2016年02月07日(日)
阻害要因2 消毒 [寒蘭の勧め(旧)]
私は寒蘭の生育を一番悪くしているものは過剰施肥だと思っているが、植え替え時の根の消毒や用土への農薬潅注も土壌の生物性を損なわせて生育を悪くさせていると思う。
下の表は平成27年の農薬散布及び施肥実績だ。
ここ何年かは蘭菌のことを考えて土壌の消毒はしていない。植え付け時だけ最低限としてタチガレエース液剤1000倍液を潅注している。
古いデータは整理できていないので平成23年になるが下表が以前の実績だ。
以前は植付け時にはタチガレエース液剤のみならずアミスター20フロアブルも潅注していた。また年間2,3回全鉢への潅注もしていた。23年はタチガレエース液剤のゲッター水和剤混合が1回と単用が1回だけだが、年によりアミスター20フロアブルやベンレートT水和剤、さらに古くはダコニールなども潅注していた。
平成24〜26年の実績はこちら
農薬の使用はもちろん病気の発生予防だ。薬剤の用土への潅注はかつてやっかいな炭疽病や腐敗病が蔓延したため農薬散布で防除に努めた結果だが、今思えば蘭菌に大きなダメージを与えていたと思う。
現在の農薬では根組織内へ農薬成分が浸透して糸状菌を完全にやっつけるほど効果の高いものはなく腐敗病のフザリウム菌や炭素病菌が組織内に侵入してしまえば防除はお手上げ状態となる。
その点から農薬を潅注しても蘭菌を根こそぎ殺してしまうことにはならないが根組織の外部に伸びている菌糸は相当のダメージを受ける。しかしながらラン菌根菌は外部菌糸がやられても細胞内にペロトンが残っていれば菌糸を再生することができる。
参照:細胞内の菌糸と細胞外の菌糸
Posted by woods at 2016年02月07日(日) 18時44分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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