2011年08月11日(木)
ラン菌根菌3 [寒蘭の勧め]
新芽の根に【M:消化中の根菌】は見られないかと思い観察してみた。
根の先端部分に菌糸を発見。
上を拡大。
根被をスライスして検鏡してみた。
リゾクトニアらしき菌糸がびっしりと張り付いている。
根被に張り付く菌糸。
上の拡大。
菌糸が何本か根被に侵入している。
(根被でラン菌を捕らえている感じだ)
皮層には菌糸は見られなかった。
今回も消化中の根菌らしきものや、二年生や五年生に見られた菌のネットワークは見つからなかった。
(皮層でラン菌根菌を飼うにはしばらく期間がいるのだろうか?)
これらの観察の中で澤先生の記述を確認することが出来たが、新芽の根では外部から入ってきたと思われるリゾクトニアの菌糸は見られたが消化中の塊やネットワークは見つからなかった。
二年生の根と五年生の根で【消化中の根菌】が確認でき、また二年生は少なく五年生が多くなっていた。
(これらの結果がどういうことなのかいろいろと考えさせられた。カンランは1年目に外部のラン菌根菌を捕らえ、根の中で何年も飼いならし増やし、それにより栄養を取っているのだろうか?)
Posted by woods at 2011年08月11日(木) 05時28分
コメント
>新しい鉢と用土で植替えた時に殺菌消毒まで行ったら、根の外部にラン菌根菌がいなくなり、生育に支障が出そうですが。
まず、現在の農薬で菌密度を0にするのは困難です。
ほとんどの病気は菌密度が高くなると発生しますが、市販の農薬は菌密度を下げて病気を防ぐ程度のものです。そのため農家は一つの病気を防除するため年に何度も農薬散布しています。
またフザリウム菌のようにランの中に入ってしまったら殺菌できる農薬がないのも実情です。
新しい鉢と用土にはラン菌はいないと思いますが、古い根の中にいるラン菌が新しい根に移行しているものと考えられます。
>寒蘭は、発芽時以外ではラン菌根菌への依存度があまり無いのでしょうか。
ラン菌が無くても育つことは実証されています。
しかしながら自然の寒蘭が他の蘭と比べて遅くまでラン菌と共生していることも知られています
新しい鉢と用土で植替えた時に殺菌消毒まで行ったら、根の外部にラン菌根菌がいなくなり、生育に支障が出そうですが。
寒蘭は、発芽時以外ではラン菌根菌への依存度があまり無いのでしょうか。
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