2011年10月29日(土)
展示会モード [コレクション]
支柱もほとんど外し展示会を待っています。
支柱がまだ立っているのは遅い花もありますが、一度外し花茎が真っ直ぐでなかったため、もう少し補正している花です。
展示会用の花が咲き始めました。
この花たちは大方の展示会にちょうどだったのですが、大方愛蘭会は解散したため行き場が無くなりました。
「無名紅」
初花ですが、色の濃い良い花です。
「無名青」
これは何度か咲かせたのですが、今年は舌がまきません。
「幸星」
ことしの春に仲間入りした株ですが、株とは少しバランスが悪い小さめの花が咲きました。
「無名紅」
これも三回目の開花です。
無点に近い舌で花弁の色も濃いです。命名しようかと思っています。
Posted by woods at 2011年10月29日(土) 16時13分 パーマリンク
2011年10月26日(水)
近況 [最近の蘭舎]
気の早い初花がいくつか咲きましたが、本格的な開花はもう少し先になりそうです。
今年の花は早いとか遅いとか人によって言ってることが違いますが、私の蘭舎は平年並みかと思います。
中村支部が開催される11月12日までに8割方が開いてしまいそうです。
本部展は18日からですが、12日までに開いた花を、さらに1週間置いても花崩れしないものを、本部展へ出品していくと言う感じです。
蕾は「満天」ですが、これが中村支部に間に合うか間に合わないかでしょうか。
第二蘭舎は開花専用舎になってしまいました。
風の強い日は窓の戸は閉めますが、この状態で開花を迎えます。
これまでは早朝は曇りがちで思ったほど色がのっていませんが、これから開花までネット越しですが直射が当たるよう採光していって色を載せようと思います。
画像は夕刻です。
(この写真で山の中の涼しいところだと思われるとおもいますが、海岸からは2キロほど入っているものの、標高は僅か12、3メートルくらいしかありません。温度を下げての色出しは、夜間も窓を開放して舎内に空気を通すことくらいが精一杯です。)
Posted by woods at 2011年10月26日(水) 23時49分 パーマリンク
2011年10月24日(月)
支柱外しその後 [寒蘭の勧め]
画像の蘭は支柱外しで紹介したものです。
あの日から14日経って開花しました。
どうでしょうか?正面がしっかり出来て良い感じではないでしょうか。
この花には12日以降まったく手を入れていません。初め蕾の方向が決まれば後は本当に楽です。
よく見かけますが、花が開いてから何とかしようと方向をいじっても、なかなかうまくいかないです。
ほとんどの花は茎に対して螺旋状に付いています。方向を一定方向にそろえるだけで自然な花配りになります。
螺旋は右回り左回りどちらでも構いません。
蘭舎の偏った採光で不自然に曲がってしまう花よりも、支柱を添えて花茎を真っ直ぐにし、花を螺旋状に配る方が本来のあるべき姿ではないでしょうか。
【27日追加】
画像は3日後の写真です。この花は花弁が弱く3日花かと思いましたが、そこそこ頑張ってくれています。
下の画像は花弁の反りを修正したものです。
これ以上補正すると不自然で、また何日かすると崩れてきますが、この状態であれば花会にも十分堪えられそうです。
初花なので次の花を見ないと何とも言えないですが、副弁長が5センチありますので、大輪の青々になります。実際、副弁の先端間も9センチを越えますので見応えもあります。
自分の花を褒めても仕方ないですが、もし本部展に開花が合えば、司ノ華(高知県では青々で登録)などとがっちり喧嘩の出来る花ではないでしょうか。
カテゴリー「寒蘭の勧め」の中で私の花芽管理と開花法を紹介しましたが、これはあくまで基本形であって、色んなやり方でやられている方も多いです。
花に手を加えるのには色んな意見があると思いますが、アレンジして色々とやって綺麗に咲かせてもらいたいと思います。
Posted by woods at 2011年10月24日(月) 21時02分 パーマリンク
2011年10月20日(木)
こんなのも [寒蘭の勧め]
これは茎がつぶれたように褐変しています。
蕾が萎れてきたのでどうしたことかと見ると、茎の途中が柔らかくぐにゃぐにゃになっていた。
虫か?薬害か?
たぶん、毛糸で強く縛りすぎたんだろう。
こんな失敗もたまにあります(^_^;)
これは
花茎の曲がりを補正しきれなくなった状態。
毛糸の花が花盛り(^o^)
下の画像のように蕾の重さで茎が傾き元に戻らなくなってしまったのを、無理に縛って戻そうとしています。はたしてもどるでしょうか・・・
Posted by woods at 2011年10月20日(木) 10時51分 パーマリンク
虫害 [寒蘭の勧め]
たまにはこんなのもあります。
散布間隔が10日〜14日くらいなので、その間にタイミング良く産卵されると加害されることがある。
虫は死んでいないが、蕾に痕が残った。
3輪の内2輪は無事だが、茎もかじられてた。
これらは蕾がほうき(こちらでは蕾がかたまって見えている時を言います)の時やられています。9月の上旬頃でしょうか。
殺虫剤は虫や卵に直接かからないと殺せないものや、散布成分が植物の表面(幾分浸透し)に残効として残って、その後、虫がたかると死んでしまうものや産卵した卵をダメにする物など様々なものあります。また成分に忌避効果のあるものもあり、対象とする虫に応じた薬剤選択が必要です。
画像の蕾もこれだけですので、薬剤が十分かかっていたら残効で効果があったと思いますが、たまたまかかっていなかったか、かけむらがあったからだと思います。もしこんなのが沢山あるようでしたら薬剤や散布方法を見直してください。
*これをかじった虫はおそらくハモグリバエだと思いますがすでにいなくなっていたので特定できていません。
Posted by woods at 2011年10月20日(木) 10時27分 パーマリンク
2011年10月19日(水)
薬害か [寒蘭の勧め]
今年は蕾の奇形は無いと安心していましたが、今日蘭舎で見ていたらいくつかおかしくなっているのを見つけました。
画像は第一蘭舎内で蕾が割れていたもの。薬害が疑われる。
蕾が割れるのは薬害の症状の一つだと考えられるが、この画像の蕾が薬害であるかどうかは解からない。花弁の一つが何らかの障害を受け生育が遅延し正常に発育する花弁とズレが生じ発生している。(虫の汁液吸収や、扇風機の風を強く当てすぎたときなども蕾が割れるようです)
第一蘭舎には100ほど花が来ているが、この症状が見られるのはこの鉢だけ。
こちらは第三蘭舎で見つけた蕾。
今のところ蕾が割れているのはこの鉢だけだが、この鉢には通常の薬剤散布(噴霧)に加えて、近くで腐敗病が発生していたため2〜3回ベンレートT水和剤1000倍を潅注していた。
こちらも第一蘭舎。
こちらは薬害かどうか解らないが、蕾が小さなままで止まっていた。
全体で300本ほど花芽が上がっているが(20本ほど伸張が止まったものもある)、薬害の可能性のあるものはこれら3鉢。止まった中に薬害もあったかもしれないがよくわからない。今までも多くてもこんな蕾が5〜6鉢あったくらいだ。
Posted by woods at 2011年10月19日(水) 18時38分 パーマリンク
2011年10月16日(日)
蒼竜 [コレクション]
この花は蒼竜です。
先日友人宅に行ったとき、好きな花だと言ったら開花まぎわのこの鉢をくれた。
西土佐産の古い青花だが、今でも展示会に出ると見応えのある広弁の大輪花は多くの人を魅了する。古い花だと気づかず、新花かと思ってしまう人も多い。
瑞鶴のような細弁の大輪でなく、長い花弁に似合った弁幅をしている。私はこの手の蘭でこれほど大きい青花は見たことがない。
充実した株であれば12センチほどになると思うが、写真の蘭は10センチ弱、副弁長は5センチを越えているので大輪だが、蒼竜にしたらまだまだ小花だ。
友人はこの花は良い花だが欠点があると言っていたが、開き初めて2日目のこの花からはどこが悪いのか解らない。
花弁と比べ花柄が短く見えるがこれだろうか。今のままなら花間は十分だが、多数付いたら詰んでしまうのだろうか。まさか3日経ったら万歳するのでは無いと思うが、この程度の欠点なら十分克服できると思う。
欠点のない花は無い。それを見た人に全く気にさせないように咲かすこと、魅力有る花に仕上げることが、花作りの一番の醍醐味である。いつかはこの花で皆を驚かせたい。
Posted by woods at 2011年10月16日(日) 21時01分 パーマリンク
2011年10月15日(土)
豊雪の蕾 [最近の蘭舎]
私の豊雪の蕾です。まったくもって白くないです。
いつかは白く咲かせたいと思っているのですが、ずーっとこんな感じです。
支柱立てをしていると不自然だと言われることがある。立てないのが自然だと。
「俺は支柱なんか立てたことがない、自然作りをしている」と豪語する輩がいるが、そうだろうか。蘭舎で鉢植えしていること自体自然でないじゃないか。
むしろ自然では花茎は上に伸び花は四方に配る。
支柱を立てることによって、手助けすることによって、花茎が伸び蕾が四方に配る方が、より本来の自然の姿ではないか。
蘭舎では花茎は不自然に窓があるような明るい方向に傾く、蕾も揃ってそちらを向く、自分には不自然でたまらない。
個人的に曲がった花を楽しむのであれば何も言わないが、面と向かって支柱立てを非難されると腹も立つ。
自分の補正は支柱を外す時点で基本的に終わる(あとは展示会の直前にに化粧直しをする程度だ。この当たりはケースバイケースである。主にしているのは葉磨きだが、水洗いと拭き掃除が中心。機会があれば後日紹介したい。)
蕾が傾いてしまえば修正のしようがない。花茎がかたまれば真っ直ぐにしようとしたら下手したら折ってしまう。
それと時間がなかった。今でこそ充分時間はあるが、この時期は朝早く起きて1,2時間、夜間1,2時間蘭舎にいられれば良い方だった。10月までは土日には家にいられたが、11月に入ると土日に家にいることもなかった。そんななかで一番時間が掛からなく有効な方法を探ってきた。それが蕾が傾き始める頃に支柱を外し、曲がりや傾きを補正し蕾が逆方向に向きそうな物は一定方向に向け直すという、前回紹介した一連の作業だ。一鉢10分もあれば終わる。またほとんどの鉢は10末には外し終えた。
それを時間が十二分にある毎日日曜日な人に、お前のようなことはできないといわれると腹が立つ。人並みになろうと寝る間を惜しんで努力してきたのにと。
それとかなり花に手を入れていると思われている節がある。そんな暇はなかった。サイトの更新だけでもどれだけ忙しかったことか・・・
昔から言われてきたが「趣味は仕事が忙しいほどおもしろい」と。仕事があったからこそ出来たのだと思う。
いろいろ愚痴を書いたが、自分の蘭作りが、暇があったから出来たのではないと解って欲しい。そして誰にでも出来ることなんだと。
(ただこれだけ数が増えたら限界が来た。鉢数はほどほどに ですね。)
Posted by woods at 2011年10月15日(土) 21時06分 パーマリンク
2011年10月14日(金)
農薬散布の意義2 [寒蘭の勧め]
先日の農薬散布は炭そ病の予防も兼ねていました。
ついでにやった感じですが、本当はこの時期の炭そ病予防は重要で単独でもしっかりと防除しておきたい病気です。
【炭疽病の特徴】
葉に発生する。はじめ黒褐色の小斑点が現われるが,しだいに拡大し,淡褐色〜灰白色の楕円形病斑となる。隣り合った病斑が融合すると不整形の大型病斑となり,葉先から枯れる。病斑部と健全部の境界には明瞭な黒褐色帯が形成される。のちになると,病斑上に多数の黒色小粒点(分生子層)が生じる。
[画像は上は病斑上に生じた黒点、下は黒点の一つをとり検鏡したもの]
ここから発生する分生子(胞子)の飛散により伝染する。侵入しても健全な葉には発病せずに潜伏する。そして,寒害,日焼け,肥料の害,薬害などのさまぎまの原因による生育不良に伴って活力の低下が起きると,潜伏しいた病原菌が活動を始め,発病する。病斑の周囲または健全部との境界は黒褐色帯が形成される。病原菌の宿主範囲は広く,各種の野菜,花卉,果樹などに及び,伝染源は至るところに存在する。
一般的にはこのように言われています。
【炭そ病の病徴】以下は私の私見です。
寒蘭では葉先から枯れ込むだけでなく、袴の枯れ込みも見られます。また幼木では葉の元の方から枯れてきてスボ抜症状を現すこともあります。また、袴が炭そ病に侵されていると、内側のバルブが黒変したり、次に新芽が出るときに新芽の元も黒変してくることがあります。
最初から袴が黒変している新芽は生育がきわめて悪いですね。
これ以外にも株全体の生育不良も起こしている懸念があります。フザリウムと同じように根の先端から入ってきた菌糸は道管の中で繁殖し導管を詰まらせ上部に水や養分を移動できないようにしているのではないでしょうか(イチゴなどでは株の萎縮症状を出して苗をダメにしてしまいます)。腐敗病のように急性的ではありませんが、何となく元気がないとか葉に生気がない、新子が思ったように大きくないなど慢性的な症状を出しているかもしれません。
こういう株では根も傷み、弱った根では根被だけでなく皮層や中心柱まで黒変しているようです。
【感染源と感染経路】
感染源は病斑上で生じた胞子ですが、風では飛ばず、潅水の水に溶け出して伝播しています。新芽のバルブが大きくなるにつれて袴が割れてきますが、この裂け目から侵入したり、土の中に水と共に流れ込み、根冠で発芽し根の内部に侵入します。その他傷口からも入っていきますが、幼木などは急性的にスボヌケ症状を起こすことがあります。
根から侵入した炭そ病菌は組織内(導管)で繁殖しながら胞子を水の流れに載せ葉の先端部に送るようです(専門書に書いていたと思いますが定かでないです)。すぐには発病せず潜伏し葉焼けや肥料切れなどで葉が弱ってくると発症し葉先の枯れ込みが生じます。
【耕種的防除】
土の中に流れ込んだ胞子で根の先端部に到達できなかったものは1ヶ月程度で死滅するようですが、越年しての感染は病斑上に生じた菌糸なので感染予防には薬剤散布するだけでなく、枯れた葉や袴をこまめに剪除することが必要です。また植え替え時にダメになった根を切り取ることも大切です。毎年の新芽に炭そ病が感染するのは親がどこかで病気を持っていることが多いです。バルブの接合部を通して感染しているかは解りませんが(フザリウムは接合部を通して感染する)、新子の葉や根からの感染は菌糸が発生している親株の病斑を除けることで予防できます。
【薬剤防除】
私が炭そ病の防除にアミスターフロアブルをやり始めて3年くらい経つと思います。それまで何となしに使っていたベンレートやダコニールが全く効果がなくなったために新剤として使い始めたのですが、これもそろそろ効かなくなってくるかなと思っています。ただこの3年間は他剤も使いましたが徹底的に炭そ病の防除と予防をやってきました。
せっかく出てきた新子に親株から移さないよう月に1、2回農薬散布をしています。
【おわりに】
炭そ病は腐敗病に次ぐ要防除病害です。寒蘭の生育が良いと表面には出てきませんが、ほとんどの所で蔓延していると思います。どんなに生育の良い蘭も古いバルブの葉先が枯れ込んだりしています。上に書いた慢性的な症状も結構見かけます。耕種的防除と薬剤防除を組み合わせることで上手に防除してください。
なお、根への過大な薬剤処理は、蘭菌を死滅させ逆効果となっています。緊急的なものだけにして通常は避けてください。生育が良いときに発症しないのは蘭菌が炭そ病菌を抑制しているのではないかと考えられます。
Posted by woods at 2011年10月14日(金) 19時04分 パーマリンク
2011年10月12日(水)
農薬散布の意義 [寒蘭の勧め]
この時期に殺虫剤を散布していると言うといつも不思議がられます。
そして決まって薬害はないのか聞かれます。
そんなに驚かられることなのでしょうか?
私のサイトでは何度も紹介しているので常連の方はなんとも思われなくなっているとおもいますが、昼間出会う人たちは頑固に殺虫剤散布はダメだと考えているようです。
画像は今日散布した農薬と葉面散布剤。
ロディー乳剤はハモグリバエやその他の花を加害する虫用。アミスターフロアブルは炭そ病の予防。アミノメリットは最近仕入れた蘭が根が悪く、葉から肥料を補給するため。
それぞれが2000倍となるよう混合しました。
(後ろのキンチョールは混ぜていませんよ(^_^;)
農薬は右のポリ容器を使用。
約45リッター薬液を作っている。散布には7頭口の噴口を使っている。
ちなみに左のポリタンクは200リッターのもので、キトサンなどを灌注するときに使用。この時は噴口を灌水用ノズルに交換しています。
ポンプは20年近く使っている電動のポンプ。配管のホースをつなぎ替えれば各蘭舎で散布が出来る。このポンプで最長40メートル先まで散布(灌注)しています。
さて、タイトルの「農薬防除の意義」ですが(今回は炭そ病予防と兼ねていますが、炭そ病は後日述べます)、私がどういう目的でやっているかを少し長くなりますが書いてみます。殺虫剤は使わなくて済むのであれば使わない方が良いと思いますが、私の環境ではどうしても使わざるをえません。
寒蘭を加害する虫はいくつかあるりますが、加害されて最もがっかりするのが花時期の虫です。そのなかでは「トクナガハモグリバエ」が筆頭ですね。
この虫は多食生で、どこにでもあるような雑草を餌としています。寒蘭には花芽が数センチほど伸びる、硬い花芽の袴から柔らかな蕾が覗き始めた頃、蘭舎の外部から親が飛んできて産卵します。時期的には早い花であれば8月上旬、遅い花であれば10月中旬頃です。年により多発したり全くいなくなったりしています。野外では餌となる雑草がある限り繁殖しているようです。
成虫は2ミリほどの長さで、ほんの少しの隙間から入ってきます。よく蘭舎の開口部に4〜5ミリ目の防風ネットを張っていますが(私も第二蘭舎は全面張りました)、この程度の編み目では簡単に侵入します。
画像は第一蘭舎の開口部ですが、ほとんどの虫は通り抜けられる大きな編み目です。(明らかに防虫にはなっていません。トクナガハモグリバエから見れば防風ネットでも同じように見えるかもしれません)
第一蘭舎も開口部の何カ所かは防風ネットを張っていますが、基本的に窓は5センチ目の金網を張っているだけです。
なぜこんなことをしているかというと、蘭舎に入った虫が簡単に外に出られるようにしているからです。
虫を外から入らさなくするためには、密封性の良い温室で開口部に0.4ミリ〜0.2ミリ目の防虫ネットを使用する必要があります。入り口は最低でも二重にし人の出入り時に虫が入ってこないよう細心の注意を払わないといけません。
花芽の伸張が残暑厳しい時期になる寒蘭でこんなことは出来ません。
そこでどうしても農薬での防除が必要になるのです。
私が窓をほとんど開放状態にしているのは、虫が入り込む危険性はありますが、入り込んだ虫が容易に外に出られるようにと考えているからです。仮に防虫ネットを張っていて、なんらかのひょうしで虫が侵入してしまえば、その虫は外には出られなくなり施設内の作物を加害するということに成りかねません。密閉した施設内での農薬散布では、農薬が効かない虫の被害に苦しんでしまうことになります。
それと今回のロディー乳剤もですが、アディオン乳剤も害虫の忌避効果の高い農薬です。花芽だけでなく蘭舎の至る所に散布することで、蘭舎に虫が近づかないようにしています。
皆さんが心配する薬害ですが、いまのところ全く見られません。
よく「○○という殺虫剤をこの時期の花芽に散布してかまわないか?」と訊かれますが、これには「解らない」と言っています。それは訊かれた相手の環境や散布方法がどう言うものか見当が付かないからです。
薬害の発生は環境により違ってきます。散布方法によっても異なります。当然メーカーは薬害の出る農薬は作っていません。薬害が出ないように希釈倍率など細かな使用方法も定めています。
定まった使用方法以外の使い方をした場合にほとんどの薬害は出ています。
また、自分は少々薬害がでても虫に食われて全く花が見られないより、少しばかり奇形になっても見られた方がいいと思って散布を続けています。防除はハモグリバエを主体にしていますが、8月上旬から農薬散布することでカイガラムシや、これから発生するガ類の被害も予防できています。蘭舎からはナメクジもまったくいなくなっています。
この画像は7頭口のノズルからの噴霧状況です。
かなりな圧力で噴霧されています。
長くてくどくなりましたが、今日も昼間、農薬散布について訊かれました。どんな農薬が良いのか、こちらは殺虫剤のことかと一生懸命説明しているのに、結局「殺虫剤は怖いので散布しない」で終わっています。これから本格的に寒蘭栽培を始める方は、農薬散布に目的と意義を持って取り組んで欲しいものです。(寒蘭の勧め)
Posted by woods at 2011年10月12日(水) 19時25分 パーマリンク
2011年10月11日(火)
支柱外し [寒蘭の勧め]
「寒蘭の勧め」のなかで先に支柱立てを紹介しましたが、今回は支柱外しです。どのタイミングで外すかによってその後の管理に大きく影響します。
自分が外すタイミングはこの当たりです。
花間が空き蕾が傾き始める頃です。
この時点で正面を決めます。
こちらがいいでしょうか。バック木の面です。
理想は新芽が展開している面が正面になると良いのですが、なかなかそうはなりません。
正面とは第1花(下の端の花)と頂花(一番上の花)が前を向く方向ですが、この蘭はこちらが正面になると良い感じがします。新芽は右側になるがちょうど同じような大きさの1年木の葉の間に来ます。見ていて違和感がありません。
バック木の方が正面になっていると見苦しく展示会では減点の対象となります。
正面が決まると花軸の傾きや曲がりを手直しします。花軸の傾きは株自体を傾けて修正できます。または針金で元を縛っても良いです。花軸の曲がりはこの時点であればハンドパワーでかなり補正できます。また蕾の向きも修正できます。第1花と頂花が別方向を向いているとどちらが正面か解りません。できるだけ合わせるようにしたいです。
ここまで決まればあと2週間。開花を楽しみに待つだけですね。
Posted by woods at 2011年10月11日(火) 21時40分 パーマリンク
中村支部展開催のお知らせ [雑記]
みなさんおはようございます。
中村支部展の開催が決まりましたのでお知らせします。
11月12日・13日です。
この日は宿毛支部展もあります。
12日の晩には支部の交流会もあります。中村で宿泊される方は是非参加してください。
*中村支部のポスターは前年度優勝花を載せています(今年はひな壇でライトアップされた久岡氏出品の恵です)
Posted by woods at 2011年10月11日(火) 10時49分 パーマリンク
2011年10月10日(月)
オークション [雑記]
久しぶりにオークションに出品しました。
http://tosaran.com/auction/start.shtml
Posted by woods at 2011年10月10日(月) 21時25分 パーマリンク
2011年10月06日(木)
今日の蘭舎 [最近の蘭舎]
ここ1週間ほどすっきりしない天気続きましたが、今朝は久しぶりに晴天で蘭舎へ朝日が当たった。今朝は薄暗い中、花芽に直射を当てようと蘭舎の中で右往左往していた。隣のおばさんは何をしているかと思ったことだろう。
7時前の第二蘭舎です。
こちらは東端の棚ですが、この前まで日は全く差さなかったが、今朝は1時間ほどしっかり当たっていた。
第二蘭舎は3つの平棚の他に作業台があるが、そこも大活躍で日が差していない所の鉢を持ってきて置いた。
ちょうど日が当たるように鉢を移動している。
こちらは東側の窓際の作業台。
昨日から置いていた青花に日が当たっていた。
青花も直射に当てると堅くて厚みのある良い花になるようだ。
日に当てたくないのが更紗なのだが、どこに置いたらいいのかわからない。この蘭舎で一番暗い所はどこだ(^_^;)
こちらは第一蘭舎。
この時間帯、全く日が当たっていない。
家の裏にあるこちらは第二蘭舎より朝日は1時間以上遅くなる。
でも構わないもので、「恵」や「鈴華」、「里紅」、「金紫鳥」はここで発色しひな壇に上がった。
ならば今まで通りやったらいいじゃないかと言われそうだか、早朝の日光を加減して取り込めば桃や紫の色が出るのじゃないかと期待している。
Posted by woods at 2011年10月06日(木) 20時33分 パーマリンク
2011年10月05日(水)
卓上の一鉢 [寒蘭の勧め]
私は寒蘭の花をどれだけ楽しんできたのだろうか。
ここ何年も展示会で上位入賞することに情熱を傾けていたが、それが私の寒蘭作りの楽しみであったのだろうかと自問している。
先日撮った写真だが、なんとも卓上の一鉢は風情があって良い。
Posted by woods at 2011年10月05日(水) 22時04分 パーマリンク
ロクヨン [Digitalcamera編]
宝の持ち腐れ的になっている「AF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VR」ニコンの新型のロクヨンです。今年の3月に購入していた。
デジ一眼(当時D100でしたが)を始めた頃、いつかはロクヨンと思いながら欲しくてたまらなかったレンズです。退職の記念に思い切って買っていました。
何を撮るかですが、寒蘭を撮るために買ったんではないです。
いまのところ朝日や夕日を撮っています。先日アップした月はこのレンズで撮っています。
使わないともったいないので寒蘭も撮ってみようとは思っています。
三脚・雲台関係は
GT5541LS Gitzo CF6X Systematic Tripod
GS5121LVL Gitzo Leveling Base
PG-02 FG: PG-02 Full Gimbal Head
の3点です。ちなみにカメラはD300。
あまり使っていないのでたいした感想は言えないのですが、重量的には軽い方ではないかと思います。ただし持ち運ぶのは大変です。
ブレは無いようであるような感じですが、レンズのVRがよく効いているので私の撮影内容であれば全く問題有りません。感想になっていないですが。
Posted by woods at 2011年10月05日(水) 22時00分 パーマリンク
2011年09月29日(木)
無消毒鉢の使い回し厳禁 [寒蘭の勧め]
先の記事「植え替えのポイント」のなかで簡単な鉢の消毒方法を紹介したように、自分は鉢を再利用するときは全部消毒しているように思われたかもしれないが、実際は病気の心配ない鉢はそのまま使ってきた。
以前はほとんどをこの方法で消毒していたのだが、考えてみると去年も今年も一度もしていなかった。根の悪いのも当然かもしれない。
鉢を簡単に水洗いして、ケミクロンGの1000倍液へ10分間浸漬による消毒。
土が付いたままの鉢を浸けても効果はあると思うが、一応浸ける前には水洗いをしている。この作業が面倒で何年も手抜きをしていた。
ケミクロンGは農業用の容器や用土の消毒剤である。ほぼ完璧に病原菌を滅菌できる。
成分的にはプールの消毒剤と同類。
1000倍液でもやけどを起こすので、使用時はメガネやゴム手袋が必須。液に手をいれてもすぐには問題ないが、乾くと濃くなりやけどを起こす。このため液が手や顔に散った場合はすぐに水洗いする。
引き上げて数日放置。
白い粉が残るが気にせずに植えている。気になるようだったらこの時点で水でかけ流すとよい。
日に当てると成分の塩素が飛ぶので早く使いたい場合は日向に干すとよい。
「無消毒の鉢の使い回し厳禁」
いつでも基本はしっかりやっていかないとダメですね。
Posted by woods at 2011年09月29日(木) 15時06分 パーマリンク
2011年09月28日(水)
根圏微生物 [寒蘭の勧め]
ラン菌のことはいろいろと書いてきましたが、ラン菌を含めて根圏微生物という世界があります。
みなさんあまり知らないと思いますが、近年非常に注目されている分野です。解らないこともまだまだ多いですが、というより解っていることが少ないと言った方が良いですが、ネットで検索すると色んな人の記述が見られます。
寒蘭栽培の上で参考になることがいっぱいありますので、いちど色んな人の記事を読んでみて下さい。
私も勉強中です。
http://www.ideshokai.com/navi/kikaku1.html
http://www.mizunobunkaen.com/neken.pdf
こんなところがわかりやすくて参考になります。
Posted by woods at 2011年09月28日(水) 21時28分 パーマリンク
2011年09月27日(火)
憂鬱 [最近の蘭舎]
寒蘭を作っていると解らないことがいっぱい出てくる。
いろいろ考え過ぎて、結果を悪くすることも少なくない。
今年、私を悩ましているのが新根の黒変。
いまのところ生育には影響ないが原因がわからない。
画像は「福の神」、昨年の本部展ベタの部金賞株。
いつまで待っても花が見えないので今年はダメかとバックを外し植え直そうとうつしてみた。
なんと3つきた新芽の一つに花芽が付いていた。
株分けはやめて、植戻すことにした。
根の状態を確認すると、まだ痛みにはなっていないが、成長中の新根が先端部をのこして真っ黒である。
こちらの新根(中央の伸張中のもの)も茶黒い。
こちらも(中央やや下の伸張中のもの2本)。
08月23日の「根被の働き」で紹介しているように本来の根である外皮や皮層はまったくもって何ともなく、根被(死んだ状態の細胞がスポンジのようなって根を保護している)だけが変色しているのだが。
見た目に黒いとどうも嫌だ。そのうちどうにかなりそうで怖い。
ついつい、土が悪いのか、赤玉土のせいかとかいらぬことを考えてしまう。夏場に伸張しているカ所に変色があり、それも今年と昨年のみで、その前はこれほど茶黒くなっていない。この二年灌水回数が多かったのがいけなかったのかとか・・・考え出したら止まらない。
白い根の根被と黒い根の根被を顕微鏡で見ても大きな違いは見あたらない。細胞壁が白っぽいか茶色いかで明確な差はなく白い根もよく見ると細胞壁は茶色くなっいる。
それと外から茶黒く見える物は、ほとんどが付着物である。白い根にも同じような物が付いているが付いている範囲が非常に少なく、黒い根は多いという感じである。
この付着物がどうして付くのか、悪さはしないのか(逆にこれが付いていると蘭の生育が良いような気がするが)を見極めていきたい。
とりあえず、この福の神は新しい土で植えた。
7号鉢で植えていたが、3芽新子が付いているので元の鉢には収まらなくなった。
土佐寒では7.5号鉢は嫌われる傾向にあるが仕方なしに植えた。
この福の神は我が家の看板木だ。
これほど葉が幅を引いて大きな株は他に無いだろうと思う。
一昨年(金紫鳥が優勝した年)も本部展に連れて行ってたが、私は金紫鳥よりこちらに優勝を期待していたほどだ。
長々と愚痴を書いてしまったが、答えは自分で見つけている。
「初心に戻れ」、「手を抜くな」であるが、双六のように振り出しに戻ることも必要だと思う。
とりあえず3年前に戻ろうと思っている。
Posted by woods at 2011年09月27日(火) 16時35分 パーマリンク
2011年09月24日(土)
花芽管理 [寒蘭の勧め]
もう一ヶ月もすると花時期ですね。いよいよ本番が近づいてきました。この時期は花芽をムシに食べられないようにすることはもちろん、花軸が曲がらないように伸ばすことも大切な管理になってきます。
展示会では曲がった花軸では、審査でどうしても減点され上位入賞が難しくなります。家庭用なので花軸は曲がっていても良いじゃないかという人もいますが、ほったらかしで曲がったのでは魅力が半減します。放任で咲かせた花は自然咲きで良いようですが、鉢植えしていること自体が不自然ですのでもう一細工して、その花の魅力を引き出してあげたいものです。花軸を真っ直ぐすることで、見違えるほど良くなります。
(いつかは意図的に曲げて生け花的観賞をするようになるかもしれませんが・・)
花軸を真っ直ぐ伸ばすためにはやっぱり支柱立てが必要です。他の方法もありますが、鉢を回したり、開花してから花軸をいじったりするより、支柱立てが一番楽で良いのじゃないかと思っています。立てるときはしんどいですが、花配りをして蕾の方向が決まるとその後はほとんど手が掛かりません。花軸が伸びて最後の蕾が傾き始めたころが支柱の外し時ですが、ここまで真っ直ぐ伸ばしていると支柱を除けても花は自然とまとまります。
よく展示会当日(会場)まで支柱を立てている人を見かけますが、会場で支柱を外してから姿勢直しにバタバタしています。
画像は支柱を立てた直後
昨日今日と一気に200本ほど支柱を立てた。基本的な支柱立ての方法は今までも何度かブログに載せているのでそちらを見てください。
初めはこんな感じで花茎の元から縛っています。
元の方は硬くなっていますが先は柔らかく折れやすいので注意して下さい。
花芽が上部に伸びるにつれて上へ上へと縛っていきます。
寒蘭は花軸を真っ直ぐ伸ばすことで花の魅力が引き出されているのではないでしょうか。
Posted by woods at 2011年09月24日(土) 19時26分 パーマリンク
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