Woody note

土佐寒蘭の栽培を趣味にしているWoods@管理人のブログです。

10

2011


            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

検索


カテゴリーリスト

広告

2011年10月14日(金)

農薬散布の意義2 [寒蘭の勧め]

先日の農薬散布は炭そ病の予防も兼ねていました。
ついでにやった感じですが、本当はこの時期の炭そ病予防は重要で単独でもしっかりと防除しておきたい病気です。

画像(280x210)

【炭疽病の特徴】
葉に発生する。はじめ黒褐色の小斑点が現われるが,しだいに拡大し,淡褐色〜灰白色の楕円形病斑となる。隣り合った病斑が融合すると不整形の大型病斑となり,葉先から枯れる。病斑部と健全部の境界には明瞭な黒褐色帯が形成される。のちになると,病斑上に多数の黒色小粒点(分生子層)が生じる。

画像(300x225)・拡大画像(640x480)

[画像は上は病斑上に生じた黒点、下は黒点の一つをとり検鏡したもの]

ここから発生する分生子(胞子)の飛散により伝染する。侵入しても健全な葉には発病せずに潜伏する。そして,寒害,日焼け,肥料の害,薬害などのさまぎまの原因による生育不良に伴って活力の低下が起きると,潜伏しいた病原菌が活動を始め,発病する。病斑の周囲または健全部との境界は黒褐色帯が形成される。病原菌の宿主範囲は広く,各種の野菜,花卉,果樹などに及び,伝染源は至るところに存在する。

一般的にはこのように言われています。

画像(300x200)・拡大画像(900x602)

【炭そ病の病徴】以下は私の私見です。
寒蘭では葉先から枯れ込むだけでなく、袴の枯れ込みも見られます。また幼木では葉の元の方から枯れてきてスボ抜症状を現すこともあります。また、袴が炭そ病に侵されていると、内側のバルブが黒変したり、次に新芽が出るときに新芽の元も黒変してくることがあります。
最初から袴が黒変している新芽は生育がきわめて悪いですね。

これ以外にも株全体の生育不良も起こしている懸念があります。フザリウムと同じように根の先端から入ってきた菌糸は道管の中で繁殖し導管を詰まらせ上部に水や養分を移動できないようにしているのではないでしょうか(イチゴなどでは株の萎縮症状を出して苗をダメにしてしまいます)。腐敗病のように急性的ではありませんが、何となく元気がないとか葉に生気がない、新子が思ったように大きくないなど慢性的な症状を出しているかもしれません。
こういう株では根も傷み、弱った根では根被だけでなく皮層や中心柱まで黒変しているようです。

【感染源と感染経路】
感染源は病斑上で生じた胞子ですが、風では飛ばず、潅水の水に溶け出して伝播しています。新芽のバルブが大きくなるにつれて袴が割れてきますが、この裂け目から侵入したり、土の中に水と共に流れ込み、根冠で発芽し根の内部に侵入します。その他傷口からも入っていきますが、幼木などは急性的にスボヌケ症状を起こすことがあります。

根から侵入した炭そ病菌は組織内(導管)で繁殖しながら胞子を水の流れに載せ葉の先端部に送るようです(専門書に書いていたと思いますが定かでないです)。すぐには発病せず潜伏し葉焼けや肥料切れなどで葉が弱ってくると発症し葉先の枯れ込みが生じます。

【耕種的防除】
土の中に流れ込んだ胞子で根の先端部に到達できなかったものは1ヶ月程度で死滅するようですが、越年しての感染は病斑上に生じた菌糸なので感染予防には薬剤散布するだけでなく、枯れた葉や袴をこまめに剪除することが必要です。また植え替え時にダメになった根を切り取ることも大切です。毎年の新芽に炭そ病が感染するのは親がどこかで病気を持っていることが多いです。バルブの接合部を通して感染しているかは解りませんが(フザリウムは接合部を通して感染する)、新子の葉や根からの感染は菌糸が発生している親株の病斑を除けることで予防できます。

【薬剤防除】
私が炭そ病の防除にアミスターフロアブルをやり始めて3年くらい経つと思います。それまで何となしに使っていたベンレートやダコニールが全く効果がなくなったために新剤として使い始めたのですが、これもそろそろ効かなくなってくるかなと思っています。ただこの3年間は他剤も使いましたが徹底的に炭そ病の防除と予防をやってきました。
せっかく出てきた新子に親株から移さないよう月に1、2回農薬散布をしています。

【おわりに】
炭そ病は腐敗病に次ぐ要防除病害です。寒蘭の生育が良いと表面には出てきませんが、ほとんどの所で蔓延していると思います。どんなに生育の良い蘭も古いバルブの葉先が枯れ込んだりしています。上に書いた慢性的な症状も結構見かけます。耕種的防除と薬剤防除を組み合わせることで上手に防除してください。

なお、根への過大な薬剤処理は、蘭菌を死滅させ逆効果となっています。緊急的なものだけにして通常は避けてください。生育が良いときに発症しないのは蘭菌が炭そ病菌を抑制しているのではないかと考えられます。

Posted by woods at 2011年10月14日(金) 19時04分

コメント

tama さん 勉強になりましたか?
有機農法的なものは理論が不確かなものも多いですが、キトサンは学術的にも研究され効用が理論的に証明されています。
キトサン製品の多くは成分がどれだけ入っているかわからないものも多い中、キトチンキは成分濃度も安定(保証されて)していて使用倍率もしっかり計算できますので、安心して使える製品です。

woods 2011年10月16日 22時24分 [削除]

WOODSさんこんばんわ。炭素病はあまり気にしていませんでしたが、本当に厭な病気ですね。
ところで先日教えていただきました「キトチンキ」のホームページにメールしたところ、何と代理店の方が職場まで来てくださいました(私の職場から約30?もはなれた所から、わざわざ昼食時間を目指して出てきてくださいました。また特にセールスをするでもなくトクトクとMリン農法(?)とキトチンキのことを説明されました)。
 価格は1万円位と高かったですが、開封後も何年間も保存できるとのことでしたのでさっそく購入することにしました。今後色々と試してみます。貴重な情報ありがとうございました。

tama 2011年10月16日 21時57分 [削除]

こんばんは
炭そ病は月二回しないといけないかですがこの時期に一回でも十分だと思います。二回するのはロディーやアディオンなどの殺虫剤を二回するので混用して二回となっています。
私の使用薬剤はアミスターフロアブルとゲッター水和剤です。それと炭そ病に効果があるか解りませんが、バリダシン液剤も混用で何回か使っています。

woods 2011年10月15日 20時58分 [削除]

woodsさん、倶楽部の皆さんおはようございます。
情報交換のページで、写真が重くエラー表示が出たので同じ投稿を2回してしまいました。(削除して下さい)私も株を充実させようと日当りの良い場所に鉢を置いたら葉は黄緑色に炭その黒点や、さび病が発生しています。また薬害を心配して月2回(殺虫1、殺菌1)しかしていないのも原因があると思います。今後は殺虫剤と殺菌剤を混合して回数を増やす事も考えていますが、適合品があれば教えてください。

sato 2011年10月15日 08時09分 [削除]

コメント投稿フォーム

名前:(この情報をCookieに保存させたい場合にチェック)
メールアドレス: (表示はされません)
URL: (名前にリンクされて利用されます)
コメント:
パスワード: (削除時に利用)

トラックバック

トラックバックURL

http://www.tosaran.com/ablog/tb.php?ID=966

ページのトップへ ページのトップへ

広告

最近の記事

最近のコメント

リンク集

RSS1.0 RSS2.0

[Login]


powered by a-blog
Copyright (C) 2010 Tosakanran's Site Woodynote All rights reserved.