
今日の蘭舎 [最近の蘭舎(旧)]
早くも3月となった。
日差しがきつくなるにつれて遮光資材を替えてきたが、蘭舎が3ヶ所もあると大変だ。
明るいところが15千ルックスを超えてくるのをめどに遮光資材を替えている。この時期は2週間に1度は何やかんやしている。
現在の遮光資材
第一蘭舎は遮光率70%の白色遮光ネット+不織布。
第二蘭舎は遮光率60%の白色遮光ネット+25−30%のクールホワイト。
第三蘭舎は45−50%のクールホワイト+35−40%ダイオネット黒。
第一蘭舎
70%の白色遮光ネットだったが昨日不織布(20−30%は有ると思う)を追加した。
これで11時頃明るいところで12千あった。1時頃で13千ルックス。蘭舎の平均的なところで10千ルックスくらいだろうか。
第二蘭舎
60%の白色遮光ネットだったが今日25−30%のクールホワイトを重ねた。
60%一枚では15千を超えていた。
第三蘭舎
巻き上げの45−50%のクールホワイトに25−30%のクールホワイトだったが、昨日25−30%クールホワイトを35−40%ダイオネット黒に替えた。
エビネもあるので少し強くしている。それでも11千くらいはある。
画像は加温室の蘭
ずっと言ってきたことだが、寒蘭栽培で最優先することは採光管理だと思う。これだけではいけないが、この時期適温に温度管理できれば寒蘭は自然に育つ。
寒蘭栽培の優先順位
採光管理>温度管理>水管理(乾燥対策)>施肥管理>病害虫防除管理
画像は第一蘭舎=窒素飢餓か黄金葉か?1
蘭舎を作り、冬はビニールで囲い換気扇とヒーターで5−25℃の温度を保ち、こまめな採光管理で平均的な照度を10千ルックス前後に維持していれば、水は定期的にやっても早めに多くやってもほとんど問題は無く、肥料は決まった量を決まった時期にやれば良いし、病気や虫は発生があれば消毒するので良い。
画像は第一蘭舎=窒素飢餓か黄金葉か?2
肥料の優先順位は低い。
画像の蘭はかなりな窒素欠乏だと思うが、新芽も伸びていないこれまでの時期と寒くて肥料の効きの悪い冬に肥料をやる必要があるのだろうか?3月の施肥で十分じゃ無いだろうか。自分はそう思って9月から肥料はしていない。
画像のなかの土が新しい鉢は昨年の暮れか今年植え替えした物だが、9月の一斉施肥以降に植え替えしたものには肥料はしていない。10月の頭に植え替えした蘭は5ヶ月肥料無しだ。
画像は第一蘭舎=窒素飢餓か黄金葉か?3
私の回りにはこんな人が多すぎる
水管理>施肥管理>温度管理>採光管理>病害虫防除管理
肥料が多いと水管理が難しくなる。蘭舎が暗いと根腐れに直結する。採光管理より施肥管理に優先順位が高い人は寒蘭栽培が難しいと思う。
Posted by woods at 2016年03月03日(木) 17時47分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 4 )
2016年03月02日(水)
11月20日撮影から4 [今日の一枚(旧)]
Posted by woods at 2016年03月02日(水) 22時31分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2016年03月01日(火)
3月に入ったが [最近の蘭舎(旧)]
Posted by woods at 2016年03月01日(火) 21時52分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2016年02月29日(月)
今日の蘭舎 [最近の蘭舎(旧)]
今日は久しぶりに消毒した。
結構暖かくなってきて袴の枯れ上がりが目に付きだしていたからだが、病気予防とは別に施肥前に葉面散布を一度しておきたかった。
9月の置肥から何もしていないので葉色がだいぶ薄くなっている。
液肥の潅注も考えたが先延ばしにしていたらここまで来た。3月には置肥するので葉面散布ですました。
Posted by woods at 2016年02月29日(月) 20時20分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
2016年02月26日(金)
11月20日撮影から3 [今日の一枚(旧)]
Posted by woods at 2016年02月26日(金) 13時37分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 4 )
2016年02月24日(水)
11月20日撮影から2 [今日の一枚(旧)]
懸賞部門の優勝候補
奥から「素宝」「小雪」「姫百合」「品代錦」「肇国」だったと思う。
「肇国」が一番だったが一般部門優勝の「瑞鶴」との決選投票で勝ち総合優勝となったため、「品代錦」が繰り上がり懸賞部門の優勝となった。
Posted by woods at 2016年02月24日(水) 19時50分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2016年02月22日(月)
11月20日撮影から [今日の一枚(旧)]
Posted by woods at 2016年02月22日(月) 22時54分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 3 )
2016年02月21日(日)
指標 [寒蘭の勧め(旧)]
寒蘭と土と言うテーマで書いてきたが、ずいぶんと難しいことを言うのかと思ったことだろう。それならどうしたら良いかというまとめ的な物ができていないが、化学性・物理性・生物性のそれぞれの指標的な物があれば寒蘭づくりがしやすくなるかもしれない。
寒蘭は良しも悪きも蘭菌とは切っても切れない仲にある。蘭菌はホルモンや親バルブから受け継がなくても蘭舎中に胞子がありそれが根に到達することで感染している。もちろん蘭菌が無くても育つ。
私は植え付け時にタチガレエース液剤を潅注しているが、以前は年に3回ほどしていたことがある。もう20年くらい前になるだろうか、すでに故人となったI氏にタチガレエースが「根に良い。」「腐りもなく白くなる。」「ただしやり過ぎたら芋が張りすぎる。」そんなことを聞いたと思うがそれでやり始めた。それまではダコニールを潅注していた。
詳しく聞くとI氏は2ヶ月に1回くらい潅注していた。根がきれいで葉姿も良く出来ていたので「自分ほど上手に作る者はいない。」と自慢をよくしていた。実際病気で枯らした株はほとんど無かったようだ。しかし花展示会でひな壇上段に上がったの見たことがなかった。
氏が亡くなってからのことだが、秋に競りがあり皆に氏の蘭が貰われていった。私も20鉢ほど競り落とした。この時点で氏の寒蘭は半年以上タチガレエース等農薬の潅注はされていなかった。身内の者が水だけやっていたが十分な管理は出来ていなかったようだ。
私の知り合いが4,5人いてこの時の蘭を何年か作っていたがすべての人が根が傷んで作れなかった。中にはずいぶんと枯らしたと言っていた人もある。私が一番欲しかった更紗無点の花があるが5,6芽の大株ですぐにでも展示会に使えると思っていた。これが1年ほどですべての根がきれいに無くなった。出た新芽も小さく未だに入れたときより小さな株だ。不思議だが元気なときに譲って貰った蘭は機嫌良く育っている。
ここで言いたいのは根の消毒はいったん行うと定期的に続けないと寒蘭は作り続けられないと言うことだ。蘭菌は消毒されてもペロトンから再生してくる。また他の病原菌より早く胞子の発芽で感染する。菌糸が伸び外皮や皮層細胞を貫通する。次の消毒までに菌糸が多数伸びるが消毒で菌糸がやられると貫通した穴が残ることになる。自然治癒をすると思うが、これらが繰り返されると外皮や皮層の細胞壁に多数の穴が空いてしまうことになる。病原菌や雑菌もここから簡単に入り込むことができる。そんなことにならないように病原菌や雑菌を消毒しないといけないので定期的な潅注が必要になる。
それとこんな人もいる。タチガレエースではなくジマンダイセンだったと思うが、これもしょっちゅう潅注している。たまにベンレートTもしていると思うが、根が白くて自慢だ。でも「またズボッた、また枯れたた!」と毎年何鉢も腐敗病で枯らしている。
蘭菌にダメージを与えると思わぬ病気にかかることになる。
農薬の潅注で生物性を上手くコントロールするのは難しい。それは蘭菌に思わぬところでしっぺ返しを食らうことになるからだ。
自分は年に3、4回の潅注なら上手くコントロールできると思っていたときもあったが、紹介したように払い越しや黄金葉、拗れた小苗等では従来の手法が通用しないことに気がついた。
これからは蘭菌をいかに活用するかで指標を考えてみたい。
Posted by woods at 2016年02月21日(日) 17時32分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
2016年02月20日(土)
11月20日撮影から [今日の一枚(旧)]
Posted by woods at 2016年02月20日(土) 22時46分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2016年02月18日(木)
生物性7 [寒蘭の勧め(旧)]
生物性の話が長くなったが大事な点が抜かっていた。
生物性はどこから来るかと言うことだ。
植え替えたとき新しい土にも若干の微生物は存在していると思うが、その後形作られる根圏微生物相(種類や数)はほとんどが親バルブ(葉や根を含めて)からだろう。植え付け時に消毒してもどこかには残っていて植え付け後に一気に増えてくる。
そして新芽が出るとそれに受け継がれていく。新芽が親の袴を破って出てくるときに炭そ病などは感染する。蘭菌は根が下りてくる初期の段階では感染していない。ある程度根が伸びたときに親バルブの根から間に土を介して感染しているようだ。糸状菌などは基本的に親バルブが保菌していても体内を通って新芽(新根)に感染することはない。防御機能が働いているからだ。細菌や放線菌も糸状菌と同様だろう。ただしウイルスだけは体内感染し親バルブから新芽に簡単に移行している。
また当然だがこれとは別のルートもある。腐敗病のフザリウム菌のように直近の鉢で発病があると潅水で飛散した胞子が鉢深く流れてきて、それに根の先端が触れると胞子が発芽して感染する。蘭菌もどこかで胞子が形成されていて胞子の飛散でも感染している。しかし直近の親根からの感染が早いだろう。
山苗では何年作っていても根が白くてきれいなものがある。これは微生物の種類が少なく根を茶黒くする雑菌がいないからだと思う。
そして株分けを繰り返した株は雑菌が年々多くなり新根にも同様の微生物相として移っている。消毒でそれらを少なくすることは出来ても根絶は出来ない。
私は以前から根を茶黒くしている(根被の付着物や内容物ではなく細胞壁自体が黒くなっていることがある)原因菌の一つは炭そ病でないかと考えているが、証拠を見つけることは出来ていない。炭そ病菌だとしたら山にはいないので山苗の根が白いのが納得する。(画像は炭そ病菌の胞子?)
私はこのブログで「根(根被の表面や内部)が茶黒くなるのは活発な微生物活動の結果で外皮以下が正常であれば何ら問題は無い」とずっと言ってきた。
逆に蘭や蘭菌はこの茶黒くなった物体(微生物と小動物の死骸や微生物が集めた土壌粒子など)を栄養源としていると考えられる。それによって蘭の生育は結果的に旺盛になっている。炭そ病菌も根皮でとどまっていれば最終的には他の微生物の餌となる。
問題は茶黒いのが根被にとどまらなくなった場合だ。
腐敗病のフザリウムは言うまでも無いが、炭そ病菌も大量にあれば外皮を突破して侵入してしまうかもしれない。また未知の菌が侵入していることもあるだろう。
阻害要因のところで書いたように蘭菌に問題があれば蘭菌の空けた外皮の穴から雑菌が侵入するかもしれない。
同じ栽培条件でも微生物相(種類や量)の違いで根痛みが違ってくる。
親バルブがどんな微生物相であるかはその後の栽培に大きく影響するのだ。そのため同じ品種の蘭をどこから入れても同じように作れるかというと作られないのが寒蘭だ。
寒蘭を購入する場合、親バルブがどのような微生物相であるか見定めて購入しないとバカを見ることになる。
また白い根を賞美する傾向にあるが何故白いかを解っていないと失敗する。
寒蘭の根を白くしようと消毒を繰り返すと微生物の数は大きく減ってくる。しかし完璧に根絶は出来ない。ある程度は残っている。この親株を新たな土に植えると同じように消毒を繰り返さない限り微生物の数を抑制することは出来ない。人が変わり棚が変わったとき微生物は一気に増殖することがある。
消毒で微生物の増殖を抑制してきたような株は消毒しなくなると強い菌が一気に増えてくる。弱い菌を抑えてアンバランスなこととなりやすい。弱い菌が蘭菌であったり強い菌が病原性を持っていると悲惨な結果となる。
一方で消毒が少ない親株は微生物の種類と量に均衡が保たれていて、新たに植え直しても同じように作れることが多い。
Posted by woods at 2016年02月18日(木) 06時52分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2016年02月17日(水)
生物性6 [寒蘭の勧め(旧)]
根圏微生物の種類については一般的な物はネット上に良く出来た紹介ページがあるのでそちらを見て欲しい。
寒蘭においても蘭菌以外の糸状菌、放線菌、細菌、小動物等が複雑に絡み合っていると思われるがそれぞれの微生物の働きはどうなっているかは解らない。
寒蘭の場合、根被が発達していてこれが根圏微生物の生活の場となっている。蘭菌は外皮から皮層に侵入して皮層内に定着できるが、その他の微生物は外皮への侵入が出来ない。
右は根の断面図(左半分)
@根被の表面に付着した根圏微生物もしくは微生物によって集められた死骸や土壌粒子。
A根被を浸食し内部まで侵入した微生物。
B外皮=蘭菌以外の微生物は基本的には外皮内には侵入できない。防御機能が働いている。
C蘭菌が存在できるエリア=ラン菌根菌が生育できる範囲。
D蘭菌が定着できないエリア。
E皮層内の修復痕?
蘭菌はランの共生菌と言われるが、本人たちは共生しているつもりはないと思う。
食うか食われるかの関係だ。蘭菌は蘭の貯蔵養分であるデンプンを目当てに皮層に侵入している。片っ端からデンプンを食べていると思われるが蘭菌は皮層の奥深くまでは侵入できない。本来の根の機能で侵入を抑制されているからだ。寒蘭も内皮や中心柱まで蘭菌に侵入されたらフザリウム菌に犯されるような病気になってしまうのだろう。
寒蘭は本来皮層内にため込むデンプンを蘭菌に取られているが、日照不足などで光合成がままならなくなったときは蘭菌を消化して栄養源にしている。その攻防が皮層の内部で行われているのだ。
蘭菌は蘭菌で寒蘭ばかりで無く根被内あるいは根被表面にいる微生物から直接もしくは死骸などから栄養を取っていると考えられる。
Posted by woods at 2016年02月17日(水) 20時33分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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