2011年08月17日(水)
気孔 [寒蘭の勧め]
このシリーズはカテゴリー「寒蘭の勧め」として書いています。
寒蘭を栽培するに当たって参考になる考え方や根拠を載せようと思っています。(あとで見返すときはカテゴリーで見るといいです)
寒蘭栽培で最も参考となる記述を紹介します。
農業の専門書(どの本だったか忘れた)からコピーしていたものですが、これも澤先生が書いたものです。
1.「気孔の開閉と葉焼け」
この気孔の開閉は葉焼けとも密接な関係がある。真夏に灌水を怠り,ハウス内の換気が悪いときなどに葉焼けを起こしやすいが,これは根部すなわち鉢内の乾燥が大きな要因となる。ランの植物体は,50℃になれば5〜10分ほどで組織は死に至るが45℃程度までは長時間でなければ死ぬまでには至らない。しかし根部が乾燥すると植物ホルモンのアブシジン酸が増加し,これが気孔を閉じさせて植物体外への水分の損失を防ごうとする。その結果葉からの蒸散が行なわれなくなるので,水蒸気になるさいの水が気化熱を奪うことによる葉温の低下が行なわれない。したがって太陽光が葉に垂直に当たる部分の葉組織は熱線により温められ葉温は気温よりも高くなり,50℃前後にまでも上がることにもなりうる。そうなれば葉中の蛋白質,すなわち各種の酵素が変性し,その部分の葉組織は枯死し,白い斑紋となる。逆に灌水により根部に十分な水分があり,気孔が開いていれば直射光下でも葉焼けにはなり難い。
2.「気孔の開度と光合成」
光の照射量は光合成の反応を進めるためだけでなく,気孔の開度にも影響する。この点に関しては従来あまり問題にされていなかった。すなわちランが弱光下で生育の悪いのは,光合成に必要な光エネルギー量が不足することが重要視され,弱光下では気孔がほとんど開かないためにCO2が葉内に入り難いことが光合成を制限する前段階の要因となることが軽視されていた。この気孔の開度がどの程度光合成量に影響しているかについては今後の課題である。
たとえばカンランでは1,000lx程度の白色光では気孔はほとんど開かないままで,2,000lxを超え光量が大となるほど気孔開度は大となり,1万5,000lxほどで最大となる。
1.どうして葉焼けを起こすか→水分があって気孔が開いていれば葉焼けは起こさない
2.照度と気孔の密接な関係→暗いと気孔は開かない
この二つから葉焼けを防ぐためには十分な水+明るくしなければならない
と言うことで次の記事は照度計の勧めになります(^_^)
Posted by woods at 2011年08月17日(水) 21時19分
コメント
こんばんは
参考になって嬉しいです。
照度計の勧めを少し書いてみました。サイトの中では今までにいろいろと言ってきたと思うのですが、改めて根拠の資料と自分の実践を照らし合わせて系統だって書くのは難しく思いました。
続きは支離滅裂になるかもしれませんがお許しください。
「水分があって気孔が開いていれば葉焼けは起こさない」、理論の裏づけの有るこの事、まさに目からうろこです。
こんばんわ
私の寒蘭栽培で生育が一変した事と言えば
woodsさんのサイトにたどりつき、ページ内を読んでいるうちに気孔、光合成、ルクスなどのことを実践栽培しておられるwoodsさんを参考にしながら、棚を明るく明るく栽培したところ見違えるように生育しだしたことが夢のようでした。
このことで何人もの人がきっと上達したのでしょう。そして皆が今の栽培レベルに至っているのではなかろうかと思います。
私にとっては照度計は必携ということで、
次回の照度計の進めの記事を楽しみにします。
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