2018年06月13日(水)
肥料3 [寒蘭の勧め(旧)]
肥料を光合成管理の視点から考えたとき、
溶液として見るのが一番良いだろう。理解しやすいと思う。
環境制御型農業では土を使わない。根を保持するのにロックウールが多く使われていてその下にある溶液槽に根がびっしりと張っている。
寒蘭も用土は身体を保持するだけで根の回りに溶液が常に満たされていると考えると肥効の仕組みがよく解るかもしれない。
実際はそれ以外の要素も複雑に影響するので簡単ではないが、基本として置き肥は鉢サイズにより施用量が変わることは理解して欲しい。
画像の鉢は私が今メインに使っているものだ。
左から
プラ鉢4.5号
プラ鉢5号
陶器鉢の5.5号(裾広蘭鉢)
陶器鉢の6号
陶器鉢の6.5号
実際これらの鉢に用土がどれだけ入るかを計ってみた。
下の表のようになった。1リッターから3リッターまででちょうど0.5号毎に0.5リットル増えていた。
ここで三相構造が必要になってくる。過去記事に載せているので見逃した人はもう一度見てください。
施用した肥料の多くはこの液相に溶け出して根から吸収される。上の表はこの液相を30%ととして算出した。0.3リットルから0.9リットル。0.5号大きくなるにつれて0.15リットル増えている。
養液栽培では季節や成長過程で変動させているが、日々一定した肥料濃度を求められている。
ここまで言ったら解ると思うが、液相の水分量に応じた置き肥量にしないと液相内の肥料濃度が違ってくる。一定にするためには鉢の大きさにあった施用量にしないといけないのだ。(実際には潅水量などで違ってくるが基本はサイズ毎に量を加減することだ)
なお、液肥の潅注であれば鉢のサイズは考えなくて良い。余分なものは鉢に残らず流れ出てしまう。
Posted by woods at 2018年06月13日(水) 19時42分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
コメント
潅水後残った水(液相)には肥料由来の硝酸塩、リン酸塩、カリウム塩などが溶け出します。特に硝酸塩が浸透圧を高めます。この度合いがEC(電気伝導度)と言いますが測定可能です。作物毎に適度なECがありそれを超えるところで根痛みを起こしています。液相が鉢のサイズで違ってくるので溶け出す肥料成分を一定にするにはそれに応じた施肥量にしないといけないと言うことです。
また過剰な肥料は、アンモニア→亜硝酸→硝酸への移行が上手く行かず亜硝酸が過剰に生成される場合があります。この亜硝酸は植物にも有毒で特に袴や新芽を痛める原因にもなっています。
一枚目写真の新芽がすごく綺麗ですね。ゆっくり眺めながらお酒が飲めそうです(笑
施肥量は鉢の大きさ(用土の量)に併せる理屈が分かりやすく読むことができました。あとは植替え直後や調子の悪い物には控えていれば施肥による傷みは心配ないですね。
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