2011年08月08日(月)
寒蘭の根 [寒蘭の勧め]
先の本の中で「根の構造」と「ランと根菌」が詳しく記述されている。
このカ所を改めて読んでみるとなるほどと感心する。
顕微鏡写真を撮ってみた。
輪切り状の根である。
カメラに入りきらず画像は丸い根の左上1/4位しか写っていないが、右下の黒い丸が中心柱、維管束が走る本来の根の部分。大部分を占める白っぽい細胞は皮層。皮層は一層の細胞層である内皮と外皮に挟まれている。外皮の外側の黒い層はスポンジ状の細胞からなる根被。
若い根の先端にはさらに根被の外側に表皮がある(伸張中の水晶状態の所)。
拡大して見ると根菌(蘭菌)が見える。
さらに拡大。
蘭菌であるリゾクトニアの特徴を示す菌糸がはっきりとわかる。
この場所は若い根の先端から3〜4センチくらいの所。根の先端は表皮があるため蘭菌は侵入できず見ることは出来ないが、この当たりでも蘭菌が見つかる頻度はあまり多くない。
菌糸の先端部分。
さらに先端。
細胞内に留まっているが、伸張しているか?
別方向の菌糸の先端部分。
消滅している感じである(菌糸は左下)。
別の先端。
近くに塊(デンプン?)のある細胞が見られる。
あるいは消化吸収中の菌糸か。
菌糸の先端部分で何か出来ている。
(本では炭水化物のトレハロースやリボ核酸と記述されている)
別角度。
外部から根に侵入する蘭菌菌糸。
黒く見えるのは根被。
根被を突き破って皮層に侵入した菌糸。
根に付いては、栽培管理上重要な点がいっぱいあるので、後日私見を書かせてもらいます。
今回は40年以上前に、寒蘭を細かく観察し研究していた澤先生を改めて凄いなと思い、紹介させてもらいました。
Posted by woods at 2011年08月08日(月) 05時11分
コメント
皆さんコメントありがとうございます。
期待に添えるよう、これからも色んな画像をアップします。
woodsさん、倶楽部の皆さんこんにちは。
本で根の構造は見たことがありますが、蘭菌の写真や何処に多く付いているのかは知っている方は少ないのでないでしょうか。また私は硬いけど茶色の根、病気の灰色の根、スカスカの根等、断面がどうなっているのか写真が見てみたいです。
植替えの時でも見えない所、一生目にすることの無い部分に蘭菌が入り込んでいる画像、面白いです。
重要な根ですが普段は見えず、悪くなっても後の祭りで、思い通りにならないです。
woodsさん、こんにちは。
いつも貴重なお話しをありがとうございます。
続きを楽しみにしています。
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