Woody note

土佐寒蘭の栽培を趣味にしているWoods@管理人のブログです。

9

2011


        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

検索


カテゴリーリスト

広告

2011年09月15日(木)

病気の見分け方2 [寒蘭の勧め]

腐敗病(フザリウム)の画像をアップしないで病気の見分け方というのもおかしいですが。

もしフザリウム菌ならスボ抜け症状の葉を引き抜いてビニール袋に入れておけば、3日もしたらカビだらけになってしまいます。
それとこの画像のように腐ったところからはフザリウムの胞子がうじゃうじゃ出てきます。

画像(400x320)・拡大画像(1200x960)

画像の右上にかたまって見える三日月型の細胞がフザリウム菌の大型分生胞子です。
予防方法について質問がありましたが、予防するには、まずはどのように感染し発病するかを知ることですね。


寒蘭におけるフザリウム病の発生メカニズムは、私の推定の部分も入りますが・・・

この胞子は水で簡単に運ばれる。灌水で周りの鉢に飛び散り、土の中に流れて行くと、多くは死滅するが、運の良い胞子は目の前に根が近づいてくるとその刺激?で発芽し菌糸が根の中に侵入する。菌糸が根の中心の導管まで伸びてくるとその中で胞子を作る。この胞子が水の流れにのりバルブまで届くと、バルブの中で発芽し繁殖することで地上部を犯してしまう。これがスボ抜け症状として現れる。ただこれだけに留まらず、バルブの連結部を通してバックバルブまで感染し発症してしまう。最後には株全体が腐ってしまう。

菌が侵入できるのは根の先端の伸張中の根冠部のようだが、何らかの原因で傷があると傷口からも侵入してしまう。

スボ抜け症状は新芽に起こるが、これは新芽の根がフザリウム菌に犯されやすいとことに起因していると考えられる。2年生以上の根には先にラン菌が定着していて、糸状菌同士の拮抗作用でフザリウム菌を抑制しているようだが、1年生の根は最初は無菌であり、ラン菌を取り込もうとしているため、同じ糸状菌のフザリウム菌には無防備で簡単に侵入されてしまうのではないだろうか。

また、古い根であってもなんらかの原因でブザリウム菌の勢力が強まってしまうと菌糸が侵入してくる。2年生以上のバルブではズボ抜け症状は見られないが、代わりに、葉がバルブの元から黄化し少しの刺激でぱらりと落葉する症状が見られる。道管やバルブの中で菌糸が増殖してきて道管を詰まらせてしまい、地上部に水を送れなくしてしまうからで、初期症状として葉が何となく生気を失せて萎れてくる。こちらもバルブの連結部を通してバックバルブも感染してしまう。(反対にバックの方から症状が出て新しいバルブに移っていくこともある)

フザリウム病で問題になるのが、発病したら株全体が枯れるまで収まらないことだが、これが1〜2ヶ月の短期間に留まらず年を越えて発症していくことがある。
それと2年生以上の根では感染してから発病するまで長期間(数ヶ月から数年)かかっているようだ。
さらにやっかいなのは、発病した株の残渣が感染元であるばかりか、胞子の状態で越年し数年間は感染する危険性を持つことである。
胞子はほとんどが数ヶ月以内に死滅するのだが、なかに厚膜胞子となって数年生きながらえる物がある。この胞子もそのままでは、土の中で栄養となる物がない状態では発芽しないが、根が目の前に近づいてくると根から分泌される養分で発芽し根を犯してしまうこととなるのだ。

残渣は発病株を処分すれば良いが、厚膜胞子が潜む可能性のある土や鉢は新しいもか消毒済みのものを使用する必要がある。
これでも完璧でなく、親バルブのどこかに付着している可能性もあり、いつか土の中にこぼれて根に遭遇するかもしれない。とてもやっかいな病気なのだ。

9月25日加筆
腐敗病は、症状的に急性なもの慣性なもの色々ありなかなか判断が付きにくいと思いますが、スボ抜け症状を認めたときは速やかに正常な蘭から遠ざける、隔離すると言うことを徹底し、繰り返すことで根絶できる病気です。
腐敗病かただのズボヌケかと思いながら何時までも蘭舎に置いておくことが、この病気を蔓延させている大きな要因です。

Posted by woods at 2011年09月15日(木) 21時52分

コメント

tamaさん 質問はコメントでしてもらった方がありがたいです。ブログの話が前に進みます。
コメントで質問がないと私の一方的中途半端な書き込みで終わってしまい、皆さん消化不良になっていると思います。
これからもよろしくお願いします。

woods 2011年09月23日 06時35分 [削除]

追加のアドバイスありがとうございます。本当はQ&Aの中でやり取りすればよっかたのでしょうがこのような形になってしまいすみませんでした。今後はこまめな観察と病気株の早期隔離を心がけます。

tama 2011年09月21日 22時38分 [削除]

tamaさん
あまり消毒に神経質になるとしんどいので消毒は深く考えない方がいいですよ。症状の出た株があったら予防的に周りの鉢に灌注する程度で良いと思います。
感染は胞子が飛散して行くことで起こっていますので、発症株から胞子が出ない内に隔離することを繰り返していくことで予防できます。
灌水で飛散するようになる胞子は、罹病した組織上に菌糸がある程度繁茂してこないと形成されませんので、出来る限り蘭舎に足を運んで初期の疑わしい時点で隔離していれば根絶できる病気です。この病気を蔓延さすのは、病気の発生消長をしらないか(知らないと仕方ないですが)、あるいは怠慢で、病株を蘭舎にいつまでも放置して発病株に菌糸を大量に発生さしているところにあります。

woods 2011年09月20日 20時04分 [削除]

予防には発病した株の隔離とこまめな消毒に限るのですね。いろいろな方のご意見ありがとうございました。今後もよろしくお願いします。

tama 2011年09月19日 13時29分 [削除]

Nさん こんばんは
普通のフザリウムはどこにでもいると思いますが、腐敗病を起こすフザリウムは寄主植物によって少しずつ分化しています。ある植物には病気を起こすがこの植物には全く何ともないとかです。ただ普通のフザリウムでも寒蘭が弱っているときなら侵されてしまうかもしれませんね。

シンビジウム腐敗病を起こすフザリウム菌がいるとどうしても良くないです。根絶した方が良いですが、農薬で完全に滅菌は不可能です。そもそも農薬の性質上、浸透移行性や残効性が高く体内の菌まで殺してしまうような強力な薬剤は開発されません。
薬剤がとどく(かかる)範囲で菌密度を下げるだけです。
基本は耕種的防除です。病株を蘭舎から出すを繰り返すことですね。
それと大変な病気には違い有りませんが、蘭舎の蘭が全滅するほど発病率は高くないです。それが救われていますが、どうしてか大事な蘭ほど枯れてしまう傾向があります。

動物や人の治療薬に根絶できるものがあるかもですが、いかかですか?
かつては赤チンが農薬がわりに使われていました。

寒蘭を希少種にしているのはラン菌でしょうね。寒蘭に特異なラン菌だと思うのですが、フザリウムはライバル的な位置にいて寒蘭とラン菌との共生を攪乱しているのかもしれません。

woods 2011年09月19日 00時27分 [削除]

woodsさん こんちわ

間違ってるかもしれませんが、、
今まで自分の棚で見てきた浅い経験と調べた結果では
フザリウムは糸状菌の一種で土壌の常在菌の一つだと思ってます。
だから元気な蘭でも土を調べれば必ずフザリウムは居ると考えてます。
それが土壌の菌類のバランスの崩れや寒蘭の調子が悪いなど何らかの原因で爆発的に増殖するのだと思います。

だから自分はフザリウムの完全滅菌など無理なのであまり躍起にならずにフザリウムにかからない元気なランに育てようと心がけてます。みなさんそうでしょうけど、、
もちろんフザリウム感染を見つけたら隔離しますけどね。

ひょっとしたらフザリウムなどは寒蘭を希少種たらしめている、あるいは寒蘭の爆発的増殖を抑制する自然のシステムのパーツの一つではないかと思うこともあります。


N 2011年09月18日 12時20分 [削除]

satoさん おはようございます
腐敗病はズボヌケ症がフザリウムかどうかの判断の遅れが取り返しの付かない蔓延の原因となっています。(スボヌケは灌水時に気が付くと思いますが、そのとき水をかけてしまうか、直前で止めるかで感染が全然違ってきます。水を掛けてしまえばフザリウムなら周りの鉢に感染してしまったと言う事になりかねないです。)

疑わしい物はとりあえず外に出すことですね。それと自然治癒力も当然あると思いますので、植え込みの下に植えておくことは良いことですよ。

顕微鏡はヤフーのオークションで中古が安く手に入ります。挑戦してみる価値がありますよ。検鏡方法でわからないことがあったらいつでも相談に乗ります。実際私のもヤフーで落としました。(3万5千円くらいだったかな)

woods 2011年09月18日 08時35分 [削除]

woodsさん、クラブの皆さんおはようございます。
私は葉がバルブ辺りから枯れたらフザリウム菌を疑い1年位隔離(外の木陰に野ざらし)しています。woodsさんの様に顕微鏡などで判断できれば良いのですが・・・

sato 2011年09月18日 08時09分 [削除]

フザリウム病はもっとも難防除病害で、現在の所この菌により病気になったものを治療出来る農薬が無いのが実情です。
防除の基本は発病株や感染が疑われる株の隔離で、早期に症状を見極めて出来るだけ早く蘭舎から外へ出すことです。
ズボヌケとなった時点では腐ったバルブに大量の胞子が出来ていますので、この胞子を他の蘭に移さないよう病株を隔離してください。

一度感染すると発病までに時間がありますが、これも止めることは困難でいつか発病してしまいます。発病を認めたら外へ出すことを繰り返すことで蘭舎から病気をなくすことができます。

胞子が飛散して他の蘭に移るまでの間の感染予防として、タチガレエース液剤やベンレートT水和剤を使用しますが、十分な効果を出すためには感染までの間に処理する必要があります。

これ以外に予防効果が期待されるのが、キトサンの灌注による根域環境作りがあります。

(腐敗病については関係する資料をWoods倶楽部に置いていますのでそちらを参考にしてください)

woods 2011年09月18日 07時23分 [削除]

 詳しいご説明ありがとうございます。ズボヌケの仕組みが何となく分かったてきたような気がします。3年程前、外部から持ち込んだ株にズボヌケが発病してから、蘭舎内で頻繁に発生しているようです。私の蘭舎には菌が蔓延しているということなのでしょうか。殺菌は2カ月に1回程度ですがもっと殺菌の回数を増やせば防止できるでしょうか。(夏場は月2回くらい?)ちなみにどのような殺菌剤がフザリウム菌に有効でしょうか。ご教授よろしくお願いします。

tama 2011年09月17日 20時22分 [削除]

コメント投稿フォーム

名前:(この情報をCookieに保存させたい場合にチェック)
メールアドレス: (表示はされません)
URL: (名前にリンクされて利用されます)
コメント:
パスワード: (削除時に利用)

トラックバック

トラックバックURL

http://www.tosaran.com/ablog/tb.php?ID=951

ページのトップへ ページのトップへ

広告

最近の記事

最近のコメント

リンク集

RSS1.0 RSS2.0

[Login]


powered by a-blog
Copyright (C) 2010 Tosakanran's Site Woodynote All rights reserved.