Woody note

土佐寒蘭の栽培を趣味にしているWoods@管理人のブログです。

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2011年08月15日(月)

これもラン菌か? [寒蘭の勧め]

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根の構造のところで観察したサンプルに、先に観測した、第一タイプや第二タイプのラン菌の塊よりも大きな塊を見つけた。

輪切りのほぼ中央に黄色い輪が見える。皮層の20〜30%を占める部分がやや黄色が濃くなっている。

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【上の輪切りの根を検鏡】
黄色のが濃く輪になっているところは、細胞内にぎっしりと黄色の塊が入っていた。

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【上の拡大】
大きな粒子が確認されるが菌糸が見つからない。

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これもラン菌根菌かと菌糸を捜索。
ネットワークの菌糸らしき物を確認。

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近くには発達途中のラン菌根菌が見つかった。

澤先生の記述では【消化中の根菌】となっているが、黄色の塊は【ペロトン】のようだ。

「細胞内いっぱいに増殖したベロトンは消化吸収されて菌糸だけが残る。残った菌糸からベロトンが再生される。」ようだ。

Posted by woods at 2011年08月15日(月) 05時30分   パーマリンク

2011年08月14日(日)

地表の根 [寒蘭の勧め]

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地表に出ている根を観察してみた。

寒蘭の根が白く見えるのは根被細胞に空気が入っているからで、その空気に光が乱反射して白く見える。


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地表面に出ている根を輪切りにしてみた。中は緑色になっていた。
これは根被を通過して光が皮層に入り込むため、葉緑素が生成されるためである。(これも澤先生の記述通り確認できた)

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顕微鏡で観測するために水を含ませると根被は白く見えなくなる。

皮層の中には葉緑素の緑が見える。

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【上の緑のヶ所を拡大】
細胞の中に葉緑粒が見られる。

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【さらに拡大】
細胞の中に葉緑粒が沢山入っている。

Posted by woods at 2011年08月14日(日) 05時01分   パーマリンク

2011年08月13日(土)

根の構造 [寒蘭の勧め]

澤先生の記述から
「根の最外部はヴェラーメンといわれている根被で覆われている。
根被は数層の細胞層よりなり、その細胞には内容物がなく中空になっているので、ちょうど海綿のように水を吸い込んで水を貯えることが出来る。この細胞の表面(細胞膜)には網目状に肥厚した部分があり、それが斜めに交差した網目模様を呈している。細胞が給水したときにはその網目が広がるのが観察される。これは網袋で細胞を包み、吸水しすぎによる細胞の破裂を防ぐ働きをしている。根被細胞はこの貯水作用の他に、そとからの機械的な刺激から根を守り、根が傷つくのを保護する役目もある。」

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【画像は5〜6年生の根の付け根当たり:成熟根】
根被が白く見える。

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【輪切り状態】
この部分は表土近くで比較的乾燥しているため、根被は乾燥して空気が入っている。
中心柱もしっかりしていてはっきり見える。

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【こちらは幼根の先端】
根被は水分を含み皮層細胞と同じように半透明である。

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【根被】これ以下は先の成熟根の画像
根被部分。右が外界だが、表皮は見られない。
若い根の先端には表皮が存在する。

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【上の拡大】
ヴェラーメンがよく見える。

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【皮層と中心柱】
中心柱近くの皮層細胞には内容物がほとんど見られない。

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【中心柱の拡大】
皮層と中心柱の境には一層の内皮が確認できる。
中心柱には中央部の細胞の塊(随)の周りに維管束が走っている。
この時点では維管束の道管と師管は空で向こうが見えていた。
大きい穴が道管で小さな穴が師管でしょうか?

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【別カット】
こちらの維管束には空気が入って泡状に見える。

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【上の拡大】
フザリウム菌はこの道管に菌糸を伸張させる。
「菌糸が蔓延すると道管が詰まり水が上部に行かなくなる。そのため葉の元が枯れて落葉する。」と言われています。私は未観察。


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【幼根先端の根被】
古い根とだいぶ違っている。
外界との境がなめらかで最外部には表皮のような細胞が確認できる。

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【成熟根の外皮部分】
上の黒っぽい細胞が根被。その下に一層の外皮がある。外皮の所々に水を通す通過細胞がある。外皮の小さな細胞がそうだろうか。

澤先生の記述から
「カンランの根には根毛がなく(根の発生初期にはあるがまもなく消滅してしまう?)養分や水分は根被細胞を通じて吸水されている。このためハイポネックスなどの化学肥料を施す際には充分注意しなければならないことがある。それは植物体に影響がなさそうな濃度の液肥を与えたとしても、その後、鉢内が乾燥するにつれて、液肥を吸った根被細胞内での水分は内部への移行のみ行われ、それを補充すべき外からの水分の供給が少なくなり、その結果、根被細胞内の液肥の濃度が高くなり、結局、高濃度の液肥を外皮に施したと同じ状態になって濃度障害を引き起こすことになる。したがって、鉢内が乾燥しないように常に注意して管理するならば普通の草花と同程度の濃度の液肥を施してもかまわないが、それには手間がかかるし、逆に加湿になりやすい。したがってランに化学肥料を施すときは、草花などに施用するときよりも三〜五倍に薄め、そのかわりに施す回数を多くして灌水代わりにかけるようにすることである。」

自分は入門当時この本を読んだため、基本的に化学肥料や液肥の施用はしてこなかった。

Posted by woods at 2011年08月13日(土) 16時26分   パーマリンク

2011年08月11日(木)

ラン菌根菌3 [寒蘭の勧め]

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新芽の根に【M:消化中の根菌】は見られないかと思い観察してみた。
根の先端部分に菌糸を発見。

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上を拡大。

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根被をスライスして検鏡してみた。
リゾクトニアらしき菌糸がびっしりと張り付いている。

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根被に張り付く菌糸。

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上の拡大。
菌糸が何本か根被に侵入している。
(根被でラン菌を捕らえている感じだ)

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皮層には菌糸は見られなかった。
今回も消化中の根菌らしきものや、二年生や五年生に見られた菌のネットワークは見つからなかった。

(皮層でラン菌根菌を飼うにはしばらく期間がいるのだろうか?)

これらの観察の中で澤先生の記述を確認することが出来たが、新芽の根では外部から入ってきたと思われるリゾクトニアの菌糸は見られたが消化中の塊やネットワークは見つからなかった。
二年生の根と五年生の根で【消化中の根菌】が確認でき、また二年生は少なく五年生が多くなっていた。

(これらの結果がどういうことなのかいろいろと考えさせられた。カンランは1年目に外部のラン菌根菌を捕らえ、根の中で何年も飼いならし増やし、それにより栄養を取っているのだろうか?)

Posted by woods at 2011年08月11日(木) 05時28分   パーマリンク

2011年08月10日(水)

ラン菌根菌2 [寒蘭の勧め]

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二年生の根を観察してみた。
根のほぼ中間。

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ここにも数は少ないが【M:消化中の根菌】が見られた。
根被の近くにある。数も少ない。

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菌糸のネットワークは少ない。
右上が根被であるが、そちらに向けて菌糸が張っていた。

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上の拡大。

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その先の根被の外側。
菌糸らしき物が見えた。

Posted by woods at 2011年08月10日(水) 06時05分   パーマリンク

2011年08月09日(火)

ラン菌根菌 [寒蘭の勧め]

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先の検鏡では、この図の【M:消化中の根菌】が見つからなかった。
澤先生の記述では「この根菌の主役をなすものはリゾクトニア・レペンスという不完全菌で、これがランの根の中に侵入して皮層の細胞内で増殖し消化吸収されるのである。一般に根菌は若い根の先端部分では表皮が堅いためか中へ侵入できず生存していない。また古い根にも見られない。さらに季節によって皮層中での根菌の消長が見られる。すなわち、春から夏にかけては皮層中に多くの根菌が観察されるが、夏から冬にかけてランにより消化されてしまい、冬から春にかけてはほとんどみられなくなる。」
こう書かれている。

このため、自分は二年生以上の根は見ず、新芽の根だけを観察していた。
また、澤先生はラン菌のことを根菌と言っているが、現在では「菌根」http://cse.ffpri.affrc.go.jp/akema/public/mycorrhiza/mycorrhiza.html菌と言うらしい。ラン菌は「ラン菌根菌」。

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【M:消化中の根菌】
イラストの根菌と同じような物が見つかった。
今までは、芽かきでかいだ新芽の芽ばかり観察していた。
この画像は五年生のバック木の根の中程を見たものだ。
皮層の細胞内に塊があり、細胞と細胞との塊は菌糸がネットワーク状にに繋いでいる。

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上の拡大。

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別のタイプの塊。
上と同じようにネットワークで繋がっている。

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これらが見られたのは皮層の中程である。
中心柱の周りには全くなく、根被からもやや離れていた。また全体に均一でなく一部に偏ってあった。

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上の拡大。
大きな物が後のタイプ。
中右方向に先の小さなタイプがある。

Posted by woods at 2011年08月09日(火) 20時58分   パーマリンク

2011年08月08日(月)

寒蘭の根 [寒蘭の勧め]

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先の本の中で「根の構造」と「ランと根菌」が詳しく記述されている。
このカ所を改めて読んでみるとなるほどと感心する。

顕微鏡写真を撮ってみた。
輪切り状の根である。
カメラに入りきらず画像は丸い根の左上1/4位しか写っていないが、右下の黒い丸が中心柱、維管束が走る本来の根の部分。大部分を占める白っぽい細胞は皮層。皮層は一層の細胞層である内皮と外皮に挟まれている。外皮の外側の黒い層はスポンジ状の細胞からなる根被。

若い根の先端にはさらに根被の外側に表皮がある(伸張中の水晶状態の所)。

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拡大して見ると根菌(蘭菌)が見える。

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さらに拡大。
蘭菌であるリゾクトニアの特徴を示す菌糸がはっきりとわかる。

この場所は若い根の先端から3〜4センチくらいの所。根の先端は表皮があるため蘭菌は侵入できず見ることは出来ないが、この当たりでも蘭菌が見つかる頻度はあまり多くない。

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菌糸の先端部分。

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さらに先端。
細胞内に留まっているが、伸張しているか?

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別方向の菌糸の先端部分。
消滅している感じである(菌糸は左下)。

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別の先端。
近くに塊(デンプン?)のある細胞が見られる。
あるいは消化吸収中の菌糸か。

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菌糸の先端部分で何か出来ている。
(本では炭水化物のトレハロースやリボ核酸と記述されている)

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別角度。

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外部から根に侵入する蘭菌菌糸。
黒く見えるのは根被。

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根被を突き破って皮層に侵入した菌糸。

根に付いては、栽培管理上重要な点がいっぱいあるので、後日私見を書かせてもらいます。

今回は40年以上前に、寒蘭を細かく観察し研究していた澤先生を改めて凄いなと思い、紹介させてもらいました。

Posted by woods at 2011年08月08日(月) 05時11分   パーマリンク

2011年08月07日(日)

一冊の本 [寒蘭の勧め]

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私の手元にぼろぼろになった一冊の本がある。
カンラン 寒蘭の美と栽培 誠文堂新光社 昭和四十五年十一月三十日第一版発行 昭和五十年4月15日第五版発行 
ずいぶんと古い本である。


三五年前に無くなった父の遺品の中にあった本だ。

いつの間にか表紙が無くなっている。どんな表紙だったかとネットで調べたが画像は見つからなく、表紙だけのために古書を注文した。

自分の知識の大半がここの本から得られている。特に澤先生の記述はなんどもなんども読み返した。
「カンランの植物学的位置」
「カンラン花・茎・葉・根」
「カンランの繁殖」
この3点が当時高知大農学部の助教授だった澤完先生の執筆カ所であるが、カンランを学術的な内容で書かれており、唯一(私は他にこのような内容は知らない)のカンラン栽培理論の源泉である。

Posted by woods at 2011年08月07日(日) 06時48分   パーマリンク

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