2012年06月27日(水)
花芽分化2 [寒蘭の勧め]
【日長や温度に直接依存せず,日照条件に支配される炭水化物の体内含量が関与している。】
このことを寒蘭で考えてみると、「5、6月に十分な日照を採っていること」、「芽かきをしていること」などはこれに当てはまるからやっているのだなと今更ながら思ってしまう。
昔から寒蘭は4枚葉や5枚葉以上が出ないと花が付きにくいことが解っていた。奴で新芽を出すと花を付けるのが難しいことや、逆に枯れかけの株で新芽の付かないバルブには花が付くこと等、これらのことから花を付けるにはどうしたらいいかという具体的な方策がわかっていたのだろう。
光合成で十分な炭水化物を生成しバルブや根に貯蔵しないと、そして貯蔵した炭水化物をむだに使わず、花芽のために残さないといけないということは寒蘭栽培の基本的な道理だったのだろう。
しかし、「日長や温度に直接依存せず」と言うとこからは、今年の新芽が順調に伸びてその後バルブが張ってくれば花芽が付くのか?という疑問が出てくる。それは多くの場合、来年のその時期5、6月にならないと付かないという答えになるだろう。(一般的な環境ではまず無理であるし、特殊な環境を作ったとしても任意にコントロールすることは難しいと思う。)
しかしながら、例外がある。
左の画像のような新芽には花が付く場合があるのだ。
下は上の株の新芽のアップであるが、この時期に新芽のバルブがこの程度大きくなっているものには大きな確率で花が付く。花芽の出はやや遅いものの、昨年のバルブから出た花と見劣りのしない花が同じ時期に開花を見ることが出来るのだ。
あくまで私の蘭舎でのことだが、この時期にバルブに一定の厚みがないと7、8月にいくらバルブが張って大きくなっても花芽は来ない。(上への伸びでなく横の伸びが必要)
調べてみれば解ると思うが、おそらく親バルブから子バルブへの炭水化物の移動があるのかもしれない。この大きさは「たまたま炭水化物含量が適量となるので」花芽分化してしまうのではないだろうか。(新芽の内は自分の葉で光合成してバルブに炭水化物がたまったから花芽が分化したということにはなかなかならないと思う)
Posted by woods at 2012年06月27日(水) 20時09分
コメント
こんばんは
この時期にしっかりた栄養状態になっていないと花芽は分化しないと思いますが、分化してもすべて花になるかと言うところもあるのではないでしょうか。これからいかに夏を越すかが大切な要件になると思います。
woodsさん、倶楽部の皆さんお早うございます。
花芽の分化・・・難しいですが、簡単に言うと株が充実して栄養を貯めている事、そして5、6月に日照管理を適切に行う事ですかね!? 株は充実しているのですが、”日向の誉”は、新芽は出るんですが、花芽になりにくい気がします。植え替えてみるのも一つの手(水を切った状態になるので)だと言う方もいますが、去年やったけど花芽は付きませんでした・・・
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