2012年07月23日(月)
薬害 [寒蘭の勧め]
薬害について書いた所がないかと捜していたら良い資料が見つかった。
専門的な内容となっているが、端的にまとめてわかりやすいので皆さんにも参考となると思う。
薬害の症状(宮崎県病害虫防除所)
寒蘭の場合、明らかに薬害だという酷い症状は少ないが、薬害ではないかと思われる事例は少なくない。意外と薬害は頻繁に起こっているかもしれない。
一つは「葉先枯れ症状」だ。二次的に葉枯れ病や炭そ病が発生して枯れ込んでいるが、これらの病気は生育旺盛な葉先に発生することはほとんど無く、葉焼けや薬害などで弱った所に出ている。先端が1センチ前後黒化しているのもよく見かけるが、これらも薬剤が葉先を痛めているのかもしれない。
もう一つは、「袴の枯れ込み症状」だ。袴はバルブが肥大するにつれて立てに裂け、裂け口が傷となり病気が侵入しやすいため直接病気も出やすいが、じわじわっと枯れている場合などは先に薬害で弱ってるのではないだろうか。
Posted by woods at 2012年07月23日(月) 21時12分
コメント
葉先の黒化の明確なメカニズムはよくわかりません。根の老化による生理障害だとも言われたり、いろいろ原因があるようです。もちろん物理的な傷も原因になると思います。
ただ、生育良好な葉(特に1年生)ではあまり見られず、ややお疲れかなという葉(2,3年生以降)に多いようです。
農薬はどうしても葉先(特に垂れ葉)や袴に溜まりやすく、蒸発過程で一時的に濃度が濃くなっています。何度も繰り返すことで組織を痛めていくことになり、そのため葉先や袴を枯らす要因の一つではないかと考えています。
農薬は適正使用していれば一回の散布で直接的に葉先や袴を枯らすような大きな薬害が発生するこはまずないです。
よく見られる直接的な障害は新葉の途中に褐変した擦り傷のような跡(まだそのカ所が袴の中にあって薬液が溜まった事による濃度障害)が出ているもや、薬液が付着した跡が葉緑素が抜けたようになっている物などですね。
薬害の再現試験は難しいですよ。同じ設定条件でも出たりでなかったりします。
woodsさん、こんばんは。
葉の先端が黒化するのは、作業中に人やネットが葉先に触れて痛むのがきっかけのように思います。傷が無ければ、正しい使用方法では、薬害も発生しずらいのでは。
わざと薬品ごとの薬害を葉の1部に起こさせてが良いとは分っていますが、2度と手に入らない稀貴品ばかりなのでとても残念です。
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