2012年08月17日(金)
この時期の作業 [寒蘭の勧め]
残暑も厳しいですが、私は盆を過ぎたこの時期から集中的に新芽が出なかったり、生育が遅れているなと思う鉢を植え替えしています。
以前も紹介したことがあるかと思いますが、今はこんな感じでやっています。
この株は今年新芽が付かなかった。
うつしてみると、根数が多く茶黒く変色しているところはあるものの腐ったり傷んだヶ所はほとんどなかった。
根の先端が白く現在伸張中のものも何本か見られたが、全体的に無駄に根数が多かった。
一見、問題ないようだが、新芽のでなかった原因に根の老化が有るのかなと考えられた。新芽が付かないのは根の老化で植物ホルモンのサイトカイニンの生成が抑制されているのかもしれない。
そのため、バックバルブを一芽外すとともに、先端が伸張していない根の内、やや茶黒くなっていた所を剪除した。
地上の生育のため、根の活性を高めることは大事なことで、腐ったり傷んだりしていないので通常なら切り取らなくても良いところも切り戻すことで再生をはかった。
この時期の植え替えで特に注意していることは、植え付け後の活着を良くするため、根痛みを軽減するために使用する土をあらかじめ湿らせておくこと。
あまりこんなやり方をしているのを見かけないが、前もって配合し水をかけておくと土が馴染み、植え付け後に根に負担をかけなくなるので、是非やって欲しい。私は箱に配合土を入れ灌水しているが、少数の場合は鉢に土を入れて準備しておく良い。灌水の時に一緒に水掛をかければ簡単だ。
次ぎに、バルブの接合部や根の剪除ヶ所は癒合剤(接ぎロウ)で保護しておく。傷口からの病気の侵入を防ぐ。
その後は植え付けし普通に灌水するが、灌水後に病気予防と発根促進のためタチガレエース液剤を1000倍程度で灌注する。この時、昨年からキトサン剤のキトチンキを1000倍になるよう混合している。
これにより植え付け時のトラブルは防ぐことが出来る。
タチガレエース液剤やキトチンキはフザリウム菌による腐敗病予防も目的にやっているが、蘭舎内にフザリウム菌が蔓延するとこれらでは防ぎきられないので、腐敗病に対しては別途蔓延予防対策をとっていることが必要不可欠。
Posted by woods at 2012年08月17日(金) 18時53分
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