Woody note

土佐寒蘭の栽培を趣味にしているWoods@管理人のブログです。

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2012年08月30日(木)

花芽その後2 [最近の蘭舎]

早いもので8月も残すところ2日となってしまった。と言ってもまだ8月なのだが、良いことなのか悪いことなのか今日で去年の花芽の数を超えてしまった。
昨年より花芽の見えた数が多いので良いことなのだが、こんなに早く出そろってしまえば展示会用にならない花を量産してしまうばかりだ。
毎年花が咲いている展示会用の蘭は早い時期に花芽が出てしまった。今出ているのは初花の株か、昨年の芽に花が来ず今年の芽に来ているもので、初花で展示会に使える物はほとんど無いだろうし、新芽に花が来ているのも数的には少ない。

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この蘭は花が遅いと思っていたら新芽に見えてきた。

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これも花が遅く新芽に来るだろうと思っていたら見えてきた。

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下の記事で第二弾の花芽が出たと紹介した「無限」。
今度は第三弾が新芽に出てきた。画像では左が昨年の芽に付いた二つ目の花芽、その後ろが1つ目、新芽の右に見えるのが3つ目の花芽

3つも花芽があると選択しを迷うが、私は新芽の花芽は原則として選択しないようにしている。迷わず2つ目を選択。

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一つ目はこんなに大きくなっている。10月上旬には開花しそうな勢いだ。

Posted by woods at 2012年08月30日(木) 20時04分   パーマリンク

2012年08月24日(金)

花芽その後 [最近の蘭舎]

今年は6月以降天候が悪かったので花芽の付きが悪いのではないかと予想していましたが、私の蘭舎ではこの予想を大きく覆す結果になっています。

今日までに開花が予想される株の7割以上に花芽が見えている。開花株に至っては9割近くに花芽が確認できた。

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第二弾の花芽も見えてきた。

この株は今年花芽確認第一号の「無限」。奥に見える花芽の手前に1センチほどの2つめの花芽が出ている。
奥の花芽は(8月1日には1センチほどに伸びていたので、1ヶ月ほどでここまで大きくなっている)早く咲きすぎると思うので、今年は手前の小さな芽に花を咲かせたいと思う。


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この花芽もここまで伸びていると10月中旬には開花しそうだ。これにも第二弾の花芽が付いてくれると嬉しいのだが・・・

今年はほとんどの開花株が10月中に開花しそうな勢いで花芽を付けてきた。こんな年は始めてだ。

花芽分化は5〜6月にしており、通常は7〜8月以降はしないと考えるとつじつまが合う。
6月以降は天候は悪かったが、春先きから5月にかけてすこぶる良かったので、ほとんどの開花株が5月中に花芽分化していたのではないだろうか。
6月以降比較的夜間が気温が低かったので花芽分化した花芽が順調に伸びたのではないだろうか。

Posted by woods at 2012年08月24日(金) 19時01分   パーマリンク

2012年08月18日(土)

蒸留水器 [雑記]

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蘭舎の棚に鎮座しているのは台湾メガホーム社製の蒸留水器です。

一回の蒸留で4リッターの純水が作れる。

土壌分析用の小物として購入した。が、メインは飲用となってしまった。多い日には日に2回蒸留している。もちろんPHやECを計る人にお勧めの逸品だ。
左の湯沸かし器に水道水を4リッター入れるとほとんどロスなく右側のポットに純水が溜まる優れ物。一回の蒸留に5〜6時間かかるが、今では蘭舎での純水作りが日課となった。

Posted by woods at 2012年08月18日(土) 21時03分   パーマリンク

2012年08月17日(金)

この時期の作業 [寒蘭の勧め]

残暑も厳しいですが、私は盆を過ぎたこの時期から集中的に新芽が出なかったり、生育が遅れているなと思う鉢を植え替えしています。

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以前も紹介したことがあるかと思いますが、今はこんな感じでやっています。

この株は今年新芽が付かなかった。

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うつしてみると、根数が多く茶黒く変色しているところはあるものの腐ったり傷んだヶ所はほとんどなかった。

根の先端が白く現在伸張中のものも何本か見られたが、全体的に無駄に根数が多かった。
一見、問題ないようだが、新芽のでなかった原因に根の老化が有るのかなと考えられた。新芽が付かないのは根の老化で植物ホルモンのサイトカイニンの生成が抑制されているのかもしれない。

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そのため、バックバルブを一芽外すとともに、先端が伸張していない根の内、やや茶黒くなっていた所を剪除した。

地上の生育のため、根の活性を高めることは大事なことで、腐ったり傷んだりしていないので通常なら切り取らなくても良いところも切り戻すことで再生をはかった。

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この時期の植え替えで特に注意していることは、植え付け後の活着を良くするため、根痛みを軽減するために使用する土をあらかじめ湿らせておくこと。
あまりこんなやり方をしているのを見かけないが、前もって配合し水をかけておくと土が馴染み、植え付け後に根に負担をかけなくなるので、是非やって欲しい。私は箱に配合土を入れ灌水しているが、少数の場合は鉢に土を入れて準備しておく良い。灌水の時に一緒に水掛をかければ簡単だ。

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次ぎに、バルブの接合部や根の剪除ヶ所は癒合剤(接ぎロウ)で保護しておく。傷口からの病気の侵入を防ぐ。

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その後は植え付けし普通に灌水するが、灌水後に病気予防と発根促進のためタチガレエース液剤を1000倍程度で灌注する。この時、昨年からキトサン剤のキトチンキを1000倍になるよう混合している。
これにより植え付け時のトラブルは防ぐことが出来る。

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タチガレエース液剤やキトチンキはフザリウム菌による腐敗病予防も目的にやっているが、蘭舎内にフザリウム菌が蔓延するとこれらでは防ぎきられないので、腐敗病に対しては別途蔓延予防対策をとっていることが必要不可欠。

Posted by woods at 2012年08月17日(金) 18時53分   パーマリンク

2012年08月13日(月)

検索サイト更新のお知らせ [雑記]

土佐愛蘭会検索サイトへ平成23年度新命名登録蘭を掲載しました。

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登録 第1198号 日本 (にっぽん) 葉芸

Posted by woods at 2012年08月13日(月) 15時00分   パーマリンク

2012年08月11日(土)

花芽2 [最近の蘭舎]

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今年は花付きはどうなのだろうか?
例年並みか少ないか。

この株は昨年も開花していたものだが、普通なら寒蘭は一度開花すると毎年花を付けていく。この株はなんとか花芽を付けた。


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ここからは花芽が見えていない株で、このあとも期待できない株。

この株は新芽に栄養を取られ昨年の芽には花は付かないかもしれない。
ただ、例年なら新芽の方に花が付く可能性もあるが、今年は花芽分化しているかどうか微妙だ。

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こちらは欲張って2芽出した株。
葉に栄養を取られ花は期待できない。

花芽分化していても9月以降も葉の伸張に栄養を取られ花芽は成長しないと思う(数ミリの内に止まってしまうだろう)。

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見えているのは葉芽。
こんな状態では花は付かないだろう。

こんな株は根が傷んでいるか、慢性的な病気(炭そ病)かと思う。
早めに植え替えして作り直しだ。

花付きは株の状態がそれぞれ違うので一概に言えないが、私は今年は少ないのではないかと思う。

その理由は花芽分化の話に戻るが、基本的に寒蘭の花芽分化は5〜6月にしかしないと考えているので、今年の6月ほど天候の悪かった年は近年にはなく、寒蘭にとっては最悪の結果になるのではないだろうかと予想しているからである。
(花芽分化が7〜8月以降にも起こるのであれば、結果は違って来るが・・・)

Posted by woods at 2012年08月11日(土) 08時48分   パーマリンク

2012年08月09日(木)

花芽 [最近の蘭舎]

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ぼちぼち花芽が見え始めましたね!!
我が家の花芽をいくつか紹介します。

これは花芽だと思うが、葉芽のような大きな芽が出てきた。

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右の画像は上の芽を少し斜めから撮ったもの。

全体的に丸い。もう少し平らだと葉芽だろうが、丸いので花芽?


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こちらはこのバルブの反対側。

もう一芽付いていた。
これは袴の内側から出ているので間違いなく花芽。それにしても太い。
この株は昨年花芽が付いていたが、今時分に止まっていた。そのため二年分の力があるのかもしれない。

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昨年命名した「無限」の新芽。

この蘭は濃い紅なのだが、花芽の袴も黒々している。

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上は右の蘭の花芽だが、茶黒い。
もっとピンク芽で来るかと期待していたのだが。

色が悪くとも初花なので何が咲くか楽しみである。

*花芽をアップで撮ってみたが、綺麗なものではないですね。
袴の悲惨さが目立っています。

Posted by woods at 2012年08月09日(木) 17時42分   パーマリンク

2012年07月23日(月)

薬害 [寒蘭の勧め]

薬害について書いた所がないかと捜していたら良い資料が見つかった。
専門的な内容となっているが、端的にまとめてわかりやすいので皆さんにも参考となると思う。
薬害の症状(宮崎県病害虫防除所)

寒蘭の場合、明らかに薬害だという酷い症状は少ないが、薬害ではないかと思われる事例は少なくない。意外と薬害は頻繁に起こっているかもしれない。

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一つは「葉先枯れ症状」だ。二次的に葉枯れ病や炭そ病が発生して枯れ込んでいるが、これらの病気は生育旺盛な葉先に発生することはほとんど無く、葉焼けや薬害などで弱った所に出ている。先端が1センチ前後黒化しているのもよく見かけるが、これらも薬剤が葉先を痛めているのかもしれない。

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もう一つは、「袴の枯れ込み症状」だ。袴はバルブが肥大するにつれて立てに裂け、裂け口が傷となり病気が侵入しやすいため直接病気も出やすいが、じわじわっと枯れている場合などは先に薬害で弱ってるのではないだろうか。

Posted by woods at 2012年07月23日(月) 21時12分   パーマリンク

2012年07月15日(日)

花芽分化8 [寒蘭の勧め]

「花芽を付けるた水を切りたいが、いつ頃が良いだろうか?」
これに対する解答は結論から言うと、5月末〜6月中旬頃ではないかと思う。あまり明確な根拠は見つからなかったが、次のように植物ホルモンが関係しているようだ。ただし、これをしたからと言って確実に花が来る訳ではない。水を切ることは植物をいじめる事で花が付いたとしても決して良い結果には成らないだろう。勧められるものではない。

【水を切る】→【乾燥】→【アブシジン酸生成】→【サイトカイニンの抑制】→【開花ホルモンのフロリゲンの発現】
若い根では栄養成長しようとサイトカイニンが沢山作られているが、植物は乾燥状態が続くと気孔を閉じて水分蒸発を防ぐ機構が働く。この時アブシジン酸が生成されて気孔を閉じる(アブシジン酸には植物を休眠させる働きもある)。同時にサイトカイニンの生成を抑制する。フロリゲンとサイトカイニンとの関係はよく解らないが、花芽分化はサイトカイニンが少なる環境で起こっている。

水を切って乾燥させると花芽が付くのはこう言う理屈ではないだろうか。

これとは別に自分なりに花芽分化について何か結論づけたかったのだが、参考となる資料やデータがなくいくつか課題として残ってしまった。(中途半端ですが、花芽分化シリーズはこれで終わりにします)

Posted by woods at 2012年07月15日(日) 21時41分   パーマリンク

2012年07月09日(月)

今日の農薬散布 [最近の蘭舎]

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こちらは梅雨明けしたかのように今日は良い天気でした。

いろいろとやりたい作業もあったのだが、今日はダニの防除をしておこうと農薬散布をした。

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使用した農薬はコテツフロアブル。
ついでに炭そ病防除も兼ねてアミスター20フロアブル。
各2,000倍になるよう混合散布した。

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「最近の第一蘭舎」
第一蘭舎の立て直しは、整地作業中だがなかなか作業が進まない。
蘭舎が建つのはいつのことになるやら(^_^;)

Posted by woods at 2012年07月09日(月) 16時37分   パーマリンク

2012年07月08日(日)

中村支部芽会 [展示会巡り]

8日の日曜日中村支部の芽会が開催されました。
出品数は155鉢でした。

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優勝は西土佐の中脇氏の無名刷毛芽でした。

Posted by woods at 2012年07月08日(日) 22時34分   パーマリンク

2012年07月07日(土)

明日は芽会 [最近の蘭舎]

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明日は中村支部の芽会。
今日はどれをだそうか思案していたが、とりあえずこの5鉢に決めた。

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今年一番綺麗な芽となった「満天」。優勝候補か(^_^;)

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無名青。特別良くはないが伸びている方だ。

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小品鉢。これもいまいちだが、5枚葉だ。

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無名黄花。緑がかなり載っているが、葉とのバランスの良い芽となっている。

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未開花株。全体的に薄い刷毛ものだが、株に比べて芽が大きい。

【結果報告】
上から
特別賞
銀賞
銀賞
参加賞
参加賞
でした。

Posted by woods at 2012年07月07日(土) 19時04分   パーマリンク

2012年07月06日(金)

花芽分化7 [寒蘭の勧め]

実際、5〜6月の照度はどれ位あったらいいのか。葉焼けを心配しない環境であれば、光合成の光飽和度以上にあることが望ましいが、寒蘭の場合は照度が高いと簡単に日焼けしてしまうので(一般に蘭類の光合成は30,000ルックス前後で最大となる。蘭によっては50,000〜60,000ルックスのものもある。)寒蘭については3万ルックスが良いよとはなかなか言えない。

気温の上がる5月以降は葉焼けをしない照度にしないといけない。この照度を私は15,000〜20,000ルックス程度ではないかと考えている。30分でも強い光が当たると葉焼けを起こすので最大値となり、これ以上の強い光は当てられない。しかし光合成のためには日焼けをしないように環境を整えてこの照度を確保したいところだ。
(最大値をこのあたりで管理すると蘭舎の構造にもよるが実際に寒蘭が受ける昼間の平均的な照度は7,000〜10,000ルックス位になる。)

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遮光率75%の遮熱ネット

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遮光率45〜50%の遮光ネット

私は今年5月4日から上の資材で遮光している。
屋根は透明のポリカ波板(光透過率は90%)

【これらの資材での計算上の照度】
屋外最大値=120,000ルックス
ポリカ波板透過後=120,000×90%=108,000ルックス
遮熱ネット透過後=108,000×25%= 27,000ルックス
遮熱ネット透過後= 27,000×55〜50%=14,800〜13,500ルックス

計算上は14,800〜13,500ルックスなので葉焼けはしないと考えているが、問題はこれで十分な花芽分化が期待できるかだ。
明るくして試すしかないが、なかなか試せない。

Posted by woods at 2012年07月06日(金) 05時56分   パーマリンク

2012年07月05日(木)

花芽分化6 [寒蘭の勧め]

花芽分化について書いてきたが、解っていることはあまりにも少なく、わからないことが多すぎる。
大きな疑問がある。

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【5〜6月頃花芽分化した芽は確実に地上に出てくるのだろうか?】

地上に出てくる前に何らかの理由で、止まっているものもあるのではないだろうか。
昨年の新芽は、春には未分化の芽をバルブの基部に沢山持っていて、バルブの充実と春先の気温の上昇に伴い、その中のいくつかが葉芽となる。5、6月頃になると残った未分化の芽が花芽に分化している。花芽に分化した芽は7月の下旬当たりから一つのバルブから一つか二つ伸びてくるが、地上に出ないで地中で止まってしまう芽も少なくないのではと思うのである。

奴芽を一芽にしているが、これは花芽分化を促進するためでなく、花芽分化した花芽を途中で止めることなく伸ばし続けるために行っているのではないだろうか。(逆に栽培管理が不適でせっかく花芽分化した芽を止めていることも多いのではないだろうか)

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【遅い花芽は遅く分化しているのだろうか?】

花芽分化は7月とか8月になってもするのだろうか。本当は花芽分化は5〜6月頃にしているのに途中で止まってしまった花芽が、これも何らかの理由で遅くに伸びだしただけでははないのか。

7月下旬から8月上旬に地上に出た花芽を観察していて思うのだが、最も暑くなる8月中旬から9月上旬の1ヶ月間は伸張が止まっているように見える。9月の中下旬になってやや涼しく感じるようになると伸びてくる。
地中でも止まっていて、9月中下旬に地上に伸びてきているだけではないだろうか。

実際、花を咲かせるだけの力がなくて途中で止まっているものもあると思うが、寒蘭自らが自己防御のため花芽の伸張を止めているのではないだろうか。このまま伸張さすと暑さでブラインドになると判断し、盛夏をやり過ごしているように思えてならない。夏場に花芽は休眠しているようにしか見えないのだ。


秋遅くなってもバルブが充実すれば花芽が付くなら開花調整も可能であるが、5〜6月頃にしか花芽分化しないのであれば任意の時期に開花させられないことも当然であるのかもしれない。

Posted by woods at 2012年07月05日(木) 20時26分   パーマリンク

2012年07月03日(火)

花芽分化5 [寒蘭の勧め]

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1成木の3年生バルブ

寒蘭のバルブを検鏡してみた。

こちらは、成木の成熟したバルブ(3年生)。
びっしりとデンプン粒が蓄積されている。

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2中木の昨年のバルブ(新芽付き)

こちらは、中木の2年生バルブ(昨年の芽に新芽付き)。

デンプン粒はまばら。しかも小粒である。

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3成木2年生バルブ(奴芽付き)

こちらは、成木の2年生バルブだが、新芽が奴で付いていたもの。

まったくデンプン粒は見られない。

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これは、上の3のバルブの成熟した根。

十分伸張した根の中程からやや上であるが、デンプン粒が詰まった細胞が見られる。

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3のバルブの伸張中の根。

まったく内容物が見られない。

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これは、上の3のバルブの別の成熟した根。

蘭菌のペロトンが見られる。
(蘭菌の見つかる頻度は非常に少なかった。)

上の拡大。

ペロトンは昨年の観察では、新しく伸張中の根や若い根には少なかったと思う。

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デンプン粒(この粒はデンプンだと思うのだが確認はしていない)の蓄積は、バルブと根ともに成熟するにつれて多くなっているようだ。若いバルブや根ではほとんど蓄積されていない。
若い組織では光合成で生成された炭水化物はすぐに利用されて貯えられるところまで行かないのだろう。

それとも私の採光管理では、若い組織では光合成がデンプンの貯蔵までいかないのだろうか?

寒蘭もシンビジウムと同じように光合成の光飽和度(光合成が一番活発になるところ)は3万ルックス程度と言われている。
私の蘭舎はこの一ヶ月間は半分どころか三分の一にも達していない。
(ちなみにシンビジウムは余裕を持って5万ルックス程度の環境で栽培されている。)

Posted by woods at 2012年07月03日(火) 18時23分   パーマリンク

2012年07月02日(月)

花芽分化4 [寒蘭の勧め]

シンビジウムの光強度と花芽分化の関係についていろいろ調べていたら、光強度と花との関係で興味深いデータ見つかった。

バックバルブ下位部の炭水化物含量が、90%遮光下で育てたシンビジウムでは50%遮光下で育てたものとくらべ約4割に留ままっていたと言うものだ。しかも、50%遮光ではグルコースやフルクトース、サッカロースなどの糖は全体の14%と少なくデンプン割合が86%と高いのに対して、90%遮光下はデンプン割合は29%と低くかった。そしてこのときの90%遮光の弱光下では、花芽は全く発生していなかったと言うものだ。

これらから「シンビジウムが花芽分化するための内部的必要条件の一つとして,若い生育中のリードのバルブ下位部に光合成産物がある一定以上蓄積することが不可欠であると考えられる。」とまとめていた。

Posted by woods at 2012年07月02日(月) 21時07分   パーマリンク

2012年06月30日(土)

花芽分化3 [寒蘭の勧め]

【ブラインドと休眠】
ブラインドという言葉をご存じだろうか?
シンビジウム栽培の用語で夏の高温で花芽が止まることを言う。
暖地の平地では6〜7月に付いた花芽が8月の暑さに耐えられなくなって止まってしまう現象。品種にもよると思うが伸張している途中で止まって腐ってしまう。

これを回避するためにシンビジウムは7月頃、山上げを行っている。1000メートル級の高地に移動して涼しい環境で花芽を伸ばしている。

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寒蘭でもこのブラインド現象が起こっているのではないだろうか?近年8〜9月に花芽が止まってしまうものがよく見られるようになった。自分は7月下旬頃より花芽が伸びてきた株をタグ管理しているが、昨年は花芽を確認したもののうち花を見られなかったものが14鉢ほど率で5%ほどあった。猛暑の一昨年は10%を越えていた。

それと観察していて思うのだが、ブラインドするまでも盛夏は花芽の伸張が止まっている。このまま止まってしまうのではないかと心配していると9月の中頃から伸張しているが、夏の間は一ヶ月は休眠しているようだ。

Posted by woods at 2012年06月30日(土) 21時11分   パーマリンク

2012年06月28日(木)

消毒 [最近の蘭舎]

今日は久しぶりに晴れ間が見える天気だった。午後雲の間に太陽が現れた。
急いで農薬散布の準備をして散布していると、一気に暗くなり雨が降り出した。あいにく雨の中の散布となった。

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農薬の保管庫になっている冷蔵庫。
今日はセイビアーフロアブルとバリダシンを取り出した。

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農薬はこのホースと7頭口のノズルで散布している。

Posted by woods at 2012年06月28日(木) 23時00分   パーマリンク

2012年06月27日(水)

花芽分化2 [寒蘭の勧め]

【日長や温度に直接依存せず,日照条件に支配される炭水化物の体内含量が関与している。】
このことを寒蘭で考えてみると、「5、6月に十分な日照を採っていること」、「芽かきをしていること」などはこれに当てはまるからやっているのだなと今更ながら思ってしまう。

昔から寒蘭は4枚葉や5枚葉以上が出ないと花が付きにくいことが解っていた。奴で新芽を出すと花を付けるのが難しいことや、逆に枯れかけの株で新芽の付かないバルブには花が付くこと等、これらのことから花を付けるにはどうしたらいいかという具体的な方策がわかっていたのだろう。
光合成で十分な炭水化物を生成しバルブや根に貯蔵しないと、そして貯蔵した炭水化物をむだに使わず、花芽のために残さないといけないということは寒蘭栽培の基本的な道理だったのだろう。

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しかし、「日長や温度に直接依存せず」と言うとこからは、今年の新芽が順調に伸びてその後バルブが張ってくれば花芽が付くのか?という疑問が出てくる。それは多くの場合、来年のその時期5、6月にならないと付かないという答えになるだろう。(一般的な環境ではまず無理であるし、特殊な環境を作ったとしても任意にコントロールすることは難しいと思う。)

しかしながら、例外がある。
左の画像のような新芽には花が付く場合があるのだ。

下は上の株の新芽のアップであるが、この時期に新芽のバルブがこの程度大きくなっているものには大きな確率で花が付く。花芽の出はやや遅いものの、昨年のバルブから出た花と見劣りのしない花が同じ時期に開花を見ることが出来るのだ。
あくまで私の蘭舎でのことだが、この時期にバルブに一定の厚みがないと7、8月にいくらバルブが張って大きくなっても花芽は来ない。(上への伸びでなく横の伸びが必要)

調べてみれば解ると思うが、おそらく親バルブから子バルブへの炭水化物の移動があるのかもしれない。この大きさは「たまたま炭水化物含量が適量となるので」花芽分化してしまうのではないだろうか。(新芽の内は自分の葉で光合成してバルブに炭水化物がたまったから花芽が分化したということにはなかなかならないと思う)

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Posted by woods at 2012年06月27日(水) 20時09分   パーマリンク

2012年06月26日(火)

花芽分化 [寒蘭の勧め]

今朝のこと「花芽を付けるた水を切りたいが、いつ頃が良いだろうか?」と質問があった。
花芽を付けるため水を切ること、実際には10日ほど水やりをしないことらしいいが、私はそれをしたことがないので答えに困ったのだが、いまだにこう言うことを考えている蘭作りもいるのだなと感心した。(自分がしている技術でないので深く考えたこともなく、若い頃になんどか聞いことがある話なので迷信くらいに思っていた。)

今日は1日中「水を切る」ことがどう言う事なのだろうか?という問いが頭の中を駆け回っていた。
昔の人がしていたので、一つの栽培技術だったのだろうが・・・
上の答えに直接にはならないかもしれないが、ブログのネタに花芽分化について考えてみたい。

画像(300x199)・拡大画像(1200x799)

寒蘭の花芽分化のメカニズムは研究されることもなく、
先に紹介した「カンラン 寒蘭の美と栽培 誠文堂新光社」の澤先生の記述「花芽は5〜6月の初夏の頃に作られる。長日条件に加えてある程度の温度を必要としている。」からほとんど進展していない。

シンビジウムの花芽分化も6月頃から始まるのをご存じだろうか?
突然シンビジウムの話で申し訳ないが、寒蘭で研究されていないのならシンビジウムを参考にするしかない。私は以前から花芽分化のメカニズムは寒蘭とシンビジウムは一緒ではないかと考えていた。

最近ではシンビジウムの花芽分化は【日長や温度に直接依存せず,日照条件に支配される炭水化物の体内含量が関与している。】と言うところまで解ってきた。
これが寒蘭にも当てはまるのではないかと思う。

(続く)

Posted by woods at 2012年06月26日(火) 20時25分   パーマリンク

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