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2016年02月06日(土)

阻害要因1 施肥3 [寒蘭の勧め(旧)]

前回の記事は何を言いたいかよくわからなかったと思うが・・・
(一般土壌の考えでは寒蘭の説明は出来ないかもしれない。)

寒蘭では一般の作物と比べると土の粒子が大きすぎる。気相率が20〜30%以上となる粒径は赤玉土では直径2mm以上、鹿沼土やさつま土では1mm以上である。意外と小粒でも理想的な三相構造の気相率25〜35%となる。

これから見ると実際に使用している用土は必要以上に気相率が高くなっていると考えられる。当然だが微塵(直径1mm以下のもの)を除去すると固相率は低下して気相率は著しく増加する。

大粒化して気相率が高くなり固相率が減ると保水性が悪くなる。保水性が悪いと肥料の濃度障害を受けやすくなる。

私が言いたいのは濃度障害を起こさないように施肥管理しないといけないと言うことだ。

濃度障害→細胞破壊→雑菌の侵入→生物性阻害
施肥が限度を超えることによる外皮の損傷はそこで侵入を阻止していた病原菌や雑菌を皮層内に入れてしまうことになる。皮層細胞が破壊されてしまうと当然だが皮層内にいるラン菌根菌はダメージを受けることになる。

画像(360x239)・拡大画像(1000x664)

この表は20年以上前に作成した資料です。
今までに何度も皆さんに公開してきましたが私自身これでこの20年間施肥をしてきました。

下の説明はこの表の補足説明文(既出ですが抜粋して転記)です。


5.施肥及び用土
 施肥量は経験的な必要量を置き肥で示しましたが、農業用単位で1a(100平米)当たり窒素成分量1.0kgを一回施用量の上限としました。これを越えても寒蘭がすぐに枯れることはありませんが、2.0kg、3.0kgと施用すれば窒素等の肥料成分や塩素等の有害成分の濃度が濃くなりほとんどの寒蘭は根痛みを起こします。(肥料で根痛みを起こしている場合を計算すると、1回の施用量は上限の1.0kgを3倍も4倍も超えています。)

 施肥量を増やして根痛みさえ起こさなければ寒蘭の生育は大きく向上しますが、潅水量と土壌水分の関係で失敗する場合が多いと思い。潅水時には適度の濃度であっても寒蘭の吸水と鉢からの水分の蒸発とともに肥料濃度が濃くなり根を傷めることになります。根の外部の浸透圧が高くなることにより根の細胞内の水分が奪われ、ひどいと細胞自体が破壊されてしまいます。

 蘭の根は、鉢の偏ったカ所に肥料があり、溶け出した肥料成分がその回りだけであったとしても、近くに位置する一部の根が吸収して、その後根全体に肥料成分を行き渡らせる優秀な機能を備えています。故に鉢全体に均一に施肥する必要はなく、結果的に少量の肥料でかまわないことになります。

 この1回量1.0kgの施用量で温度管理、遮光管理、水管理をバランスよく行えば年3回程度の施用(年間3.0kg)で寒蘭は十二分な生育となります。ただし、山採り苗等旺盛に育っている場合は次の置き肥までに、液肥を潅注すると良いでしょう。肥料不足は葉枯病や炭疽病の発症要因になっています。ただし、生育の悪い物、小苗などでは1回の施用量を減して施用します。

 一般には液肥の施用も行われていますが、根痛みの原理は同じです。濃い液肥を再々施用すると置き肥を多くやったのと同じとなります。

 園芸用の液肥では、ラベルに記載されている作物の使用濃度の2〜3倍薄い濃度で使用すると良いようです。1,000倍と書いていれば2,000〜3,000倍で使用します。(ただし、寒蘭専用の液肥は最初から2,000〜3,000倍の薄い倍率を使用するよう記載しています。)

 潅水代わりに液肥を施用することがありますが、寒蘭用の用土は全体的に保肥力が高いものです。何回も施用すると、どうしても肥料濃度は濃くなっていきます。潅水は潅水、施肥はたとえ薄い2,000〜3,000倍の液肥であったとしても潅水とは別に行うべきです。

 一般の作物と比べると寒蘭の施肥量はかなり制限されています。寒蘭は園芸用のシンビジウムの仲間ですが、シンビジウムと比較すると、3分の1以下の耐肥性しかありません。ちなみに耐暑性も3分の1以下です。シンビジウムと同様の管理をしても施肥量は3分の1以下としなければならないです。しかも使用鉢及び用土が土壌水分を常に低くしています。また潅水回数もシンビジウムの3分の1程度です。このため肥料成分が濃くなることを勘案して寒蘭の施肥量は決めなければなりません。植え方が特殊であるために、シンビジウムの施肥量からは3分の1を更に4分の1〜5分の1程度までに少なくする必要があると思います。

Posted by woods at 2016年02月06日(土) 20時47分   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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