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2017年08月01日(火)

1.薬害の症状 [他人之褌]

資料:平成12年12月9日 宮崎県病害虫防除所 より抜粋

1薬害とは
農薬を散布した結果、作物の外観、機能、品質等に障害を受けること。 葉が枯れたり、黄化したり、枯れたりする外観的な変化は容易に観察するこ とができるのでしばしば問題にされる。一方、機能が劣る場合、たとえば光合 成機能が低下し果実の肥大が劣ったりする場合は、農薬散布との関係が分かり にくく見過ごされることが多い。

2薬害の回復
薬害症状が現れた後の作物の成長は、農薬を茎葉に散布したのか、土壌に散 布したのか、あるいは薬害の程度によって様々な経過をたどる。土壌に処理し た農薬が長期間残留し、作物が継続的に農薬を吸収する場合は、その影響は長 く続くことになる。一方茎葉散布剤の場合は、農薬の影響は一定の期間に限ら れる。葉に薬斑が生じたり、奇形葉になったとしても、通常はその後に新しい 健全な葉が抽出してくるし、一時的に成長が停滞しても、その後にまた成長を 続けることになる。ただ植物の場合は動物と異なり、一度枯れた葉や奇形にな った葉が元に戻ることはなく、枯れるか落葉するまで症状を現したままである。

3薬害と収量
薬害症状の発現は一過性であることが多い。この場合、収穫物に薬斑が生じ るものでは商品価値に影響があるので薬害として重要であるが、そうでない場 合、たとえばイネの葉における一過性の薬斑であれば薬害と考えなくてもよい 場合がある。ある程度以下の薬斑であれば、時期によっては収量に影響しない こともあり得るが、ある程度というのはどの位か、その時期はいつ頃なのかこ れは作物によっても異なり明らかにはなっていない。

4茎葉に現れる症状
1)クロロシス 葉の葉緑素がぬけて白くなる現象。葉全体、葉縁、葉脈間など様々な部位 に現れる。その色調は農薬の種類により、あるいは作物の種類により様々で、 完全な白化、黄白化、退緑色、黄緑色が観察される。

2)ネクロシス 生態の一部である器官、組織、細胞などが死ぬことを言う。クロロシスと 同様に葉全体、葉縁、葉脈間など様々な部位に現れ、形状も色調も一様でな い。 時間の経過によってまずクロロシスが生じ、のちネクロシスとなる場合が ある。また軽い症状の時にクロロシス、激しい時にネクロシスが生じる場合 がある。

3)落葉 クロロシスやネクロシスを起こしたあと離層が形成され、落葉が生じるこ とがある。このような例は果樹に多い。特にカンキツの葉は黄変または褐変 症状を伴うことが多い。

4)奇形葉 奇形葉の現れ方にはいくつかのタイプがある。 ・フェノキシ系、安息香酸系除草剤など オ−キシン活性を有する化合物では、ホルモン様症状(柳葉、捻転葉、 部分的な異常肥大)が現れる。 ・生長点がネクロシスを起こすと、周辺部から天狗巣状に芽や葉が出る。 ・展開中の葉の周辺部がネクロシスになると、葉の中央部のみが伸長して 葉がカップ状になる。

5作物の形態と農薬の付着量
農薬の付着量が多くなる部分で薬害が現れやすい。付着量は作物の形態に左 右され、特に葉、果実の表面の性質や構造の違いによる影響が大きい。ワック スの多い作物では薬液をはじきやすく付着量は少なくなる。また平面的でなめ らかな表面に比べ、ウロコ状のもの、凹凸があるもの、毛茸が密生しているも のは付着量が多くなる傾向がある。また薬液が貯留した部分では水分が蒸発し た後に、薬剤が高濃度で残ることになり薬斑が発生しやすくなる。

6農薬に対する感受性
農薬に対する感受性は同じ作物でも品種によって異なることがある。作物の ステ−ジによっても感受性は異なり、幼苗期、若葉といった若い時期は一般的 に感受性が高い。 また高温時の散布、散布後の強光などによって薬害が生じることがある。散 布前の弱光により薬害は大きくなる。弱光下では苗は軟弱になるが、このよう な苗ではクチクラ層の厚さが減少したりするため、薬剤の侵入量が増加するこ とが考えられる。また弱光下では光合成能が低下して、解毒機構の一つである クルコシド生成に必要な光合成産物が低下し、そのために害作用が強く現れる ことがある。

Posted by 管理者 at 2017年08月01日(火) 20時25分   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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