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2024年01月17日(水)

適正照度 [いつかの話]

画像(290x193)・拡大画像(1200x800)

寒蘭の適正照度については、いろいろ考えさせられるところです。試行錯誤で現在に至っているが当初考えていた根拠についてまとめてみました。

昭和40年、50年代の寒蘭ブームのさなかでさえ、寒蘭関係では学術的に研究されたものはほとんどなかった。そのなかで以前も紹介したが昭和四十五年誠文堂新光社発行の「カンラン 寒蘭の美と栽培」の中で当時高知大学農学部花卉研究室の助教授だった澤完氏が寒蘭の学術的な記事として「カンランの植物学的位置」「カンランの花・茎・葉・根」「カンランの繁殖」を寄稿している。大学でカンランを研究していたのが唯一澤先生だった。 
この本の中では光合成に関する記述はなかったが、澤先生の別の論文の中で、気孔の開閉について書かれた物があった。「カンランでは1,000lx程度の白色光では気孔はほとんど開かないままで、2,000lxを越え光量が大となるほど気孔開度は大となり、1万5,000lxほどで最大となる。」と言うものだ。自分はこの最大気孔開度の1万5,000lxを確保するのが寒蘭栽培を向上さすものだと考えた。ただし光合成が最大になる光飽和度についてはどこにも無かったので次のように推定した。
 
一般に蘭類の光合成は30,000lx前後で最大となるので寒蘭もこのあたりでは無いかと思う。蘭によっては50,000〜60,000lxのものもある。照度は光合成の光飽和度以上にあることが望ましいが、寒蘭の場合は照度が高いと簡単に日焼けしてしまうので30,000lxまで明るくすることは難しい。

真冬や早朝は30,000lx近くあっても良いと思うが、気温の上がる5月以降は葉焼けをしない照度にしないといけない。この照度を私はかつては15,000〜20,000lx程度と見ていた。ただし最大値であり最大値をこのあたりで管理すると蘭舎の構造にもよるが実際に寒蘭が受ける昼間の平均的な照度は7,000〜10,000lx位になっていた。


画像(290x193)・拡大画像(1200x801)

農業で光合成を計る場合は圃場全体の光合成量(収量)につながる水平面に当たる照度を見ている。太陽を直接計ると冬と夏の差はあまり大きくない。しかしセンサーを水平にして計ると冬で30,000lx、夏で100,000lx位の差が出てくる。ビニールハウスで作物を栽培すると地形的な要因とハウスの向き(東西向きか南北か)などでこの水平面で測定される照度が違ってくる。冬場に栽培される作物は地形やハウスの構造で光不足となる場合が少なくない。イチゴなどは光飽和度は30,000lxと寒蘭とあまり違わない。キュウリやナスでも40,000lx〜50,000lx程度である。光飽和度以下の照度となることがままならない。それで思ったほどの収量が得られないのだ。
蘭棚でも水平面で照度を計りあまり暗くなっていないか確認して照度管理する必要がある。

Posted by woods at 2024年01月17日(水) 04時47分   トラックバック ( 0 )   コメント ( 5 )

コメント

拝見しました。
こういう検索で一覧できるのはすごく便利だと思います。
この方法は知りませんでした。
改めて記録と言うのは大事だという事に気づきました。

私のラン舎からすると相当に明るいです。
飽差度はwoodsさん方式をまねて昨夏はだいぶ改善されましたので、今年は屋根を交換して照度計と睨めっこして、明るくして栽培したいと思います。
これからも情報を可能な範囲で教えてください。
ありがとうございました。

aino 2024年01月23日 14時26分 [削除]

屋根材はポリカ波板です。乳白ですが透明と透過率は同じです。90%近かったと思います。
第一蘭舎は前面ポリカ波板張りです。光は遮光資材で調整するというのが基本でした。
「もうひとつのWoodynote」に新第一蘭舎建設記録があります。参考にしてください。検索でカテゴリーを新第一蘭舎建設記録を選択し全ての期間で検索してください。

woods 2024年01月22日 16時16分 [削除]

お聞きします。
woodsさんのラン舎の天井はポリカの波板のように見えますが、これは透明でしょうか?乳白色(半透明)でしょうか?
近いうちに天井を張り替えようかと思っているのですがアドバイスをお願いします。
朝9時くらいから夕方まで日当たりは良いです。
夏場は日本一暑い熊谷ですのでかなりの日差しです。

aino 2024年01月22日 12時22分 [削除]

そうゆうことですね。照度が高くなるのは同時に葉温も上がってくるので葉焼けが発生します。照度と飽差は直接には関係しませんが、明るくなって室温が上がってくると反対に湿度が下がってくるので飽差的に光合成が出来なくなると言うことです。また光合成をしている間は気孔から水の蒸散作用で葉温を下げています。同じ明るさでも葉焼けの程度は違ってきます。
15000〜20000LXと2000〜3000LXでは光合成量に10倍以上の差があります。

woods 2024年01月18日 13時28分 [削除]

こんにちは。
学術的な話でいつも非常に参考になります。

私の解釈ではランの鉢の横あたりで照度計を水平において15000〜20000LXくらいに保てれば光合成が最大に行われるという事でしょうか?
これ以上、照度が高くなると飽差度的に光合成が行われなくなり、葉焼けの原因にもなる。
逆にこれ以下の場合は2000〜3000でも光合成は行われるが、照度不足のため育ちが遅くなるという解釈で良いのでしょうか?
稚拙な文章でスイマセン。

aino 2024年01月18日 11時04分 [削除]

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